♪こんなにもすれちがって、それぞれに歩いてゆく♪

朝は、いつも通り生徒指導で6時40分には出校。
LHRは学年集会。その後、授業は3コマなので楽な1日。
高1はコピーグロスで、ゴッホの生涯パート2の段落を終え、今月の歌の “there goes my inspiration” の歌詞を、客観的な視点からのナラティブに書き換える課題。1番とサビの歌詞は私がすでに英語で書き出しておいて、その続きから各自で書いて完成させるもの。used to 原形の定着と、過去完了の運用力を見るのが目論見なのですが、どの程度藻掻けますかね。
高2は、少年探偵のワークシート終了。
宿題の “grin” の語義では、ISEDの定義と、柴田先生の時代の『新アンカー英和』の語義と用例を提示。

  • smile broadly, and in such a way that the teeth can be seen (to express amusement, contempt or satisfaction) (ISED)
  • He did not smile; he grinned. 彼は微笑したのではない、大にこにこだったのだ。(『新アンカー』)

この1例だけで、この辞書をとっておく価値がある。
最新のOxford類語辞典の解説も読み上げる。

  • People always beam with happiness or pleasure; a grin can show happiness or pleasure, but it can also show stupidity, embarrassment or amusement, including slightly unkind amusement at sb else

日常語であればあるほど、文化とことばが不可分になることが多いので、英語を英語のままで理解することが難しい、ということもことばの教師はわきまえておくべきだろうと思う。
著作権の問題は多々あろうが、この少年探偵 "Encyclopedia Brown" のエピソード、冒頭だけ引いておく。

A boy with red hair stopped in the doorway of the Brown Detective Agency.
“Are you any good at swords?” he asked.
Encyclopedia did not lift his eyes from his book, How to Build a Nuclear Reactor.
“What kind of a game is swords?” he asked.
“It isn’t a game,” said the red-haired boy. “My name is Peter Clinton. I want to hire you.”
Peter put two dimes and a nickel on the gasoline can beside Encyclopedia.
The coins clinked. Encyclopedia stopped reading. He looked up, very businesslike.
“How can I help you?” he asked. (pp.25-26)


というように始まる物語。このように読んで見て初めて、ワークシートでgoodのパラフレーズをやる意味があったのかがわかるという仕掛け。
この後も、

“You don’t think the sword is really a sword?” said Encyclopedia. “What do you think it is?”
“That isn’t what I mean,” Peter said. “It’s a sword from the Civil War---“
“There are thousands of swords left over from the Civil War,” said Encyclopedia.

などのダッシュでの会話の繋がりなど、教科書で小説や物語を扱わなくなったために、

  • このダッシュは何を表しているのか?臨場感を出すための間?言い淀み?

と、問いを立てられて初めてイメージを喚起することができるというのが平均的高校生の読解力の現状。謎解きの2つの鍵のうち、一つは直ぐにわかるのですが、もう一つは「百科事典」並の知識がないと気づかないものなので、Wikiから抜粋して紹介。流石は "Encyclopedia" Brown。
ということで、このシリーズ、オススメです。
高3は、試験範囲が終了しているので、期末試験に向けて自習。この自習の様子を見ていると、英語ができるようになる生徒と、そうでない生徒の明暗がくっきりと現れる。放っておくのも可哀想なので、コメントとアドバイス。

小春日和とは裏腹に、昼過ぎから体調が悪く、授業後は早めに帰らせてもらいました。麻黄湯をのんで、背中に湯湯婆をあててから仮眠。みなさんも低温やけどには気をつけましょうね!
ちょっと回復して、夕飯はホワイトシチュー。妻がベシャメルから作ってくれたので美味。喉に良いように蓮根、免疫力アップに椎茸、VCでブロッコリーという気遣いに感謝。今日は早めに寝て明日に備えようと思います。

英語教育フォーラムの総括の続きを書きたかったのですが、今日は頭に余力がないので、明日以降にしたいと思います。その代わりに、といっては何ですが、フォーラム後にいただいいたメールで、印象的だったものを抜粋。この場を借りてお礼申し上げます。(個人が特定しにくいよう少し文言を変えるなど配慮しましたが、このままでは支障があるというかたはご連絡願います。)

  • 「北と南、県内外といろいろな人の繋がりを生むことができて、嬉しい思いです。」という先生のこの言葉に、「道を開く」とはまさにこういう事なのではないか・・と感じ入っています。 「道を開く」とは、己個人の名声や私利私欲を追い求めることではなく、こうやって大切な礎を築こうと努力し進んでいくことなのではないかと。 先生の、時にブログから感じられる「道を追求」していく厳しさと、多くの英語教育に携わる仲間たちへの温かさ、つながりの大切さを示す先生のその生き様に、私も、また日本全国のたくさんの先生方が励まされていると思います。
  • 昨日はフォーラム、お疲れ様でした、またあのような場を作っていただき、ありがとうございました。昨日は一言で言うと、非常に「清々しい」1日でした。きっちりと休憩時間をとっていただいたり、パワーポイントがスクリーンに映らなかった時にとっさにフォローを入れられるなど細かな心配りがすばらしかったsmartなtmrowing先生に始まり、コピーグロスやディクトグロスを実際に体験させていただき、教えていただけた永末先生。完璧すぎるプロの中学英語の授業を体験させていただいた久保野先生。HCラウンドシステムを詳しく教えていただき、またユーモアあふれる語り口で会場を沸かせていただいた今井先生。本当に励まされました。あのメンバーが集まれたのもひとえにtmrowing先生のお力とお人柄だと痛感しました。しかも無料ですから。本当に良心的で、営利目的でないところに非常に好感がもてました。でももっと集まってもよいですよね。あのメンバーだったら。勿体なかったです。また行きます。山口。今度は先生の授業を見学させてください。よろしくお願いします。
  • 昨日は,私の英語観・人生観を変えるようなフォーラムの開催および他県からの参加を快諾くださり,ありがとうございました。また,昼休憩時には,本来,私の方からご挨拶に参るところ,先生の方からお声掛けくださり,恐縮すると共に,大変失礼いたしました。私にとっては,御三名の先生方のお話をうかがうことはもちろん,ブログを通じて日頃から「ご教示」くださっているtmrowing先生に,直接お目にかかれるということも大きかったですね。永末先生は,懇親会でさらにお話をうかがう中で,私がGTEC Writing Trainingの教材を「生徒」になって購入した旨伝えると,実は私はこれをね…ということで,話が弾み,多くの教材を紹介いただきました。ご講演の速精読は,早速明日の授業から取り入れさせていただこうと思っています。授業のアイディアと緻密さを学ばせていただきました。久保野先生の再現授業は圧巻でした。今井先生もおっしゃっていましたが,完全に久保野先生の生徒になってしまっていました。純粋に,こんな先生に教わりたいという気持ちになりましたね。もちろん,同じほどの人間的な魅力は備えていませんので,授業のそっくりそのままの真似は出来ませんが,少しでも近づけたいと思いました。今井先生には,英語教育はもとより,組織論を学ばせていただきました。今井先生の情熱には大いに共感いたしました。また,私は英文解釈もきっちりやる方ですので,英文和訳不要論は新鮮でした。参加費無料というのが申し訳ないほど,多くのことを勉強させていただいた一日でした。次は,tmrowing先生にライティングの指導を賜りたいと切に思います。

次のメールを読むと、県内の先生の心もしっかりと揺すぶることができたのではないか、と感じる。

  • 昨日は本当にありがとうございました。あのように内容の濃い研修会は、私も長いこと教員をしておりますが、初めてと言っていいくらいです。香住丘の永末先生のCan-do-listの設定から、達成するための手立て、長年の研究成果のご発表でまず、頭をが〜んと叩かれた思いがしました。久保野先生の英語による導入方法は、自分も英語で導入をしておりますので、とても参考になりました。分かりやすく、簡単な英語で理解させるにはどうしたらよいか、実際にデモンストレーションしていただいたので、参加した先生方もよく理解できたと思います。今井先生の取組は、基本的に私の授業にも似たところがあり、でもあそこまで周到にしているのかと、感心しました。それよりも何よりも、今井先生の英語教育にかける熱い想いが伝わってきて、本当に元気をもらった気がします。あのようなすばらしい会を開催していただいたtmrowing先生に本当に心から感謝しております。それと、同時に、もともと山口で教員をしている人間として、少し恥ずかしくなりました。自分も微力ながら何かし始めないといけないと思っています。英語教育に対する現場の声を高める努力をしなければと思います。指導員の先生方が授業公開されていますが、県のホームページなど見る人は皆無で、折角実施しても参観する人もほとんどないのが実状です。私が前回授業公開した時は、本校の先生方と近隣の高校の若い先生方に私の方から声をかけて参観してもらい、その後研究協議という形をとりました。若い先生方の少しでも研修の場になればと思ってやってみました。でも、もっと自分から積極的に広く先生方に呼びかけていくことが必要なのかもしれません。自分の授業を肴にして、先生方がいろいろ話せる場になればと考えます。次の授業公開では、先生も、もしご都合がつくようでしたらご参観いただいて、御指導、御助言を賜れば幸いです。この度は本当にありがとうございました。

みなさん、本当にありがとうございました。

  • まず、始めること。始めたら、続けること。

20数年前、教員になって最初の担任で生徒によく言っていたことばが、自分に返ってきたように思います。

本日のBGM: ワンダーフォーゲル /Tribute to Quruli (Hiroshi Takano)