the very best of 2015

「2015年のベスト3」という企画モノの呟きが私のタイムラインにも増えていたので、こちらで私家版をば。

まずは、「2015年、この3冊」

寺尾紗穂『原発労働者』(講談社現代新書)

志村正雄『映画・文学・アメリカン』(松柏社)

阿部公彦『幼さという戦略』(朝日新聞出版)

になりますかね。 最後の一冊はまだ読みかけですけど。
今年は例年に比べて本を読まなかった年でした。とりわけ「新刊」というものを殆ど読んでいません。ここにあげたもの以外だと数冊でおさまるでしょうか。図らずも追悼という意味合いの、読み返しが多かったように思います。
でも、読むことの意義って「冊数を競うこと」じゃないでしょう?
どれだけ自分にとって意味のある本に出会えたか、再会できたか、ということの方が、少なくとも私には大きいので。

続いては音楽。
「2015年、この3枚(邦楽編)」
「諮らずも」所謂best盤になりました。

大村憲司
Aged 25 Years --- best live tracks V ---


TOMOVSKY
Best 3


鈴木慶一
諮らずも朝夕45年 Keiichi Suzuki chronicle 1970-2015


最後のは3枚組みなんですけど、ご容赦を。

最後は所謂「洋楽」。英語で歌っているものを十把一絡げで。
「2015年、この3枚(洋楽編)」

Squeeze
Cradle to the grave


G大の後輩高木君に教えてもらったバンドがSqueezeでした。綿内さんがオープニングアクトを務めたライブには行けませんでしたが、学生時代から今現在まで聴き続けていて、自分の中の「ブリット・ポップ」のかなり真ん中に位置しているバンドです。
新しいか?と言われると、やっていることは変わらないということになるのでしょう。ソングライティングは「鉄板」のChris Difford & Glenn Tilbrook にグレンのメインボーカルにクリスのコーラス。二人以外にはJools HollandもGilson Lavisもいなくて、ベースのJohn Bentleyくらいしか "Squeeze" らしさはなし。Difford & Tilbrook名義のアルバムと言えなくもないですが、この二人の再結成はないのだろうと思っていただけに嬉しいものです。



Natalie Merchant
Paradise is there---the new Tigerlily recordings---


10,000 Maniacsのボーカリストとして名を馳せた彼女のファーストソロアルバム、 Tigerlily (1995年) の再録(新録)になります。曲順もアレンジも変わって、ボーカルにも20年分の年輪が感じられ、全く新しい生命を宿したアルバムと言えるでしょう。wonderが名曲なのは初めて聴いた時から分かっていましたが、beloved wifeがこんなにも心に響いてくるのは、私がそれだけ「生」を積み重ねてきたからなのでしょう。ありがたいことです。



原田知世
恋愛小説


全曲英語詞のままでのカバーアルバム。日本の分類ではJazzに入っているところもありましたが、伊藤ゴロー氏とのコラボがいつも以上に上手くいったアルバムでしょう。アナログも買いました。過日、広島は西条にある、賀茂鶴酒造の酒蔵で開かれた朗読と歌の会にも妻と出かけてきましたが、「声」の魅力を堪能させていただきました。多謝。



本日のBGM: スカンピン(鈴木慶一とムーンライダーズ)