When the Music Died

tmrowing2006-12-08

高2の採点終了。二極化か?高3は今のところ手つかず。今夜、採点の神様が降臨してくることを祈ります。
今日は洋楽好きの人にはJohn Lennonが亡くなった日として記憶されているのだろうが、真珠湾攻撃の日でもある。(ちなみに、今日は「無原罪の聖マリア」の祝日でもあるようです。)
以前、荒川洋治だっただろうか、「忘れはしないけれど、許すことができなければならない」というような言葉を何かに書いていて記憶に残っている。荒川が指摘したのは東アジアでの禍根についての話だったかと思うのだが、思うに、日本人は、「広島、長崎を忘れもしないし、許しもしない」という側面が強く有りはしないか?それでは先に進めないのだろうと思う。「忘れない」ことは大切だが、「許す心」がなければギャップは埋まらないし、相手を受け入れることができない。
さて、1980年といえば、私は高校生だった。今日の画像は、その当時定期購読していたTIMEの特集号。(TIMEを定期購読するようになった顛末は過去ログへ→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20050309
26年も経つと、さすがに表紙がぼろぼろだ。カバーストーリーの1ページ目で使われている写真のJohnの表情が素敵で、John Lennonが亡くなったという実感があまり持てなかったことを覚えている。偶像崇拝を誰よりも嫌っていたはずのJohn Lennonを必要以上に神格化するのはよした方がよいと思う。私が気に入っているJohn Lennonのカバー作品に、下村誠の1981年のアルバム(『John Lennonに捧げる愛の歌』)がある。インディーズのレコードで、アルバム全編4曲(+1曲なぜかLet It Beが…)、日本語詞でJohnの曲を歌ったもの。(レーベルには非売品とあるけど、パイド・パイパー・ハウスで買ったんだったっけ?)訳詞ロックで一世を風靡した「王様」、がメディアをにぎわす遙か昔の作品である。私の嫌いな "Imagine"も、

  • 考えてみてごらん、天国なんてないのさ/その気になれば何でもわかるはずさ/僕らの足元には地獄なんてなくて/頭の上に空があるだけ(『考えてみてごらん』)

などという風に歌われており、「これは正しいJohn Lennonとのつきあい方だな」と感じて、学生時代からのお気に入りだった。
このアルバムとTIMEのこの特集号はその後、度重なる引っ越しにも失われることなく我が家にあるところを見ると、私自身、John Lennonに相当な思い入れがあるということなのだろう。
当時の私の読解力と今の読解力とを比べれば今の方が読めるようになっていると思うのだが、TIMEの誌面構成やEssayの切れ味などはこの頃の方が良かったと感じることが多い。(この頃のEssayは松本道弘氏が朝日イブニングニュース社から英語教材として出していた記憶があるので、そちらでもお読み下さい)
Indexでのカバーストーリー紹介

  • The Beatles orchestrated a generation’s highest hopes, and with John Lennon’s tragic death at 40, the dream fades. Americans confront and ponder the latest killing in a wave of violent crime.

「編集長の手紙」から関係者のコメントを抜粋。

  • Of all the Beatles, Lennon was the one who showed the greatest depth and complexity. His was the growth I expected the most from, and now that growth has been cut short. (Senior EditorのChristopher Porterfieldによる回想)

本日のBGM: 涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない(Moonriders『最後の晩餐』より)