後に続くのは「心」

体育祭の練習で、午後の授業がことごとく抜け、高2は4日間で1課終わらず。
テキストに関連して、との使い分けを確認。
中学生では難しかろうが、高校生であれば、

  • A + know + B. = B + know + A. = B and A know each other.

というパラフレーズでなんとかなろうか。これに対して、

  • A + know about + B. = A + have some knowledge about + B.

というイメージで、必ずしも、 B + know about + A とはならないことを指摘。
良い辞書の良い例文を読んで、感動して下さい。
高3は、別の予備校系のセンター模試の解説。作問のクオリティの差を実感してもらう。それでも、最後の長文はESL用の読解教材からのパクリだから楽をしているのだけれど。後は淡々と。

土曜日は昼まで3時間、高1の課外授業。
授業開始時のスモール・トークというにはかなり長い雑談の中でモギケンの学習法本を紹介し、様々なモダリティに訴えかけることで記憶は強化されるという話しをまことしやかに説いていたので、キング牧師の演説の暗誦で割り当てられているパートのFlip & Writeでその実践編。
その後は、自分のパートの内容に関わるQuestioning 3つ。

  • Yes/No question
  • Wh- question
  • “Personal Involvement” question

できた者から教卓へと持ってきては添削・ダメ出し。
生徒には、中学時代に使った教科書を3冊テープで一冊にまとめて、いつでも速読・音読・表現のお手本探しができるように指示してあるので、生徒の一人の教科書冊子を例にとって、中1で出てくる対話文の中での疑問文あれこれ、中2で出てくる読み物の内容に関しての疑問文あれこれ、中3で各課毎、各パート毎に頁下に示されている内容理解の設問などなど、自分の守備範囲の中にある「はず」の質問を眺めさせる。
時間切れ間際に、

  • Did King have four little children?

とY/N questionを作って持ってきた生徒がいた。力のある生徒なのだが、明らかに物足りない。確かに文法的には全く間違っていないし、 答えはスピーチの中にちゃんとあるのだが、スピーチの主題を考えたときに、その情報にどれだけの価値があるのかを再考させ、ダメ出し。私との数分のやりとりを経て、でた修正案が、

  • Did his children have the right to vote?

とでもいうような文。それって、「ここでキングはなぜ、自分の子どもの例を出したんだろうね?」と問うて、私が例としてあげた内容そのまんまじゃん。さらなるダメ出しに、その後藻掻き苦しみ抜いて突き抜けた地平ともいえる質問が、

  • Did he believe that they could change the future for their children?

英文の語彙や文構造はことごとく中2レベルであっても、今現在高1としての意地を英文の中身・中味に込めるとはそういうことだろう、と投げかける。心に響いたかどうか。
残りの時間は、Severn Suzukiのスピーチを地道に読み、パート2。
今回の範囲の “Catch the questions” で英語の質問を書き取ってから、先ほどの質問の分類に当てはめて、「情報を引き出す」タイプの質問と「自分との関わり合いを示す」タイプの質問に分類。3学期には教科書のレベルで、自分で質問を立て、言い換えたり、内容をまとめ直すところまで辿り着けるでしょうか。
昼食を簡単に済ませ、午後からは本業。地元の水域へ。
1モーションしかないので、15-16kmくらい漕いでおきたかったんだけれど、12kmくらいで電池切れ。でも、15km持つように出力を抑えて漕がれてもトレーニングにならないので、毎回追い込むしかないでしょう。合宿で確認したはずの2-stop が案の定全くできていないのでしつこく要求。Handsとbodyとを分けることに気を取られると、艇の加速が鈍るという本末転倒。まずは全力で長く、強くです。

明けて日曜は、大学生が不在で湖は完全に貸し切り状態。
快晴の空には夏の名残。暑かった。
集中して12kmで全力を出しきるという狙いで、ターン毎にスタート5本+20本スプリント、後はDPS。真ん中で船台が目に入ったら、2-stopを5回確認して、次のターンまでDPS。フィニッシュ後、handsがゆるゆるなのに、bodyがリカバリーに入ってしまうので、そこを徹底的に。なぜ、2nd stopの局面でわざわざオールを乗せ直さなければならないのか、自分の欠点に気付くことが大切。リカバリー中不必要にオールを押さえつけたり緩めたりしているからリガーが揺れ艇が揺れる。「イルカさんいらっしゃい!」でリリースから高く、乗せたら乗せっぱなし。ロング・ピヴォットでダイレクトにキャッチ。技術はいたってシンプルなもの。ここで余計なことをあれこれやってしまうから、その借金がキャッチに行き、初動の鈍さ、立ち上がりの鈍さにつながってしまう。そこを改善せず、ドライブ中に水を固めようとか圧縮しようなどと思うことがそもそも間違い。そうなっているような錯覚を覚えているとすれば、ドライブのその前のフェーズで淀んでいるだけである。いってみれば、スパートと同じ。ミドルスパートで艇速が上がったというのは一見とてもわかりやすいのだが、ほとんどの場合、その直前に艇速が鈍っているのである。
今やっている練習の精度を愚直なまでにとことん高めることで、次のステップで求められる水準を直ぐに実感することができる。トレーニングとはそういうものだろう。
納艇後、週明けの乗艇とエルゴのトレーニングの指示を出して、練習終了。学校まで生徒を送り届ける。

帰宅前に、駅前のアーケードの商店街に繋がる道沿いにあるレコード屋が今月で店じまいということで顔を出し、涼風の吹き抜けそうな財布の中味と相談し3枚ほど購入。チェーン店ではない古書店と中古も含めたレコード・CD店には本当に頑張って欲しいのだがなぁ…。

帰宅後は暫し娘と過ごす。
日中の陽射しが嘘のように夕涼み。虫の声。

本日のBGM: フィエスタ (Original Love)