愛すべき当たり前

日曜日の本業は午前モーションのみ。
乗り換えの1Xリギング時には雨足も強かったが、乗艇するころには小やみとなり、最後は抜群のレーンコンディションに。2Xのひとり漕ぎも、沈せずにモーション完遂。
月曜日の授業は特記事項なし。
本業も1年生はオフ。選手は、体幹トレ。3kgのメディシンボールも使い、腹筋と殿筋、骨盤回りをいじめにいじめ抜きました。
帰宅後はサッカーWCの中継を見る。オランダのでかさと速さに圧倒される。敵陣に入ってのFWの動きがバスケットボールの動きのように感じた。
深夜には日本代表の試合。カメルーンが本調子でなかったとはいえ勝ち点3は立派なもの。右サイドの松井大輔が良かったですね。
寝不足気味で火曜日の授業へ。
高3の演習は、副詞節の復習と定着。主節 (S+V) 接続詞 従属節 (S+V) というパターンで、ターゲットとなる接続詞を含む用例を英和辞典、英英辞典から10〜15文ほど抜き出し意味を確認。その後、主節も従属節も全て含めて、短いものから長いものへと並べてホワイトボードに書き直す。 例えば、unlessを真ん中に書き、その前に主節、その後に従属節を入れて英文を完成する課題では、

  • it snows
  • they deserve it
  • I’ll pick you up
  • I never loan anything
  • I am sure I’ll get it back
  • I am never angry with anybody

などという節がずらずらと長さの順に並んでいて、論理と語順の日英での相違が、頭で「うんうん」唸らなくても、即クリアできるように練習するわけである。まずは、自分ひとりでリハーサル。その後、ペアを組み、ひとりはホワイトボードに背を向け、相棒はホワイトボードから主節と従属節をマッチングさせ音読しそれを対面リピート。意味の処理にリソースを割いていては保持ができないので、『L&R』でやっていることを実感する一時でもある。続いて、ペアの2人ともボードを見て、じゃんけんで勝った方が、主節をどれか一つ選んで言い、負けた方はそれに合致する従属節を即座に答える、というコミュニケーションを全く意識しない活動へ。
これは私の授業ではbecauseでよくやるのですが、

  • 文脈のない、目的のない、意味の交渉のない単文による4択完成や英文和訳や和文英訳に頼った文法指導では役に立たない。

とよく言われるので、だったら、ターゲットにつき一つの英文で終わらせず、束になってやってみようという次第。私自身が高校生から大学生の頃にどのように英語の表現を身に着けたかを辿り直す授業でもあります。こんなペースでやっていたらセンター試験に間に合わない、などと言って、問題集をぐるぐる何周も迷い続けるよりは、自分自身で英文を生き直す方法を模索した方がいいというのが私のスタンス。
unlessに続いて、even though / in case / as long as を同様の手法で。even thoughの辞書のエントリーが even if [though] などとあたかも、interchangeable であるかのように書かれているのはちと困りもの。though [although] の強調で事実を踏まえた表現が even though で、断定を避けたりする婉曲な表現が、even if であること、even thoughは仮定法とは原則として共起しないことを確認。in case では「〜しないように」という紛らわしい日本語訳を使用しないことをしつこく説く。次回は、 before / after / until / by the time の予定。
進学クラスの高2は、新たな課題に繋がる「お手本」導入。"How Things Work" から抜粋し、「もののしくみ」いろいろ。定義でescalatorを扱ったので、そのescalatorのメカニズムを英語で説明するexpositoryなパラグラフのお手本から。
意味を確認したら、表現・ことばそのものにスポットライトを当て、消化吸収することが狙い。今日は、「B4四分割裏表自作 (過去ログ参照→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20100115)」で終始。ちょっと作業が遅い生徒を見ると、書き写すチャンクが安定せず、意味の処理にまだまだリソースを割いていることが窺い知れる。基本語彙と文法の基本を再確認する課題ともなっているということだろう。

放課後の本業は、1年生の体幹トレ。エルゴの前に、ポーランドの4X と2Xの映像を繰り返し見せ、U選手の腕漕ぎを見せ、解説。最後は再度ポーランドの4Xで仕上げ。
その後、選手を湖に連れて行き、日が暮れるまで乗艇練習。
徹底的に、基礎基本の繰り返し。容赦なくダメ出し。その甲斐あって、スプリントでは、SR34.5で以前の36あたりの艇速が出るようになった。あとは、低レートでのベースとなるスピードのアップを徹底。揚艇後、もうこの時間の電車の接続がないので、車で家の近くまで送り届け、復路は高速利用で9時過ぎに帰宅。コンビニ弁当で夕食。ビールを少しだけ。

週末は国体の県予選と強化合宿、明けて火曜日からは高2の期末試験、と慌ただしさが加速しつつあるので、しばらく専門書は読んでいられないのに、予定よりも相当早く入荷・発送・到着したのが、

  • Practicing Theory in Second Language Writing, Parlor Press

Tony Silva and Paul Kei Matsuda先生の編著で、計14の論文が収められています。L2 Writing の理論、理論化にこれだけこだわった論考がまとまったのは初めてではないかと思うのですが、夏休みになれば読み始められますかね…。

本日のBGM: Ordinary Days (KAN)