看護科1年も、「四角化ドリル」に続いて、「(be / 助) 動詞 (は) 、時制が決まればとじかっこ」の導入。
授業後に生徒から、
- なぜ、Why do you study …? の時はstudyの前ではなく、doの前にとじかっこをつけるのか?
ときかれたので、 「時制が決まる」という概念の補足。
- 「中学校の頃は?」とか「小学校の頃は?」だったら、どういう質問の文にするかな?
と問うて、少しの間があり、
- did!
という答え。
- そう、過去形でdid。それが「時制が決まる」、いつのことかを、動詞が形を変えて表すと言うこと。 “Why did you study …?” と、studyは原形で残るのだから、こちらにはとじかっこはつかない。じゃあ、元に戻って、 “Why do you study …?” で考えると…。
- do が現在形!
ご名答ですね。まだ、「番付表」を導入していないので、仕組みだけの説明も難しいところですが、まあ、そのうちなんとかなりますから。
対して、進学クラスの高1は、ちょっとピリッとしません。
個々の語を取りだして、発音練習をしている時には、ごまかしが利いても、「四角化ドリル」で、
- 日→英 で反応速度を上げようとすると、途端に「日本語」の音声になる者
- Flip & Write に入る前に、Read & Loop upで読む際に、「カタカナ語」の強勢パタンになる者
が出てきます。これではダメ。
これから、中間試験に向けて、自分ひとりで練習すればするほど、英語から遠ざかってしまうことになります。日→英で、「速く」するべきなのは、想起の反応速度であって、英語自体を速く読んでも百害あって一利無しです。繰り返します。速く読んではダメ。早口はダメです。
「英語の音」で読むのです。「英語」を口にするのです。
私も、2009年度に高1を教えていた時に、「自己最速読み」というのをやらせていましたが、これは「事故」つまり、調音が追いつかなくなる部分を体験させ、その後、きちんとした調音点を作るトレーニングを受け入れるレディネスを作る「目論見」があったからです。でも、今ではやっていません。そもそも、「調音点」の自覚、実感が覚束ない者が多いのですから。まずは、自分の身体のパーツに興味関心を持つことから。
授業では、阿野先生の『基礎英語3』のテキストのダイアローグを使って、
- 誰が誰に何のために、その「セリフ」を言っているのか?
- 今、その人と、この人は、どういう立ち位置、位置関係にいるのか、あなたの頭の中に絵が見えているか?
を問い、「英文を生き直す」ことの意味を説きましたが、こちらもどの程度「実感」できているか。
今年度のキーワードは、文と文を繋ぎ、それらを纏める「ハリと潤い」です。
今後、「全国縦断リスニングテスト制覇の旅」に出ると、中学レベルの語彙と文法だけでは、繋がりの弱いところ、スキマが見えるところが出ることが「実感」できるのですが、その時まで、飽きることなく求め続けましょう。
『ぜったい音読』の『緑本』で、いつもの、「ウミガメの悲しみ」。詳細に解説を施し、
- 音読で、音に意味を乗せなさい!
という指示。Read & Look up は7割程度が中学でやったことがある、と答えていましたが、身についているかどうかは、読ませればすぐにわかります。
Flip & Writeは、「四角化ドリル」のように、チャンクレベルでは導入済みですが、 Flip & Write を「センテンス (文)」で行うのは、結構大変なので、まずは、Read & Look up の徹底。
で、そこからの橋渡しに、
- 対面リピート
を繰り返すことです。
高2の「定義文」も佳境。
恒例、好例の、
- escalator
の定義、解説。「学級文庫」の複数の百科事典から抜粋して、「白板」に併記するところまでを宿題にしていましたので、その解説。
「この定義解説を暗記しよう」というのがゴールではない。これは、「ヨコ」のものを「タテ」にしたまでのこと。対象年齢の異なる複数の辞典・事典から抜粋した英文なのだから、それを踏まえて、その間を行ったり来たりして、自分に使える言葉を探すこと。
- この語句・表現を使わないと、どうしても説明できない。
- この文法項目を使わないと、どうしても説明できない。
ということに気づくことが大切。
ということです。今の3年生も2年生の時にやっています。そして、その前の学年も…。
あたりが、ちょうど同じようなターゲットでしょうか。今年は、先に「しくみの説明」を見せておいて、そこから「定義」にもう一度戻って、「精度」を上げた後、「しくみ」に再びチャレンジ、と仕組んでいます。
当然、このあとは、「動く歩道」へ、などといった私の授業の定番の展開です。
などを読めば、「答え」の先取りなどは容易。
- それを暗記しておいたらテストで点取れちゃうじゃないですか?
と心配する向きがあるかも知れません。いいじゃないですか。点を取りたい人は取っておけば。そんなことでムキになってどうしますか。
英語学習、英語表現の「肝」は、そんなことではないのですから、今年の2年生に、これからの範囲を読んでおいてもらって一向に構わないんです。
読んでおいてよ!!
授業では、長崎先生のクイズへ戻り、足場固め。
定義の中では、siphonのイメージが上手く持てていなかったので、珈琲を淹れる「サイフォン」を引き合いに出したのですが、この「器具」がどのように珈琲を淹れるのかがよく分からなかった模様。ということで、この「珈琲を淹れるサイフォンのしくみ」は、中間試験の予告問題としておきました。
高3は、「診断テスト」が終わりました。
授業のsmall talkでは、村上春樹の新作に言及して、『朝日ウィークリー』の記事を紹介。
日本語ではタイトルが非常に (異常に?) 長いけれど、英語や他の外国語では、きっと、もっと簡潔でリズムのいい言葉が選ばれているのではないか?そして、そちらから、日本語に翻訳したのではないか?
という私の仮説を示しておきました。で、クイズ、
- 色彩を持たない多崎つくる
の部分はどのような英語が使われているか?関係代名詞を用いて、“Tsukuru Tasaki, who doesn’t have …” とかやってたら、日本語以上にタイトルが長くなっちゃうぞ、と振って熟考。
- 4歳とか6歳の妹に、「お姉ちゃん、『色彩』ってなあに?」って、聞かれた時に、絶対に使わざるを得ない言葉は?
- 「色?」
- そう。では、それを英語で言えば? そう。“color” ですね。では、「色彩が豊かな」のは?
- colorful。
- じゃあ、もう答えは決まりじゃない。ええっ。何で、そこまで分かっていて、出てこない?「注意深い人」を表す形容詞は?
- careful。
- そうでしょ!? じゃあ?「注意力のない人」を表すなら?そう、”careless” ですね。だから、「色彩を持たない」は、…。
というやりとりを経て、記事で使われている英語に辿り着きました。
受験学年で「頻出問題演習」モードに入ると、このようにバランス感覚が失われてくるのが怖いですね。試験に出まくっている問題パタンや、語彙・表現には異様に強いけど、「それができるなら、これできるでしょ?」という、言葉の真っ当な発達段階を無視した、「知識」だけが肥大しないように、授業では揺すぶることを忘れないようにしています。
「診断テスト」自体は「英語の発想と表現」の整理もその大きな狙いですから、
- 言葉では表せないくらい、君のことを愛しているよ。
という時の「比較級」の発想に関連して、
- 余計なことは言わないようにしなさい。Don’t tell him more than you can help. (『リーダーズ英和辞典』)
- なるべくタバコは吸うな。 Don’t smoke more than you can help. (『ジーニアス英和大辞典』)
などで使われる、helpの悩み所で悩む時間。
- 詳しく調べては見たけれど…。
という時の、「期待はずれ」に関連して、
- A close examination failed to reveal ….
での、failを取り上げ、解説。
『政村本』の、
- help
と
- fail
の図解をそれぞれ確認する前に、『記憶スケッチ』 (by ナンシー関) ですね。
特に、"help" の図解は、前日に私が板書していた「絵」があるので、それを思い出してもらえるように、「診断テスト」の解説の余談で、童謡『赤い靴』の歌詞から、「波止場」を国語辞書→和英辞書→『ワードパワー英英和』で、定義の比較をして、伏線を張っておきました。
愉しいですね。
他には、
- 前置詞の for は難しいよ。
ということで、『ハンドブック』に例文の補足。
- I got a ticket for speeding.
- I got a ticket for Dreams Come True.
見た目は似ているけど、働きは全く違います。
さらには、
- 自分を何様だと思っているんだ?
と「思い上がり」や「勘違い」、「身の程知らず」を非難したり、窘めたりする文脈での、
- Who do you think you are?
の解説。「医者が、記憶喪失の患者や多重人格の患者に質問しているんじゃないですよ」と念押し。
そこから、「日本を代表する『イケメン』芸能人」の話しになったのですが、このクラスでは、ほとんどの女子が芸能人に興味関心がなく、ある女子生徒は、「日本の芸能人には興味がない」ということで、厳正な投票の結果、
- 佐々木蔵之介さん
に決定しました!
こんな具合に、土曜日課外も二コマ終えて、そそくさと軽食を取ってから、湖へ。
艇の修理の最終仕上げ。
ようやく、形は整いました。あとは、実際に漕いでみて、エポキシパテの接着部分が負荷・荷重に耐えられるか。こればっかりは、出力に個人差があるし、技術的に、ストレッチャーを引っ張る人は、とことん引っ張ってくれちゃったりしますから、やってみないと分かりません。ただ、今度壊れると、練習する艇がなくなるので、予防策として今考えているのは、ストレッチャーのパイプとリガーのフォアステイのアンカー役のパイプとを繋いで、衝撃を分散吸収してしまおう、という作戦です。ピンヒルが変わるたびに、変えないといけないので、工夫が必要ですけれど。
こちらの湖で行われている、高校生の中国連盟合宿の様子を、船台から少しだけ見て撤収。
GWに読んでいた本の「邪気」に呑まれた訳ではないのだろうが、連休が明ける頃からずっと咳が止まらず、鼻をかんでばかりだったのだが、金曜日にお酒を飲んだら体調が良くなった。お酒を控えていたから、治りが遅かったのだ、やはり、慣れないことをするのがいけないのだ、普段通り、いつも通りが一番良いのだ、と自分に言い聞かせ、本日も晩酌。
銘柄など、詳しくはFBの方でご確認下さい。
本日のBGM: endless lies (ELO)