A piece or two to sing about peace

そしてまた8月6日。
この地、この日への特別な想いは、この過去ログに記しています。

「傘を差さなくてもいい日」
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070815

黙祷を捧げ、おめざ代わりにコステロ (Elvis Costello) の歌を聴いていました。

  • Peace in our time (1984)


アルバム “Goodbye Cruel World” に収録。前年のアルバム、”Punch the Clock” に続いて、「新波」の生き証人でもある、Clive LangerやAlan Winstanleyらとの共同作業。
当時大学二年だった私の英語力でも、この歌詞が、当時の国際政治、英国の国内政治に対する皮肉であることは分かりました。

And we can thank God that we've finally got
Peace in our time

リフレインのこのフレーズは、「文字通りの意味として現実を語れますように」という祈りにさえ聞こえてきます。

  • Shipbuilding (1983)

前述の、”Punch the Clock” に収録。Chet Bakerも歌っていることが話題になりました。
もっとも、この曲が世に出たのは、ロバート・ワイアットの歌唱によるもの (ラフトレード盤、1982) が最初でしょう。時局を反映して、「フォークランド紛争」がモチイフになっています。このワイアットのシングル盤は、イラストの紙ジャケが屏風のように開き、造船所の大きさがイメージできるように作られていました。当時の私はカップリングの “memories of you” の歌い方が好きでそちらばかりを聴いていた記憶があります。
そんなこんなで、聴きはじめから30年以上経つ、馴染んだ曲ではありますが、改めてこの歌詞と向き合って、

It's just a rumour that was spread around town

という一節の配置の仕方に鳥肌が立っています。



  • Oliver’s Army (1979)

アルバム “Armed Forces” に収録。歌詞の ”white nigger” の件は近年英国でも物議を醸しているようです。
このアルバムの原題は、Emotional Fascism。

But there’s no danger
It’s a professional career
Though it could be arranged
With just a word in Mr. Churchill's ear


If you're out of luck or out of work
We could send you to Johannesburg

まるで、「国会」での茶番を見ているかのようです。
この曲のリリースは、1978年。
それから、37年。
敗戦から70年目を迎えた今、「集団的自衛権」「経済徴兵制」などが現実味を帯びてきている、この日本でこそ、声高に歌われるべき曲だろうと思います。

本日のBGM: 上記3曲