roulette はフランス語由来

現在、こちらの記事でも告知しているように、8月以降のオンライン個別指導の受講者を募集をしています。

tmrowing.hatenablog.com

主な指導メニュー
• 1. 四角化ドリル+チャンクでの語彙学習
• 2.「診断テスト」+英作文
• 3. テクストタイプ別英文ライティング

今年度上半期の、オンライン個別指導の受講者の方から、講座のreviewが届きましたので、匿名でご紹介します。受講を検討する際の参考にしていただければ幸いです。

この方の受講した講座は、「3. テクストタイプ別ライティング」で、その初級編となります。
以下をお読みいただければ分かると思いますが、現職の英語の先生です。

英語学習歴はそれなりに長く、英語資格試験もそれなりのものを保持しており、英語圏に滞在した経験もありながら、○十路を越えてから教壇に立つようになって以来、自分はそもそも英文を本当には読めていないという懸念がずっとありました。また生徒向けに英作文の模範解答などを作成しながらも、本当に「模範的な」作文を書けているのか確信がもてないままでした。(一応ALTの先生にチェックはしてもらうのですが、ALTの先生もライティングのプロというわけではないので…) ライティングを通じて英文を見る目を養い、少しでも自分の生徒に還元できれば、という思いでこの講座を受講しました。


先生の講座を受けて特に驚いたのは、毎回の課題のフィードバックの細やかさでした。非常に丁寧で、思いがけない指摘に満ちていて、毎回目から鱗でした。also やin addition、for example など、これまで自分があまり深く考えずに使っていた表現の使い方や、比較表現を作文で使う際に気をつけるべきことなど、非常に勉強になりましたし、私の稚拙な英文に対して先生が示してくださる言い換え表現も素晴らしく、ありがたかったです。いつか最初からそのような表現を書けるようになりたいと思ってはいますが…。


また、松井先生の講義レジュメは参考文献や資料の宝庫で、作文例や表現例も惜しげもなく載せてくださっています。コーパスやGoogle Ngram Viewerの使い方や、結果の見方、AIを作文にどう活用するか、などについても教えていただきました。


結果として非常に楽しく講義を受けることができ、毎回充実感を味わっていました。とにかく、英語教師になったばかりの○年前には、このように松井先生の講義を個人レッスンで受けられる日が来ようとは想像もできなかったので(しかもこんな破格の受講料で)、本当に嬉しいです。恥ずかしながら、松井先生がおっしゃっていること、教えてくれようとしたことも100%は理解・吸収できていないと思いますし、残念ながらまだ生徒に還元できるレベルではないですが、来期からの中級編では、初級編でやったことを思い出し、復習しながら、もっと理解を深めていきたいです。

ありがとうございました。

ご本人は謙遜されていますが、かなり英語が出来る方(かた)です。
私も長いこと高校の専任で教えていましたので、自分の授業、仕事が終わってからの時間を、このようなオンラインのレッスンに当て、毎回の課題に取り組むことがいかに大変かは分かるつもりです。今シーズンの全16回の講義で初級編は卒業。次のシーズンは、中級編で、もう一つ上のレベルでの「テクストタイプ別」のライティングに取り組むことになりますので、よろしくお願いします。

オンライン講座は、個別対応、カスタムメイドです。
高校生、受験生に限らず、一般の方の受講もできる限り対応したいと思いますが、ミスマッチは避けたいので、まずは、リクエストをお寄せいただき、スケジュールや、ご希望の講座内容、現時点での英語力と受講後の目標などをガイダンスで確認させていただきます。
必ずしもご希望に沿えるわけではないことはご承知おき下さいますよう、お願いします。


オンラインの個別指導とは別に、夏のセミナーのお知らせを再度しておきます。

8月15日(木)
ELEC (英語教育協議会)の教員対象の研修会(対面のみ)で午前の部を担当します。
過去ログのこちらのページをご覧下さい。

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8月17日(土) 
文字指導/handwriting 指導法セミナー 初級編
※こちらの講座は、8月10日(土)の時点で希望者がいなければ開講しません。

passmarket.yahoo.co.jp

8月18日(日)
文字指導/handwriting 指導法セミナー 中級編
※こちらの講座は、8月10日(土)の時点で希望者がいなければ開講しません。

passmarket.yahoo.co.jp

8月24日(土)
指導者対象オンラインセミナー:表現も・論理も 〜和文英訳の指導と英文ライティングの指導との両立
高校の「論理・表現」科目や教科書の持つ根本的な問題と入試を見据えて英文ライティングの指導法を共有するセミナーです。
※昨年末大好評だったオンライン講座と8割方同内容ですのでご注意下さい。

passmarket.yahoo.co.jp

以下は、昨年末の講座の流れ。

基本構成と流れは同じですが、上述の1〜6のうち、

4.「英文ライティング」で英文素材活用の検討を追加
5.「解答例」に新たな出題を追加し批判的検討
6.「生成系AI」では、同じ作品のAIによるフィードバックと私のフィードバックとの比較検討

での加筆修正が新たな2割の分かな、と。

今春の入試の出題だと、某大のバンクシーの雑な扱いを批判的に考察する必要があるし、先日私のツイッターの投稿から一部で盛り上がった、関西の某大学の問題は、英文ライティングの格好の素材になりますよ、という話もできれば、とは思っています。あとは、私のフィードバックのスキルが向上した話ですかね。
興味がおありの指導者の方は、都合をつけてご参加下さい。

セミナーとは別に、noteで公開している記事を改訂&更新しています。

note.com

このマガジンに収録の6本の記事のうち、3つの記事を既に改訂し、当該のファイルを更新して公開しています。
既に旧版をお買い求めの方には、購入時に使ったアカウントに更新の告知が届き、更新ファイルが追加料金なしでダウンロードできるという、俄には信じ難い、ウソみたいなサービスを提供しています。

こちらの投稿でも書きましたが、塾や予備校で夏期講習を取っていない人は勿論、取っている人も、基礎基本の徹底が、発展応用を可能にしますから、こちらの記事を夏の間に熟読してくれればと思います。

練習問題もテストもありません。
ひたすら読むだけの教材です。
読解でもそうですけど、設問がついていないと英文が読めないというのは、体質改善が必要であり問題なのと同じで、クイズ形式の英語本しか読めない、というのも、十分に深刻な問題だと思いますよ。

まじめな告知はこの辺で、閑話に。

パリ五輪、皆さんは見ていますか?
私は自分自身、元アスリートで、長らく競技スポーツでもあるRowing (ボート競技)のコーチをしてきたので、フィギュアスケートでなくても、色々見て、楽しみ、学んでいます。
競泳では女子50m自由形で、SwedenのSarah Sjöström選手(発音が、難しいのでこの表記でご勘弁を)が五輪新記録で金メダル。超人です。50m自由形という、世界のトップ中のトップスイマーたち、しかもスピードを出すことに長けている人たちの中で、彼女のキャッチのスキル、精度は群を抜いている印象。ロウイングでも、こんなキャッチが出来たら…。

今大会は「審判」が物議を醸していますね。
今五輪、審判のスキルはいろんな競技で問われている。競技である以上、審判がいないと始まらないし終われないから、信頼感が大事。
ソーシャルメディアの英語でいうと、refereeingというよりは、officiating ということばで語られている印象。動詞はofficiate。「公式」に加えて「公正」の感じがします。
私は柔道の角田夏実選手を応援してきたので、個人戦での金メダルにはもらい泣きしました。
ただ、団体戦での角田選手の巴投げに、その場で一本どころか技ありも出せない審判はどうよ、と感じずにはいられません。
相手は、2階級重い57kg級の選手で、しかも東京五輪・銀、今五輪も銅メダリスト。
あの巴投げで、角田選手の凄さに世界が震撼した瞬間に「待て」、でビデオチェックですから、感動も萎えますよ。
あとは、録画で何度見ても、あのルーレットの「ヤラセ」感は消えませんね。

ということで、YouTubeの「角田夏実の部屋」はこちらです。みなさん、登録&応援よろしくお願いします。

www.youtube.com

陸上の男子100m決勝は同着で写真判定。
1000分の5秒差での決着。

でも書きましたが、

nationalpost.com

の記事にあるこの一文。

  • Then came the moment where the sprinters set, at the starter’s beck and call.

はat A’s beck and call をこの文脈で適切に捉える必要があります。
次のような辞書の訳語をただ当てはめても上手くいかないでしょう。

  • Aの言いなりになって.(W)
  • <人>の言いなりの, …に指図されるままの.(G6)
  • (人の)言いなりになって;(人を)意のままにして(O-LEX)

この文脈では、言い換えてalways ready to respond to Aとでもなるところですが、このalwaysは、日本語で言えば「いつでも」に当たるもの。
「いつスタートの号砲がなってもでも瞬時に対応できるように」「あとは、スターターが号砲をいつ鳴らすか、そしてそれにいかに瞬時に反応できるかにかかっている」とでもいう状況です。
いくらなんでも「言いなりになる」はないと思います。
それよりも、この成句のcallは名詞で "a vocal summons" (声による召喚;呼び出し)ですが、beckは "a mute signal or gesture of command, such as a nod of the head or a pointing of the finger" (頷きや指差しなど、声に出さない小さなしぐさでの指図)を指していたことばですので、スターターがピストルを撃つ様を描写するのにぴったりの表現だと思いました。
(The Facts On File Dictionary of Cliches, Second Edition, 2006年を参照)

本日はこの辺で。

本日のBGM: Let Me Roll It (Paul McCartney & Wings)

open.spotify.com