英字新聞との格闘

教材シリーズ第3弾。
私立高校入試も終わり、英語の先生のところにお礼にいって、「英字新聞っていうのを読んでみたいんですが」と切り出した。先生曰く、「うーん、毎日出るやつは読み切れないから、週刊の新聞がいいよ。いろいろあるけどStudent Times っていうのが一番いい勉強になるんじゃないかな。XX書店に行ってみたら?」
早速、XX書店へ。店頭を見て回るがそれらしきものはない。レジ近くのスタンドみたいなところに、割引はがきがあったので、ゲット。1年間定期購読すると、学生は半額以下になるらしい。お年玉をはたいて申し込む。
しばらくして、第一回目の新聞到着。新聞というにはあまりに小さく、新聞紙ではない、薄くツヤツヤの紙で表紙はカラー。「これが英字新聞か?!」
なんと、Student Timesと思って定期購読したのはTIMEだったのです。
この後、毎週のように郵便受けにはTIMEが届くことになったのであった。当然、中3の英語力では読み切れるわけもなく、通読どころか積ん読にしかならない。1ヶ月後、一つのテクニックをあみだした。「読者のお便り(=Letters)」の欄の活用である。まず、Lettersに目を通す。ここはそんなに難しい英語では書いていないので、面白そうな手紙を見つけたら、そのバックナンバーを探す。そして、その記事を辞書を片手に読む。最低でも、週に1つはまとまった記事が読めたという実感が残る。さらに、自分の好きなスポーツ、音楽、映画の記事は、それぞれ、1,2ページなのでがんばって読む。
これを続けているうちに、新聞などの記事の型、パターンが何となくわかってきて、あまり辞書を引かなくてもわかる部分が増えてきた。わからないところも全部詰めて読み切っていれば、高校時代にものすごい読解力がついていたような気もするが、部活や生徒会活動、バイトの合間にやるわけだから、根を詰めずに、情報収集と割り切るのと、自分の興味関心のあるものに限定していたことが成功した要因だと思われる。高3の2学期から大学入試に向けて本格的に勉強をはじめたときに、入試問題をそれほど難しく思わなかったという点でも、自分に合っていた学習方法だったのだろう。入試勉強の合間にもTIMEは読み続け、面白そうな表現はタイプライターでレポート用紙に写していた。この読み方はその後、大学2年くらいまで続けていた。大学で上京し、卒業、教師として就職と引っ越しを重ねるうちに、当時タイプした用例集はどこかにいってしまってもうほとんど残っていないので少し淋しい気がする。