自 (律学) 習

1限の高2、”If I were in her place, I ….” 仕切直しは、キーワードをもとにしたフレーズづくりから。

  • 計画
  • 意図・意志・決意
  • 後悔
  • 反省

のそれぞれで、自分がそのキーワードに関連して何かを表現しようと言うときにどんな英語表現を用いるかを、資料を総動員してノートに書き出していく作業。前任校まで実践していた『表現ノート』の下準備となる活動です。
ほとんどの生徒は、『グラセン和英』を引いて、そこに書いてある記述をノートに写します。『ユースプログレッシブ』で引き直す生徒もいます。そうして、

  • be planning to 原形
  • be determined to 原形
  • it is a pity that S+V
  • I am sorry for 名詞句

などの用例がノートに残るのですが、まったく同じ文言を引き写すのだったら、辞書に付箋を貼っておくのとそう変わりありません。ここで行うべきは、自分の日本語環境の精査・自覚ですから、少なくとも、自分のノートには、オリジナルの『P単』が出来ていることが望ましいのです。例えば「計画」という、ことばを用いたコロケーションに限っていっても、

  • 計画と実行
  • 計画を立てる、計画を実行する、計画を見直す、計画を白紙に戻す
  • 綿密な計画、大まかな計画、杜撰な計画、現実離れした計画
  • 計画倒れ、計画通り

あたりのリストが出来るわけです。
「発想」とか「概念」のレベルまで掘り下げれば、

  • 絵に描いた餅
  • 捕らぬ狸の皮算用

などの慣用句やことわざもその項目に加えることが出来るでしょう。
一般に、「意志」という名詞を修飾する日本語は、

  • 「強い」意志

ですが、
「決意」という名詞を修飾するのは、

  • 「堅い」決意

という形容詞です。
そして、「意図」という名詞には、どちらの形容詞もあまり相応しくありません。
まずは、自分の使っている言葉の土台や骨格が自覚できていなければ、それに相当する英語表現を自分の中に取り込むことは難しいでしょう。
こういう時に便利な辞書はむしろ、ロングマンの『アクティベータ』などの発想別表現辞典か、今は絶版の、三省堂『日本語キーワード英語表現辞典』 (1997年) でしょう。
学級文庫には後者を、名詞、動詞、形容詞の3部作で揃えて置いてあります。活用して下さい。

日本語の慣用句でいえば、日本英語教育協会から出ていた、中村保男編著『実用英語サクセス和英表現辞典』 (1985年) を置いてあります。見出し語となる日本語の選定に谷田貝常夫氏が関わっているところが注目です。(研究社の『英和翻訳表現辞典』と時期的にはほぼ重なり、その後、1994年には三省堂から『英語長文要約法』 という学参が生まれました。) これも絶版ですね。
再度の仕切り直しを経て、「善悪」、「家族」、「社会・世間」「仕事・責任」「信頼・裏切り」などのキーワードを追加。「世間の評判」、「世間体」というキーワードを取り上げると、

  • 世間が何を言っても気にしない。 I don’t care what people say.
  • 彼は世間の眼を気にかけない。 He doesn’t care (a bit) about his public reputation. / He is indifferent to what others think about him. (以上、『ウィズダム和英』)
  • 彼は世間体ばかり気にしている。 He is so conscious about what people say about him. (『サクセス和英』)

などという用例を読み、その後、それをどのようにノートにまとめるかが重要です。

  • トピックに関わるキーワード
  • コロケーション (語彙的・文法的)
  • 英語的発想の色濃い表現

が『表現ノート』作成の際の観点でしたので、そこに少しずつ近づいて行くよう諦めずに歩みを進めます。
ということで、このあたりまでを2コマ目でカバーしようと思っていたのですが、残念ながら、続きは家庭学習での課題に回ることになりました。

インフルエンザによる臨時休業です。
早速、上述の『…名詞編』を生徒が借りて帰った模様。

今週いっぱいは正業の授業も本業の練習もありません。が、勤務は平常通りですからいつも通り出校です。授業の準備以外には、英語教育フォーラムの準備と、高3進学クラス担任としての進路関係の出張ですかね。
週末は県の高英研の集まりがあるのですが、予備校主催の入試研究会の方に出席せざるを得ないので、参加する英語科の主任に後日詳しく聞こうと思います。

本日のBGM: Handle with care (Traveling Wilburys)