「やるべきこと」の向こうへ

本業の正念場。
戸田から帰ってきて、一度崩した後で立て直しが出来るようにトレーニング。艇が走らないのも困るけれど、ピークが今来ては困るので。ピンヒルを長くして、股関節をより深く畳んだポジションから艇を連れてくることが出来るか?と試して見たが、そのポジションではレースペースの3分オン・3分オフメニューがこなせず、結局元のポジションへ。乗艇で不完全燃焼だった分、市の艇庫まで往復4kmのラン。
今日は強弱の14kmメニューだったが、SR32とSR36の短漕20本・イージーワーク10本はそれぞれ片道の2kmで安定したリズムを作ることを狙ったので、ダウンも入れたトータルは17km程度。今日は、ポジションが安定したせいか、今までとは別次元の加速とリズムに乗りかけるシーンが多く見られた。その分フィニッシュで腕・肩の力みが見られたので、最後の片道でスライドピラミッドを入れて最後まで「腹」でぶら下がり、スムーズに丸くハンズを徹底。今週は追い込み週でオフがないので、揚艇後のダウンもジョグを入れ股関節周りのコンディショニングエクササイズを入念に。
自分自身の遠征の準備でスポーツデポへ。ゼリーやスポーツドリンク、キネシオテープを購入。
帰宅途中の車中で聴いていた吉井和哉のことばにどきっとする。

帰宅後は、自分の英語のトレーニング。RPまで辿り着けず終了。ヘタレですな。
山口県に来てからお世話になっている公立の先生に、「ライティングの授業を若手に見せて欲しい」とお願いされているのですが、ライティングのコマがあるのは進学クラスだけで、定員と勤務校の人気という要因で極めて少人数のクラスなので、一般的な授業運営の参考にはなりにくいと思います。どのような活動を何の目的で取り入れて、どう発展させているか、という観点を得るにはまずは『パラグラフ・ライティング指導入門』 (大修館) やGTEC Writing Training (ベネッセ;既に閉講していますが、講座のテキストはベネッセに若干の在庫があるかと思いますので入手出来る可能性はあるかもしれません。私の手元にあるテキストは来年度以降の生徒用なのでお譲りすることは難しいかと…。) などをお読み頂くことから。ときどき、私の過去の実践を見聞きして「レベルが高い」などと言われることがあります。もしそう感じるのであれば、それは「生徒のレディネス」や「我慢の度合い」が高いのか、あるいは、この指導法で出来ないわけがないという、私の「思い上がり」の高さということでしょう。

大学受験指導をするような高校の先生は「自由英作文」「パラグラフライティング」の指導を得意としていると思うのですが、私の場合は「まとまった量の作文」を「自由」に書かせることは教室ではしません (それは『表現ノート』で個人課題としています)。
「読んだ英文」に基づき、「自分の意見」を「100語程度」の分量で書かせることも2年生の後半か3年生になってから取り入れています。高2くらいまでは「グループ」では量を、「個人」では自由に書くけれども短いものをきちんと、というのが基本線でしょうか。
まずは、高1、高2では「視写」と「音読」、「ディクトグロス」そして「イカソーメン」。それが出来たら「Flip & Write」。その手順に慣れたら、テクストタイプのバラエティをカバーすることを優先します。「自己表現」をさせないと、生徒の興味関心が続かないとは全く考えていません。
「パラグラフオーガニゼーション」を前面に出したモデルパラグラフは形式の導入を容易にするために、「英語・ことば」そのものが面白くないことが多々あります。その意味では、そういった出来合いの教材に代えて、前年度までの生徒作品を、そのままではなく、モデルとして提示できるように教師が手を入れて「視写」や「ディクトグロス」の素材として活用することには大いに意義があります。
この前年度の生徒作品に手を入れて「ディクトグロス」で使うというのは、何も「テーマ作文」だけの指導手順ではないのです。いわゆる「和文英訳」の指導にあたっても、

  • narrative
  • expository
  • argumentative

な英語のテクストを100語前後に纏めて、ストックしておき、その日本語訳を教材として提示することが可能です。前年度の指導で書かせた英文が長いのであれば、大学入試でもよく見られるように、英文中の中抜きで日本語訳を提示すれば解決です。
いわゆる「意見文」だけでなく、「物語」や「定義・説明」も指導しておくことが必要不可欠です。多くの「受験生」は、「自分の意見」を書くことには熱心ですが、自分の意見の裏付けに「事実」や「専門家の研究成果・証言」、「個人的体験の一般化」といった定番の手法を用いようとしても、その部分をきちんと英語で書くことが出来ていません。
過去ログでも示しましたが、100語前後の英語で語れる意見文なのであれば、教師の側で、「賛成」「反対」「中立」と3つくらい用意しておいて、それを「和文英訳」「ディクトグロス」「イカソーメン」などで指導しておくことです。
日本の英語教室では、高3になって「入試問題演習」を始めると、より長く書かせる方向に指導が進む傾向にあるように感じています。入試問題で要求される80語前後というのは、summaryとかabstractというには良いかも知れませんが、パラグラフライティングの原理原則を考えると、受験生に高度なものを要求しすぎているように思います。
上述のような段階を踏むことで、より密度の高い「文」「パラグラフ」を作る下準備が可能となります。
でも、そのためには、ある程度の人数の生徒が教室にいて、教室の生徒間で多少の習熟度のバラツキがあった方が良いように思います。当然、「できる」生徒が何人かいないとうまくいきませんし、その生徒たちに「なんで、他の生徒の間違いだらけの英語を読んだり、直したりするのに、自分の貴重な時間を使わなければならないのか」などと不遜な考えを持たせないだけの「実際的な指導」を、その教室を担当する教師がそれ以前にしておくこと、「この先生が言うんだから、何か意味があるのだろう」と思わせるだけの「指導力 (=別名「はったり」)」が必要となるでしょう。
私の経験から言うと、そう思わせるのには「ライティング」の授業が一番いいように思います。こういう私も、それができるまでに15年くらいかかっていますから。もっとも、その科目も高校では再来年でなくなっちゃいますけどね…。

夕飯は肉野菜炒めでスタミナ養成。
晩酌も忘れずに。
世界水泳を見て、早めの就寝。

本日の晩酌: 白岳仙・山田錦・四十・純米吟醸・中取り・火入れ (福井県)
本日のBGM: My foolish heart (吉井和哉)