verbatim et literatim

豪雨から一転、快晴、三日ぶりに空が明るくなったか、と思いきや、今度は黄砂。
そして、来週からは中間考査。
商業科1年でも「四角化で視覚化」「A of B でBのA」「時制が決まればとじかっこ」の導入。頭の働かせ方を枠に嵌めるというのは一方でデメリットにもなるが、生徒が自分で、自力で教材を読み進めていこうという際に活用できるものと捉えればメリットの方が遙かに多い。Read & Look up とFlip & Writeまでは練習方法として導入が終わった。中間考査明けには、対面リピートとイカソーメンの導入予定。せっかく48人という大クラスを担当するのだから、グループ分けを工夫してイカソーメンの醍醐味に迫りたい。
進学クラス一年は、「副詞と副詞句」「名詞句の限定表現」の識別をトレーニング。<名詞+前置詞+名詞>がひとかたまりなのか、それとも、後ろの<前置詞+名詞>で副詞句を形成するのかというのは、ほとんど意識した学習 (裏返せば指導) のなされていない項目。先週取り扱った、『ぜったい音読』で出てきた、

  • Please put your bags in the compartments above your seat or under the seat in front of you.

という表現で、<名詞+前置詞+名詞>の切り離せない名詞の固まりは?と問うと、ほとんどの生徒が、 “your bags in the compartments” と答える。putという基本動詞の「概念・イメージ」は本当に難しいのだ。
金曜日のコマで扱ったのは、<名詞の目印><代名詞は何の代わり?><私たちはいったい何を数えているのか?><ワニの口>など。昨年度の普通科での実践が私の中で確実に実を結んでいる。昨年度の2年生が躓いたり、間違えたりと苦労してくれたからこその実り。そして、今年のこの進学クラス1年での取り組みが、今度は普通科や商業科の授業での豊かさを生み、増すように自分の頭を耕しているところ。
進学クラス高2は『コーパス口頭英作文』が試験範囲。1秒で頭出しができるようになったら、その英文とパラレルな構造を持つ他の文を整理したり、自分で作ったり、という「そこからが自分の学習ですよ」と私が頻りに言う領域へ踏み込まないと。
進学クラス高3は「英作診断テスト」の確認問題という名の例文補充。補充とはいえ、日本文が与えられるだけで答え合わせはしないので、それまでに学んで身につけた例文を疑問文に変換するとか、その語句を一部置き換えるだけとか、複数の項目の「合体ロボ攻撃」を迎え撃つとか、楽しんで汗をかいて下さいな。
放課後はエルゴの鬼。いえ、鬼は漕手の方ではなく私なんですけれどね。
土曜日は進学クラス高1の課外講座。
私の場合は、週末本業でいないことが多いので、このようにまとめて1日に入れてもらっています。
「四角化で視覚化」からの一連のシリーズ。

  • a big fan of Ichiro

に代表される語句で「ファンなの?イチローなの?どっち?」という整理の仕方を徹底し、代名詞に置き換えていく。

  • a change of heart
  • the cap of the bottle
  • the top of Mt. Fuji
  • the capital of China
  • the leader of the band
  • the captain of our team

では、それぞれの名詞の語頭の子音をしっかり調音させることも大切だが、「語の持つイメージ」「比喩」というものにも伏線を張っている。初学者を語源の話しで煙に巻くことは絶対にしないので、一つひとつ丁寧に扱うことで「肌触り」「肝」を感じさせることに主眼を。この「A of B でBのA」の回の後半は、

  • the face of a coin
  • the back of the hand
  • the back of a card
  • the back of the head
  • the heart of the city

で “heart” に戻り、辞書引き作業。
そして、名詞句の限定表現を確認してから、「目的語」「自動詞・他動詞」「どどいつ」の整理。
「〜を」の時は他動詞、「〜に」の時は自動詞、などと覚えている者もいるので、日本語の語順と助詞の使い方とは違うということを踏まえつつ、英語そのものに目を向けるために、

  • live in the heart of the city
  • open the cap of a bottle

などなどを日英対比で観察することから。
既習の、

  • the top of Mt. Fuji

から、

  • stand on the top of Mt. Fuji

を理解することは容易。『グラセン和英』で「逆立ちする」を引かせて、

  • stand on my h…

まで板書して、「当然、意味を考えたらhandの数は?」と問い、「四角化」の持つ意味、なぜ、アンダーラインは名詞の目印から始めるのか、という原理原則の再確認。で、そこから本題。

  • stand on the top of Mt. Fuji

と、

  • stand on my hands

との足し算はどうなるの?と考えさせる。

  • stand on my hands on the top of Mt. Fuji

の方が圧倒的に普通の語順。ではそれはなぜ?
名詞句と副詞句の識別が基礎ではあるが、意味の繋がりで切れ目を作りやすい所と作りにくい所があること、「どどいつ」の語順をもう一度確認することが大切。その「目」ができていれば、
なぜ、

  • feed a bird in the cage

ではなぜ、「かごの中で鳥にエサをあげる」とならないかが分かろうというもの。
「他動詞」ネタは恒例の「芋掘り」から、「お湯を沸かす」「卵を茹でる」「窓ガラスを割る」「骨を折る」「メガネを掛けている」「髭を蓄えている」「コップ一杯の水を飲む」「薬を飲む」「手紙を書く」「絵を描く」「壁にペンキを塗る」「背中を掻く」「用紙を折る」「腕を組む」「傘を畳む」などなど。
私の故郷、北海道方言の「手袋をはく」の例も示して、文化の差、というものを感じてもらう。foldの反意語で、openは簡単なのだが、openの反意語は必ずしもfoldではないよ、という例として、

  • open your dictionaries

を考えてもらい、「流石に辞書は折りたためないでしょ」と、closeを得る。fold に対する、unfoldを辞書で確認して、fold vs. unfold だと、「開いた状態で機能しているものを閉じたり畳んだりする動作がfold」ということになるが、tie vs. untieだと「結んだ状態で機能しているものを緩めたり解いたりする動作が untie」ということなので、「元の状態へと戻す時に un- という動詞がある」というところまでは明示的に指導しました。オチは当然、いつもの「安泰」です。
課外の後半は、『ぜったい音読』と『レベルアップ英文法』。時制と助動詞という文法上のターゲットも大切ですが、それよりも「教材や辞書などの中にある閉じたことばを自分で開く」「そのことばを自分で生き直す」ということに主眼を置いています。
午後からは本業で湖へ。
大学生チームが流木、漂流物の撤去をしてくれたおかげで1Xは何の問題もなく漕げました。深謝。
アップダウン込みで20kmの予定でしたが、フィニッシュでの緩みが酷く、水を散らかし放題だったので、途中で腕漕ぎドリルなどを入れたため、計18km、所要時間は約2時間。ベースのメニューは500mごとにSR20とSR24でのalternateで1周4kmを3周。最後がSR26で片道2kmちょっとを連続で。ダムの方まで行けたので、最後にそこからスプリントをさせたかったのですが、逆風が強くちょっとカタマランからの距離が遠くて声が届きませんでした。ダウンは約2km。
明日は、エルゴの2000mTT。来週はテスト週なので、1日のみ練習です。
作問のために、テキスト類を大黒様のように抱えて帰宅。
本日のBGM: the water is wide (Superfly)