”Begging please don’t make a fool of me”

朝HRは毎週恒例の漢字テスト。
文化祭準備で時間割変更。
1限は高1のスピーチから。
前回既に終えた生徒も、サイコロの目によっては1人は当たるようにしむけています。
スピーチの前に、

  • What do you need most to make your speech successful?
  • What makes a successful speech?

と問いかけ。Communication などの語はすぐにでてくるが、interactionなどはすぐにはでてこないので、 questions and answersなどと投げたり返したりして、まだまだ引っ張る。
Good listeners / motivated listeners がfluent speakersや good command of Englishよりも大事であることを伝える。「聞いてますよオーラ」「もっと聞きたいオーラ」が出せる身体・姿勢の重要性を説いて、今日は計3人。
1人終わるごとに、リスナーに内容の問いかけを英語と日本語混じりで。フィードバックで強調したのは、
「否定をしたら、それに取って代わる肯定を」ということ。I can’t play the piano well, と言ったら、で、どうなのかを必ず続ける。I practice it very hard every day. とか今言えることをしっかり言えるようにしておくことが大切。この時期にその意識が身につけば、今後Being good at something is one thing, and loving it is quite another. などと受験英語を覚えたり、「下手の横好き」という日本語の慣用句を英語で説明するライティングに繋げたり、と授業でも可能性は広がるもの。
高2は、文化祭の展示企画で文学作品の英訳をクラスで分担して行うという、無謀とも思える企画になったので、その準備に使える辞書類を教室へ。他にも今までに授業で使用した教材、プリント、学級文庫の参考資料などを総動員してスタートしていました。私がいる間ならなんとかアドバイスも出来ようが、国体でまったく留守にする間に準備と実際の展示なので、頑張ってもらうしかないですな。
さて、
先日の京大の和文英訳ですが、ある教材にたまたまこの部分の英訳がありました。その教材では「喧噪」の英訳で扱われていました。

  • Many of the universities in Europe in the old days were located in beautiful countryside or small towns, a good way from the hubbub of big cities.
  • A lot of the old universities of Europe were situated far from the hustle and bustle of big cities, in beautiful countryside or small towns.

一例目のin the old daysでの制限のかけ方が手堅いですね。2例とも、単純に実数の多さと誤解されないように<many / a lot of +限定された母集団>と書いています。こんな風に、一題やれば一題分勉強になるなぁ、と感じられる良い英作文教材は何か?というと、

  • 『大学入試英作文辞典』木村哲也・Mark Schwarz編著、SEG出版、1995年

です(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20071226でも紹介していますので、そちらも併せてご一読を)。ただし、出版年を見てわかるように、94年度までの出題しか扱っていませんし、明らかに、このような英文と和文の比較検討が出来る上級者向けですので、受験生といえども無理をしてまでやることはないのではないかと思います。出版からすでに13年経ちますが、増補改訂版はでるのでしょうか?さまざまな英作文教材が林立する中、「屋上屋を重ねる」ならまだましで、「臆面もなく」と言う慣用句を連想せざるを得ないものも多い状況だからこそ、こういう良識のある本を一定のサイクルで改訂し、育てて行って欲しいものです。
昨日のエントリーでも触れたfailの語感で、思い出したので補足を少々。
私が初めてfailの語感を感じたのは、トッド・ラングレンのバンド、Utopia の1982年の曲、"Feet don't fail me now" での使い方でした。「期待を裏切る」、「いざという時、肝心な時、いよいよこれからという時に役に立たない」というのがよく分かる好例でした。歌ひとつとはいえ馬鹿にしたものではありません。
本日のBGM: Feet Don’t Fail Me Now (Utopia)