Blue x Orange

明け方こそ、濃霧に覆われていたものの、大雨の影響で試験開始を30分遅らせた火曜日の天気が嘘のような快晴。
進学クラス高3のReadingの試験監督。
当然、「読むこと」を鍛える授業ですが、ここまでの1ヵ月半はトレーニングした素材で暗誦徹底しか課していないので、靜式をアレンジした筆記試験に加えて、授業で扱った素材と同じテクストタイプで初見の読解問題を1題と、「英語を英語で理解する」風味の初聞のリスニング問題の小問6x2題で12題。監督をしながら、最後はライブで読み上げです。
以上で、中間テスト終了。後は、採点天国。天国なんだから焦らずゆっくりと過ごすに限ると思います。
午後からは明日の「萩往還Walk」の最終打ち合わせの職員会議。天気も金曜日までは持ちこたえそうで安堵。
帰宅途中で、自分の身体のメンテナンスでマッサージに。
腰の疲れが溜まっているのは施術ですぐわかるだろうが、腸の調子が悪いというのをピタリと当てるのは流石。来月また寄らせてもらいます。
その後、Scotland Martに立ち寄る。オーナーには久々のご挨拶。オーダー会で揃ったアイテムの数々を眺める。宗川さんのご来店は明日以降とのことだが、週末は私が本業でちょっと難しそうなので、今日のタイミングでスキマを縫った次第。革の色とステッチの色とを選び、自分へのささやかなご褒美の予約をしておきました。大きな買い物ではありませんが、楽しみは多い方がいいでしょう。出来上がるのは7月以降ということです。

ELECの夏期研修会のプログラムを担当者とやりとり。
内容が決まりました。ELEC協議会のサイトでの公式リリースは6月初頭くらいになるのでしょうが、とりあえず私の担当する日の分だけを以下にフライング。

タイトル: 今さら「ライティング」? 今だから「ライティング」!
内容: 今「ライティング」指導を振り返る
テクストタイプに応じた指導
論理 (=タテ糸) と英語表現 (=ヨコ糸) 〜「言いたかったけれど言えなかった言葉」とどう向き合わせるか
内容の補足説明
・グラマー・コンポジション→英語II C→ ライティング → ライティング と変遷してきた高校英語での「書くこと」の指導を振り返ります。
・ 物語文 (Narration) ・説明文 (Exposition) ・論証文 (Argumentation) といったテクストタイプごとに「モデルの提示」「アイデアジェネレーション」「表現の型 (頭出しチャンク)」「フィードバックの典型例」といった流れでの指導の組み立てを考えます。
・ 体系的な文法指導を終えてから、短文の和文英訳、自由英作文と進むのではなく、パラグラフライティングで求められる英語の論理 (タテ糸) に従って「自分で書く」ことから、「言いたかったけど言えなかった言葉」と向き合わせることで、英語表現 (ヨコ糸) の習得を促すアプローチを志向します。

私の講座は、午後からですが、午前中は、佐藤留美先生 (東京都立西高等学校) による講座が予定されています。今期の研修会では、馬場哲生先生・馬場千秋先生による「ライティング」に特化した日もあるようですので、ライティング指導に興味関心のある方はそちらにも注目していて下さい。ELEC協議会サイト (http://www.elec.or.jp/teacher/teacher01.html)での正式告知をお楽しみに。


せっかくですから、今回講座を引き受けた思いなどを記しておきます。
私の担当する上記講座では、これまでの「英作文指導」「ライティング指導」を振り返り、現行の「ライティング」という科目がいったい何だったのかをしっかりと考えておきたいと思っています。今回のテーマ候補としては、「何を今さらライティング」「さらばライティングと言おう」「絶滅危惧種としての『ライティング』」などがあったのですが、考えるにつけ心が重くなっていくので、少しジャッキアップしてみました。
今年度の私個人のテーマは「パラフレーズ」なのですが、読んだり・聞いたりした英語を自分の言葉で「言い換える」「要約する」という活動を「ライティング」という視点から再検討してみたいという目論見もあります。
新指導要領に関しては、まだ教科書も出ていない段階ですから、基本的に考えないことにしています。そんなことよりも、「書くこと」ととことん向き合うこと、「自分の書こうとする言葉」「書きたかったけれど書けなかった言葉」とどう向き合うか、向き合わせるかということに私の主たる興味関心はありそうです。そして、「いずれ、自分が書けるようになるであろう言葉」にどう出会わせるか、どう親しませ、付き合わせるかということが、私の頭の中にある、地に足の着いた「自己表現」であり、「技能連携」であるということでしょうか。今回の講座を担当することで、自分の中身も整理しておきたいと思っています。
「タテ糸」「ヨコ糸」は、専修大の田邉先生の受け売りですが、糸を紡いでいく上で、「和文英訳」という活動、そしてその下位ストラテジーとみなされることもある、「和文和訳」という手法、最終的には「L1」つまり「日本語」から逃げずに正面から向き合いたいと思います。
近年、高校の英語I, 英語II の指導の中で、英語表現のチャンクやコロケーションによる定着を促す指導は広く行われているようです。その際に「サイトトランスレーション」といわれる手法を授業に取り入れている先生も多いことでしょう。英→日、日→英でのサイトラにかなりの時間を割いて習熟を図る授業も見られます。では、サイトラで「英句和訳」「和句英訳」をトレーニングするのは、今風でかつ、理に適っているけれども、「英文和訳」「和文英訳」は、時代遅れで排すべき指導方法なのでしょうか?

  • 「和文英訳」は難しい、翻訳のレベルの活動を中高現場で要求するべきではない、まずは、中学校レベルの英語でも表現できる「易しい日本語」に噛み砕いて「和文和訳」してから、英訳に取りかかる。

という声もよく聞かれます。一方、「その英文は既に自分で使いこなせるようになっていて、その英文の日本語訳からの反訳」ができる題材・素材しか扱っていないのではないか、という教材も多く、さらには、「そもそも、その易しい日本語を英訳した時に得られる英文自体は、学習者はいつ習得していると期待されるのか?」という部分はブラックボックスのままであることが多いようです。
こんなことも見据えながら、現在、英語教育プロパーでの研修会で、もっとも潤沢に時間をいただける研修会の利点を活かし、昨年末の語研の冬期講習会で扱い切れなかった内容も含めて、参加する方々と議論できれば幸いです。
今回の夏期研修会とのタイアップで、全講師から推薦図書が2冊ずつあげられ、神田・神保町の三省堂書店で期間中にブックフェアーが開かれるようです。私自身、これには是非足を運びたいと思い、宿泊先は神保町へのアクセスのしやすいところにしました。

夕飯は、1週間寝かせたカレーで作る巣鴨「古奈屋」風カレーうどん。ターメリックが肝臓の働きを助けてくれることでしょう。
明日の天気予報は晴れ。最高気温29℃とのこと。
暑さ対策が不可欠ですね。

本日のBGM: 青空と白い花 (原田知世)