過去問で悶々?

高2英語のパート2&3本文は無事終了。今回は、Q&Asをグループ作業で終わらせて、ペアでの口慣らしまで。昨年と同様のQ&A大会とサマリーにつなげる予定。次時はサマリー完成と第2課の予告。昨年はグループ課題でプレゼンをしたのだが、中間考査までの時間を考えると難しいので、昨年のプレゼンで生徒が書いた英文をもとに授業を進めようと思う。テスト明けからプレゼンをすれば昨年との比較も出来ていいだろう。
高3ライティングは、プリテスト解説。問題の8割以上に対して誤りのない英文をきちんと書ける生徒は2割程度。これが、今時の標準的な高校2年修了時の英語力と言って良いでしょう。プリテストの問題に関連して、動詞の意味特性に言及。電子辞書で<drown + man + straw>を用例検索にかけさせ、諺の例文を確認させる。

  • A drowning man will catch [clutch; grasp] at a straw.

プリテストの続きのGrammar dictationで書き取らせた文章の中に、以下の英文が含まれているので解説を加えた。(ちなみにこの表現は http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20051124 でもタイトルに使っています)

  • They will take care of themselves.

この二つの用例から助動詞willの用法を括り出す。
こういう個々の表現や文法の積み重ねは本来英語Ⅰ、英語Ⅱでの仕事だと思うのだが、そちらからすればとても時間がないのでライティングでやってくれ、ということなのだろうか。でもなぜ語彙と文法を指導する時間の余裕がないのか?「日本語を介在させず英語で授業を進める」ことに躍起になっている間に、こういうことに割く時間が無くなってしまっているとしたら、それはお寒い授業というしかないだろう。今風の英語教育では noticingだの、awareness raisingだのといっているが、明示的にきちんと説明すれば済むことは済ませた方が健全である。
前回のプリテストと併せて中間考査に丸ごと範囲とする旨を通知。次回はWriting about people。Obituaryやbiographyを読み、特徴を踏まえて書く練習。今の勤務校でディクテーションが定期考査で出来るようにするにはどうすればいいだろうか?
英授研の発表準備も兼ねて、入試問題を眺めていたら、大学入試で出題された作品の著作権をめぐっていろいろと問題が生じているらしいことを知る。今のところ、国語の出題で顕著であるが、そのうちに英語にも波及してくることは必至。例えば、今春の大学入試センター試験の国語・第一問の別役実『言葉への戦術』の文章が丸ごと、公式サイトともいえる大学入試センターで公開されている問題から削られている。(問題のpdfファイルはこちらから。http://www.dnc.ac.jp/center_exam/18exam/mondai_pdf/18kokugo_q.pdf)全国で50万人近くが受験する問題である。本文が削られているということは空所も傍線部も全く分からないということである。これでは、問題を公開したことにならないだろう。百歩譲って著作権の問題だというのなら、出題の責任を持つ大学入試センターはしかるべき著作権料を払って、広く一般市民に公開するべき筋のものだろう。赤本や他の入試問題正解集や問題集でもこの流れに準じていくとすれば、今後の教科に関わる進学指導・受験指導を根幹から揺るがすことになるのではないだろうか。