Plans

今日は一日、3学期高2の授業に向け、Poetry Reading教材の作成。
シカゴ大学と、カリフォルニア大バークリー校のアーカイブからダウンロードしたものをDVDに編集した。スクリプトがないものや、レクチャーの部分は端折って見せることになろうかと思う。
アカデミックなものとは一線を画したものも欲しいので、UCバークリーのLunch Poemsのようなものを他にも探していたのだがいいものが見つからず。
思案の末、Gary Snyder (ゲイリー・スナイダー) の1991年の『Sing the mother earth Poetry Reading in 信州 '91』(Round House) のビデオを使うことにした。バークリーつながりということにしておこう。ピューリッツァ賞を受賞した『Turtle Island (亀の島)』 (1975年)からの作品がいくつか朗読されている。ただ、このビデオの難点は、自身詩人でもあり訳者でもあり、このイベントの企画主でもある、ななおさかき氏による日本語訳詞の朗読が、ゲイリーの朗読の余韻に浸る暇もなく、介入してくること。申し訳ないが、興醒めなんだな、これじゃ…。あとは、詩の形式に関しての概論をどのように導入するかを考えないと。やはり、Beginnings and endings poemの実作を通して考えるのがよさそうだ。Writing Simple Poems から1つ紹介しておく。(p.50)
Crime

  • Farewell to gangs and violence.
  • Hello to parents and teachers with their words of advice.
  • Farewell to drugs and addiction.
  • Hello to friends and family.
  • It's no more robbery, death, accidents!
  • --- Aurora Rolon (adult)

『今を生きる』のDVDも見つかったので、とりあえず授業ができる下地は整った。
新年第1曲目は、昨年からの予告通りJohn Lennonの (just like) Starting Over。最近では車のCMで日本人のカップルが口ずさみ切れないサビメロの部分を流し続けていたので、生徒にもおなじみのはずである。時間があればアンソロジーのバージョンも使ってみたい。
『国文学 解釈と鑑賞』(至文堂)の1月号は「文と文章の諸相」という特集。
国語や日本語教育では、いったいどのように文や文章を論じているか、ということを頭の隅に置いて興味深く読んだ。何人かがしきりに使っていた「語りコトバ」という用語の定義が今ひとつしっくりこなかった。一番おもしろかったのは、将棋の観戦記の文体を解説した「一局の解説」(河口俊彦;河口氏自身が棋士である)。作家の大岡昇平の観戦記なども引かれていた。日本語の母語話者であってもよく分かっていないことは多いという、当たり前のことを再認識。日本語を分析する際に欧米の言語学の枠組みに無理矢理押し込んでしまうことの危うさも感じられるが、和文英訳の是非を考える上で、日本語の文と文章に関して定見を持つ必要性は充分に感じている。
荒川洋治『文芸時評という感想』(四月社、2005年)を少し読んで就寝の予定。

今日のコトバ:One of the best ways of controlling classes is by teaching and providing students with structure and firm goals, something that almost necessarily restricts freedom and undercuts individuality. (Sam Pickering)