春よ来い

月曜日は進学クラスのみ。卒業式に向けての取り組みが入ってきたので、40分の短縮授業に。慌ただしい1日とはいえ、授業は2コマ。
高1はプレゼン。玉石混淆。
同じ班での作業段階で摺り合わせが不十分だと、発表にムラが出る。他の場面を担当する、他のメンバーの「出来具合」が自分のものよりも優れている、というときに、落ち込んだり、卑屈になったりするのではなく、その取り組みから何が学べるか。また、他のメンバーの「出来具合」、そしてそれに至る「取り組み」が明らかにお粗末な場合に、「あ〜あ、こんなんじゃ、聞いた人は全然わかんないんだけどな…」と内心思うだけでなく、それを指摘し、干渉して、本番までに「このくらいだったら、自分が聞き手でも許容できる」レベルまで引き上げるべく協力することができるか。グループで学びを成り立たせるには、もっと泥臭い、面倒なやりとりが求められるはず。範囲を割り当て、自分の分担にのみ責任を持つ、というような「グループ学習」は必ずと言っていいほど破綻する。
先日紹介した『中学校外国語指導事例集』には、文部省側の「所見」という、それぞれの学校での調査研究に対する講評があるのだが、そこに興味深い指摘があったので、引いておく。

まず、生徒の実態を調査するにあたって、語をつづる力を阻害しているもの、生徒の能力に応じた練習量および学習意欲の喚起に役立つものの3項目を選定しておきながら、これらの調査にすべての教師が当たらないで、分担してしまったことである。生徒の実態に関する教師の理解には、おのずから片寄りや限りがあるものである。片寄りや限りがあるからこそ、数名の教師が協力してさまざまな理解を出しあい、分析を深めていくことがたいせつなのである。せっかく初めに協力体制をつくっておきながら、調査を分担してしまっては、それらの調査結果は底の浅いものにならざるを得ないのである。 (p. 35)

「底」はどこまで深ければ許してもらえるのか、という問題が次に出てくるけれど、やはり「相互に干渉」できるチーム作りが大切。

プレゼンの「玉」の方では、日本語を頼りに解釈したり、理解の補助線を引いたりしたとしても、最後には「英語」に戻ってくることができていたのが良かった。今までに学んできた英語表現や「頭の働かせ方」がどう使われているのか、これから自分が使えるようになりたい、と思える英語表現がどのように扱われているのか。既知を確かめることで自信を深めて、未知との出会いを求めることで意欲を持続させる、それこそがこの課題の肝。

高2のライティングは、描写の続き。教材から引き出せる語彙だけでは不十分なので、項目ごとに語彙を整理したハンドアウトを作って、肉付けできるようにお膳立て。今回、参考にしたのは、

  • English Vocabulary Organiser: 100 Topics for Self-Study (LTP organiser series)

アマゾンのカスタマーレビューも書いています。
さらに、顔かたちの描写・形容で、どういう英語表現を使うか、という時に、「メガネの選び方」で、どのような表現を用いているかを調べて見るというヒントを提供。 (このブログ記事だと、こちら→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20101209)
このクラスでも、誰かが突き抜けてくれることを期待します。

準備室で、英語だけでなく、他教科の同僚も含めて、英語の「that節」の話し。勉強になりました。
英語の辞書の話し。入門期に最適な辞書は?という流れから、類義語辞典で何が良いか?ということになったので、私の持っているものを紹介。良いものはどんどん使って下さい。
このブログで類義語を扱ったものとしては、
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090119
から
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090125
までの一連のエントリーが参考になるでしょう。

帰宅途中に、裾を直してあったパンツを受け取りにScotland Martへ。
オーナーはSPICEの方に行っていて不在だったのですが、試着もバッチリで大満足。パターンと素材感の勝利といったところでしょうか。女性陣に褒められてちょっと嬉しかったです。
SPICEの方が自宅に近いので、オーナーと店長にもご挨拶。流石に履いて登場はしませんでしたけれど。
パンツ一本で春が待ち遠しくなるのですから、良いですね。

夕食は天麩羅。今日は良いものが入ったのか海老も食卓に。
晩酌はほどほどに、録画してあった、「文字認識」の開発に携わる高専の先生のドキュメンタリーを見る。この番組はUG先生もブログで言及されていたように思います。語学の「いろは」を思い出させてくれる良い番組でした。

本日のBGM: Ready or not (Loudon Wainwright)