最後の授業

月曜日は卒業式。
長期予報では、昼くらいまで持つと思われていた天気だが、空は見るからに涙模様。体育館入場前には本降りに。入場前にテンションの上がりまくる生徒に対して、落ち着くように指導していましたが、卒業証書の授与が始まってからは雷鳴までとどろき、私が安心していられませんでした。いつもは「雷」を落とす側なのにね。
式典終了後に、教室に移動。保護者も交えてのHRで、一人一人、卒業証書の授与。表彰。
クラスの生徒一人一人から花をもらったのだが、その花をひとつにまとめて大変大きな花束にしてくれた。ありがとう。保護者の皆さんからも、過分なほど大きな花束をいただき恐縮。空模様とは異なり、教室だけは春を先取りするかのような馨しさに。最後は、教壇に皆で並んで記念写真。前期試験の発表もまだこれからなので、気が気ではないでしょうが、一応節目ということで、

  • おめでとうございます。

HRも終わりしばらくすると雨足も落ち、式典時とはうってかわって穏やかな空気に。
翌日は平常授業なので、指導案を確認。今年度最後の授業となるので、何かスペシャルなことを、と思い、企画を立ててみたのですが、どうなりますやら。
我々の世界では、よく「普段着の授業」などといいますが、生徒はいつも制服を着ているのですから、普段着もよそ行きの装いもないのですね。あるとすれば、教師の衒いなのでしょう。

夜になって、某局の高橋大輔選手のドキュメンタリーを見る。
てっきり再放送だと思っていたら、バンクーバーの映像も出ているじゃないですか。急遽、録画。うっかりしていました。来週、違うチャンネルで再放送がある模様。むーん。

明けて火曜日の今日は、湯田温泉まで、久保野雅史先生をお迎えに。
超多忙なスケジュールの合間を縫って、来山してもらいました。
2年越しの授業見学の実現。完全に個人的な繋がりでの授業見学で、本来学校としての公開授業や英語科としての研究授業として企画されたものではありません。調整も内々でしていたものでしたので、一般には告知及び公開しておりません。悪しからず。
今回は、遠いところから、K大学付属の先生方も参観したいとの依頼を受けていたので、かろうじて3月に残っていた今年度最後の授業に合わせてお付き合い頂きました。
3名のゲストを迎えての授業見学は高1の授業、1コマ。高2の授業1コマ。
高2はもう1コマあったので、無理を言って久保野先生に特別講義をして頂きました。となると、現任校の英語科の先生方も意欲が湧いてくるのでしょう。「丁度良い機会」ということで、主任と相談して、英語科の先生も私の授業と久保野特講が見られるように時間割を調整。期せずして校内研修の場となりました。私が着任して3年目、山口県英語教育フォーラムなど、外との繋がり・広がり・充実を図る動きに加えて、中身の充実を図る第一歩と言えるでしょうか。
4限の高1は、レッスンのまとめ。4分割裏表の自作ワークシートを使ってまずは重ね読みで1レッスンを通して音読。
続いて、「イカソーメン」。
欠席者があったので、急遽、O先生にお手伝い頂きグループ対抗で文整序ディスコース完成。奇数偶数の色分けを使って、2ラウンド、最後のラウンドはお膳立てなしで実施。最後のグループ内ディクテーションまで。
昼休みに授業へのコメントをもらいながら昼食。
5時間目は高2。
6時限への布石で、前半の3パートの音読を、4分割裏表の表面で。
段落1つでB4の1枚。自作ですから皆手書きです。机の上に折りたたまれた用紙が積み重ねられている様子を見れば、準備はしてきていることが伺えます。べた打ちと、動詞句抜きの2面が裏表になるように折り方を変え、スタート。読みながら補充して言えない動詞句は直ぐに裏を見て確認・刷り込み。制限時間でどのパートまで進んだかチェック。パート2は終わらせられないとすると、トレーニング不足ですね。パート3の真ん中ぐらいまで進めていれば合格です。
本題は、後半の3パートの内容理解のT/Fをどう捌くか。
英文の該当箇所を、日本語訳の文で照合。その後、日本語訳をもとにT/Fの判断。Fならどのように訂正すべきか、日本語訳を見て英語で言えるか自問自答。おそらく、直ぐに言えないものが多いのだろうから、ワークシート表面の英文本文を入念に読み、表現を確認し、修正。Tのものでも、表現が言い換えられていることがあるので、表面を丁寧に読むことは大切。適宜、突っ込みとフォローを入れながら10題完了。
その後、表面に移り、動詞句や前置詞など表現・文法での留意点を解説。前置詞は『ハンドブック』の該当箇所をメモさせ、復習での確認を促す。
担任の先生も見学に来てくれていて、生徒の取り組みを見て、

  • 思ったよりできますね。

と感心していた。見られている緊張感がプラスに作用したこともあるのだろうが、頭の働かせ方はかなりのレベルまで来ているのですよ。あとは、算盤の珠を揃えることです。
6時間目の久保野雅史先生による特別講義は、レイチェル・カーソンのDVD資料映像など、私の授業の補足発展という切り口で始まり、英語学習の基礎の徹底から高校3年・大学受験をも見通したハイレベルの英語への足がかり、ことばとして英語を学ぶ正しい道筋を辿るという、まさに「正攻法」の伝授。
生徒もまたとない機会となったことでしょう。

7時限目に参観の先生、英語科のスタッフを交えた情報交換会。私の授業の講評・質疑、久保野先生の講評・質疑を経て散会。
帰りの新幹線まで少し時間があったので、駅前の中国料理店で軽く腹ごしらえでご苦労さん会。英語教育の話しというより、バンクーバー五輪の話しばかりしてしまいました、御免なさい。
駅までお見送り。
また会う日まで。

さて、「なりすまし」事件のその後。
現在、関係各方面と連絡を取り、アクセスログなど証拠を揃えているところです。今回、最初のコメントが、夜の11時半過ぎでした。夜にネットアクセスをする人は多いでしょうが、気をつけなければいけないのは、メールやコメントをする際に、酔っていないか、極度のストレスにさらされていないか、と自問自答、自省、自律ができるかどうかという点です。私も夜中にブログを書くことがありますが、たいていの場合、一晩寝かせて、翌朝早い時間に更新しています。自分の言葉を自分で受け止める時間を作ることと、このブログを単なる感情の発露としてはいけないと思うからです。

今回名前を騙られた方の気持ちを慮ると、前回のブログの最後に書いたものを読んだ段階で謝罪のメールやコメントをいただけるのでは、と儚い期待を抱いておりましたが、そのメッセージは届いていないようですので、ご本人に了承を得た上で、メールを転載いたします。大事なことですので、この部分は私も含め実名です。

松井孝志様
こんばんは、萩原です。
迅速な調査をありがとうございます。コメントを書かれた方の真意ははかりかねますが、お会いしたことはない方でしょうが、少なくとも私の名前と私の所属する研究会との関わりを知っている方なのでしょう。
非常に腹立たしいことですし、松井さんにメールをいただかなければ私が全く知らないところで松井さんに不愉快な思いをさせてしまい、松井さんと私の関係がぎくしゃくしてしまう可能性もあったと考えますと、今回のメールで誤解がとけて本当によかったと思います。
一方でネット社会では、このようななりすましが簡単にできてしまうことがよく分かり、十分に気をつけなくてはと思うと同時に、このようなことで自粛せずに発信を続けたいと思います。
松井さんのブログは必ず毎日読ませていただいており、本当に勉強になっております。
これに懲りずに、今後もいろいろとご教示下さい。
萩原 一郎


大学の先輩でもあり、尊敬する英語教師の一人である萩原先生に、このような形でご迷惑をおかけしたことを重ねてお詫びいたします。

私自身、当該の記事そのもので個人的に恨まれる覚えはないとは思うのですが、誤解が積み重なったりして、また、その他の記事で、さらには普段からこのブログでの私の物言いが気に入らないというような私怨があるなら私怨でも構いません。でも、それは匿名であれ私個人に罵詈雑言を浴びせれば済むことです。他人の名を騙り、もっともらしい文脈に乗っかり、自分は乾いたところにいて他人に水をかけるような行為が正当化できるとは思えません。名前を騙られた方には何の落ち度も負い目もないのですから。
とはいえ、この方も、私に繋がる人たちの全てを憎み、恨みを晴らす積もりではありますまい。どんな人の中にも、善意とか良識という「ことば」の実体が存在することを信じます。

気持ちの良い一日でしたので、気持ちよく終われますように。

本日のBGM: Lesson number one (Marshall Crenshaw)