I want to see the bright lights, too.

先日に引き続いて『常時英心』で知った記事から。
元記事はこちら。
http://www.japantimes.co.jp/text/sw20120402a1.html
この記事の中の、capという語についてやりとりがあったので、少し整理しておく。
記事では、

Kozue Ando won her 100th international cap when she came on for Nagasato in the 61st minute, and Japan nearly went 2-0 up moments later, Kawasumi screwing narrowly wide of the post after collecting a through ball from captain Aya Miyama.

という名詞として使われ、 “win one’s +序数+cap” というような結びつきで現れている。
辞書での扱いは、英系の辞書に詳しいだろう。

When a sports person represents their country in a team game such as football, rugby, or cricket, you can say that they have been awarded a cap.

  • Goalkeeper Andy Goram will earn his sixth cap when he plays for Scotland tomorrow.
  • John Bentley will win his first England cap against Ireland in Dublin.

動詞としても使われ、そこから派生した分詞形容詞としても使われる。

When a sports person is capped, he or she is chosen to represent their country in a team game such as football, rugby, or cricket.

  • Sansom has been capped 86 times by England.
  • … Australia’s most capped rugby union player, Simon Poidevin.

以上、定義と用例は全てBBC English Dictionary。
動詞としての定義と用例の追加。

  • to choose for a team: He was capped for England at football. (Chambers Universal Learners’ Dictionary)

英国文化圏の外からこの語を見ると、

Brit, sports
a: an opportunity to play for your school or country

  • He won his first cap against Columbia when he was 22.

b: a player chosen to play for a country’s team

とある。こちらは、Merriam-Webster’s Essential Learner’s English Dictionaryの定義と用例。
Cambridge Advanced Learner's Dictionary & Thesaurus では、動詞として、受け身の be cappedを取り上げ、

to play for your national team in a particular sport

  • She's been capped for Scotland nine times.

と示している。

Macmillan Dictionary (British) では、

British if a football, rugby, or cricket player wins a cap, they play for their country in an international match

  • win/receive/get a cap: He won seventeen caps for England in the 1990s.

という定義と用例。
以上を眺めると、辞書的な意味と使い方は把握できると思われる。
私は本業がrowingという英国発祥のチームスポーツなので、a rowing cap のイメージが強い。日本の大学チームでも、選手に”cap” を与えていた時代がある。G大の長老のアルバムで写真を見せてもらったことがあるし、某大学の名選手だった方の娘さんに実物を見せてもらったこともある。フランネル地で、ツバが極端に短く小振りな帽子である。ユニフォームとして今でも続いているクリケットの帽子をイメージしてもらえればいいだろうか。(私もKent & Curwenのクリケットキャップは持っていたのだが、引っ越しの際にどこかに行ってしまった。)
rowingは明治・大正・戦前の頃までは、主として極々限られた大学チームのエリートが嗜む競技スポーツと捉えられていた嫌いもあり、多分に「英国の伝統」に影響を受けていたチームが多かったのだろうと思われる。
次のサイトでは、素朴な疑問に答える形で、”cap” がどのように英国のスポーツ文化に根ざしているかを教えてくれる。
http://hear-the-boat-sing.blogspot.jp/2011/08/htbs-has-received-interesting-question.html
そのものズバリ説明があるサイトはこちら。
http://internationalcaps.webs.com/originshistory.htm

日本のチームスポーツでは、伝統的にラグビーが、この「キャップ」という文化を継承している。http://www.rugby-japan.jp/national/cap_list.html
元日本代表で、代表監督の経験もある上田昭夫氏のブログに、「キャップ」の写真が紹介されているので参考までに。http://rugby-ueda.aspota.jp/2008/04/post_223.html
個人的に、英国や米国に起源を持っていたり、インスパイアされた「ファッション」としての「トラッド」で、かれこれ30年近くを過ごしているので、フラノのネイビーブレザー (エンブレム付き) にチャコールのパンツ。BDシャツにスクールタイ (クラブタイ) などというチームでの正装には慣れているのだが、それが「服装文化」として日本のスポーツに定着しているのか、というと自信はない。このような写真を見ると特に考えさせられる。 (http://www.rugby-japan.jp/japan/japan_a/2011/id10397.html) 試合を終えてノーサイド。一方は着替えてシャツにタイドアップ。もう一方は、オフィシャルサプライヤーの提供するチームジャージ。大人の事情があるのかも知れません。ただ、服を着るということは「愛」だと思っているので、何だかなぁ、と思う訳です。「愛しなさい」というルールを作らないと愛せないのでは、旗だろうが歌だろうが「自分たちのもの」と思えない点では同じことですね。
水泳では、ロンドン五輪代表選考会が続いています。キング北島の100m平泳ぎは圧勝。女子100m平泳ぎは鈴木聡美選手が男前な泳ぎで初の五輪代表を決めました。おめでとうございます。背泳ぎ男子100mは序盤の競り合いから、入江選手が抜けだし貫禄勝ち。エントリーで本当にブレーキがかからないのはrowingをしている者の目から見て羨ましい限り。
代表決定といえば、私の本業では、本日、軽量級男子ダブルスカルの再レースが決着。前代未聞の再レース。コンマ差とはいえ、しっかりと2本先取した武田・浦組が代表内定。いろんなものを背負わされた形になった4人の選手の皆さんには本当に敬意を払います。望みを託され代表となった二人にはアジア最終予選で五輪出場権を何としても獲得して欲しい。

そんなこんなで、新年度はスタート。
長い会議を経て、年間行事予定、時間割、教科書、指導書類も受け取り授業の準備。
今年は久々の7種類18時間です。使用教材はこちら (私の担当科目のみです)。

商業科2年

  • 英語II: 『All Aboard I & II』 (東京書籍)、『New World II』(三友社出版)

進学クラス1年 

  • 英語I: 『短文で覚える英単語』 (文英堂)、『英単語ピーナツほどおいしいものはない・銅メダルコース』 (南雲堂)、『ぜったい音読 続入門編 & 続標準編』 (講談社) 、『Unicorn I』 (文英堂)
  • OC I: 『レベルアップ英文法』 (NHKブックス)、『Departure』 (大修館)

進学クラス2年 

  • 英語II: 『英単語ピーナツほどおいしいものはない・銀メダルコース』 (南雲堂)、『Unicorn I & II』 (文英堂)
  • リーディング: 『Element Reading Skill-Based』 (啓林館)
  • ライティング: 『意味順英作文のすすめ』 (岩波ジュニア新書)、『World Trek』 (桐原書店)

進学クラス3年

  • ライティング: 『Planet Blue』 (旺文社)、『GTEC Writing Training』 (ベネッセコーポレーション)

このブログをご覧の方で同じものを使っている方がおられましたら、情報交換をよろしくお願いします。
帰宅時の車中、ラジオから流れる曲に、

  • なんだよ、最近は何かみんな「○○クロ」とか「○○○○がかり」の二番煎じみたいな曲でデビューするんだな!

と思って曲のフェードアウトに合わせて、「誰だろう?」とボリュームを上げたら、なんとその人達の新譜だった!!
ごめんなさい…。

本日の晩酌: 久礼・特別純米無・濾過生原酒・手詰直汲み・松山三井60%精米 (高知県)
本日のBGM: Together again (Richard & Linda Thompson)