Not everything goes to plan.

出講先の高校での定期試験(作問&採点評価)で結構時間がとられるので、更新頻度がガクッと低下しましたね。
かつて専任で教えていた、毎回6種類とか別のコマの作問をしていた頃と比べると、加齢とともに、次第に思うようには作問も採点も進まなくなってきます。余裕、大事です。

今日の「気になる語法」は、その「思い通りに進む」「予定通りに事が運ぶ」界隈。

私が若い頃に覚えたのは、
“go according to plan”
という成句で、大体、
“go as planned”
と同意という捉え方でした。
数年前に、ニュージーランド出身の人と話していて、
“go to plan”
という言い方に接し、そこから気にしていたら、結構見聞きするようになっていました。
今回、あらためて調べてみて、驚くこともあったのでこうして記事にまとめています。

ツイッターの私の投稿を時系列順に再掲。
一連の投稿の端緒。
肯定の文脈での go to plan

こちらも全肯定。

こちらは、お馴染の go according to planの例

否定文脈で according 無しの go to plan

not always の部分否定は比較的見聞きする頻度が高い。

こちらも not always

もうひとつおまけで not alwaysの例

否定の例

今回取り上げている “go to plan” を載せている辞書は稀で、『Oxfordコロケーション辞典』に項目はあるものの、肝心の用例は示されていないので、その生息域など、実例を丁寧に精査していくしかありません。

小学館版

オリジナル

非常勤先の職員室の英語科のセクションで、空き時間にNgram Viewerで検索していたのですが、全体→米→英と進めていって、英の結果が表示されたところで、思わず声を上げてしまい、周りの先生方を驚かせてしまいました。
その時のスクショがこちら。

全体

「英国でのこの10年で何があった?」というくらいの変化ですね。

BNCでざっくりと。BNCでは20世紀の英国での使用例が見られます。

BNC goes to planの例

BNC go to plan

BNC went to plan


COHAで見る限りでは、米語法で「予定通り;思い通り」の意で使われるようになっているのは2010年代以降という印象。それ以前は「プランBに変更!」のような例。




COHAで go to plan で言い切りの形で再検索。

COHAで go according to plan の言い切りの形で検索。

関連表現の go as planned も含めて経年変化を再検索。
全体

ここまでは、go as planned がかなり優勢で、さもありなん、という感じ。

そして、英

「!」
です。
『相席食堂』なら、「ちょっと待て!」のランプが押されるところでしょうか。

ことばは生き物である、ということを痛感した語法の変化でした。
本当に、英文化圏で、この10年に何があったのか、そして、今後はどうなっていくのか?
その行く末を私は見届けられないでしょうから、未来の話は若い世代の皆さんに託します。

本日はこの辺で。

本日のBGM: 予定どおりに偶然に (KAN with ASKA) (2010年作品)

open.spotify.com