「始まりの本」

日曜日は衆院選投票日。
本業後、シャワーを浴び、近所の投票所まで自転車で。ちょっと並んで、投票を済ませる。
一旦家に戻り、車で駅まで新幹線の切符を買いに。
年末の本業仲間が集う忘年会へ出るため。帰省シーズンと重なるので、早めに指定席をとっておいた。
この忘年会。私がまだ東京勤務の頃には本業の聖地「琵琶湖」に集結していたのだが、こちらに来てからは初めての参加となる。古参のメンバーは結婚し、子どもも生まれたり、大きくなったり。時の流れを感じる。
Scotland Martに寄って、オーナー夫妻にご挨拶。先日のSpiceでのイベントの話しなども。シェトランドウールのベストだけ購入。いつものCD屋さんに寄って散財して帰ってきました。
選挙の結果、とりわけ投票率には、大きく落胆。「システムを変えるための議決権」を一般市民がもっていない以上、そのための代表を選ぶ「選挙」が決定的な意味を持つはず。
テレビ東京で、池上さんのcatastrophicな、いや、catharticな司会を途中まで見て、仕事部屋に戻りヘッドフォンを着け、爆音でチバユウスケ。
池上さんは私が寝てから後が凄かったらしいですね。

明けて、月曜日の実作は進学クラスのみ。
高1は、「副詞節」の復習。主節・従節のマッチング→例文リストでread & look up→ノートの作り直し。タテのものをヨコにして、そのヨコにしたものをまたタテにしてもダメですよ。自分のものにすることです。
高3のライティングは、学校で購読している『朝日ウイークリー』の大井恭子先生の連載から学ぶ幸せ。残り時間で、中村勘三郎さんのobituaryの生き直し。合掌。
最後の7限は高2。引き続き、簡略化されたとはいえ、レイチェル自身が書いたこととばと向き合う時間。small talkの代わりに、”shadow” と “shade” の違いの辞書引き作業から。
2次元と3次元の違いだけでなく、「光」をプラスと見るかマイナスと見るか、で出てくる「感じ」を掴むこと。補足説明したのは、

shadowは影ができて、本来見えるべきものが見えない、という割引とか差し引きの感じ。本当は「光」があった方がいいのに、という含み、背景。shadeは「光の直接的な影響」をマイナス評価して、そこから守られている、安心感、快適さ、 “protected” とか”pleasant” といった語感を含んでいる。

今、レイチェルのことばに耳を傾けている以上、多読で自然に気づくまで待っていられませんから。

第2段落で、the roadsが出てきた時に、前段落での風景描写から転じて、「人」の臭いを感じていたかどうかがとっても大切。famousという形容詞で、その臭いに色とか音が付いた感じがするでしょ?最初は訳語で、次は “known by many people” とでもいった簡単な言い換えで、処理していても良いと思います。でも、やっぱり、頭の中に思い浮かべているlandscapeの中に、人工物が出てきた時点で伏線が張られているのだから、その語を見た瞬間、もっと言えば耳で聞いた瞬間に反応できることを目指して下さい。
構造の把握には文法上のルールが分かっているだけではダメだという格好の例があったので、板書で図解。構造を書くのではなく、「情景描写」の方ですよ。andでペアとなっている名詞句と、-ingでの後置修飾をどう処理するか、には公式など無く、意味の整合性を自分で判断して決めるのです。

  • Countless birds came there to feed on the berries and on the seed heads of the dried weeds rising above the snow.

ここでのcountlessはtoo many to countとパラフレーズしただけでは不十分で、前段で示されたprosperousな、豊かさのイメージを表現していることを踏まえて読み直し。
なかなか進みませんが、進めば良いってものではありませんから。

帰宅後は、黒い表紙に青い文字の印象的な、

  • 石原吉郎 『望郷と海』 (みすず書房、2012年)

を少しだけ読み進める。今、「石原」と言ったら、多くの人が連想する人は全く違う人なのだろうけれど、私が読みたい方の「石原」はこの人。
腰帯の小さい方の字にはこうある。

  • 新たな問いを発見するための新シリーズ。これから何度でも読み直したい現代の古典。

本日のBGM: 道標 (Snake on the beach)