I can feel it in my bones.

高2の0限は週明けにしては上々の滑り出し。

  • 授業が始まって一週間がたちました

の英訳スモールトークから。仕込みが第一、アウトプットの回路作りが第二。

  • It is [has been] a week since (a) new (course of) English lessons started.

などというような英文が出てこないときに、

  • English lessons started a week ago this year.

などと、とにかく言い始めたらピリオドまで言い切れる文法力・語彙力を育てるという話。
読解では、

  • Only sending flowers remained popular.

の一文をパラフレーズ。"remained" を "stayed" に換えるのは、基本動詞の語法をやっているので容易。"popular" のパラフレーズ。で暫し黙考。

  • 「水嶋ヒロは若い女性に人気がある」の「人気がある」を言い換えると?

というキューから、「好かれている」を引き出し、"is loved by a lot of people" とパラフレーズ。そこからの足し算で、

  • Only sending flowers was loved by a lot of people.

で足りない情報は?と問い、「ずっと〜のまま」「依然として」で副詞を引き出す。一人の生徒が、"still" を答えてくれたので、軟着陸的にまとめ。

  • Only sending flowers was still loved by a lot of people.

パラフレーズは、読解力ではなく、自分の英語を育てるための格好のトレーニング。定義ではなく、発話で受け身の不自然さを感じられれば、原文の良さが引き立つというもの。やはり原文の読みに戻ることが肝要。そのためには、母語の活用が欠かせない。
However やbutでの対比を問うと、対比された句や節をそのまま抜き出す生徒は依然として多い。「で、その何を対比しているの?」と問うと、黙考。理解する段階でさえ、このようにもどかしい思いを経なければならないのであるから、「アウトプット」を焦る事なかれ。読めていないことをアウトプットというmake upでごまかしてはダメ。読んでるときくらいは読みに集中した方がよい。

高1のオーラルは、『リスニングの基礎を固める』。流石に松坂先生の作った教材。コンパクトな解説で十分な情報量。内容理解の対話文のスクリプトをもとに、Side by sideでダイアログカードを作りペア練習から個人でのRead & Look upまで。30秒単位での練習で、集中力強化。
高2の授業でも強調したことだが、間違えることを気にするあまり、踏み出す一歩が小さい生徒が多い。「思い切り間違うと、思い切り気がつく」、「思い切り気がつくから思い切り学べる」ということを繰り返し説く。結果を焦る余り、生徒がせこい学びに陥らないように、教師は気を配る必要があるのだろうと思う。英語は英語でというバナーよりも、個々の生徒に豊かな学びを保証することの方がよほど大事だ。

職員室に戻った私の机上には『代ゼミジャーナル』。高3担任だし、こういうものがどんどん配布されてくるのは別に構わない。問題はその中身だ。p.5のセンター試験、英語筆記の解説で首をひねる。以下抜粋。

  • 問10のrun in the family「遺伝する」なども、はっきり「知っている」受験生はごく一部だろう。しかし、runという動詞の幅広い使い方に日頃から注目していれば、Itが何を指すか、in the familyとの意味的に妥当なつながりは何かを考え、「痩せていること (体質) は家族の中で『走って、流れて』いる」といった直訳はできるはずである。

というのだが、では、そのitを英語でパラフレーズしたら何になるというのか? (過去ログ参照→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090127)
私の疑問や問いかけは単純である。この文脈では "run in the family" と続いて初めて、itの照応が完結するのではないのか?ということ。"run in the family" という成句を完成させたいのであれば、itではなく、もっと明確な名詞句を主語に据えるべきだろう、ということである。識者の判断を仰ぎたい。
私の調べた範囲では、「食べても食べても太らない体質」という意味で、

というような英語が実際に使われているが、頻度は高くないのである。過日、この「痩せている体質」に当たる適切な英語表現に関して、中澤幸夫氏にメールを送りアドバイスを求めたのだが、こちらの期待した回答は得られなかったのを思い出した。

昼過ぎから曇天が加速、雨交じり。野球部が接戦を制し帰ってきたので、連投のエースに労いの声を掛ける。
本業は本日自主練のため、エルゴのセッティングを直してから、浜田省吾の歌に出てきそうな暴風雨の中、帰宅。
明日の高3は読解テキスト。パラレルな素材文を見つけたので、比較検討しながらサクッと終える予定。高2は今月の歌、第一弾。寝る前に作戦を練りたいと思います。

昨日、閉幕したフィギュアの国別対抗戦を見ていた妻が、

  • 真央ちゃんって、全体が細いのに、ここは太いよね。

といって体側を指していた。体幹の強さの秘訣だろう。今のトレーナーは牧野講平氏か。浅田選手自身インタビューにこう答えていた。

  • 以前はただ、普通の腹筋を自分で何回もやってたくらい。それが今年は、背筋も腹筋もいろいろな種類のトレーニングを、トレーナーさんと一緒にやっています。真央がやっているのは、筋肉をあんまり太くしないタイプのトレーニングです。真央のジャンプは、伊藤みどりさんみたいに力強く高く跳ぶタイプじゃなくて、高さよりもジャンプの回転軸を細く取って跳ぶタイプ。そんな特徴もトレーナーさんは考えてくれて、あんまり筋肉はつけないように、バランスボールを使ったり、コーンを使ったりして、陸上でいろいろな動きをします。(中略)ジャンプを跳んでも、入りと着地の動きがすごく速くなってる。跳んでる間も軸がぶれないようになったし、そのぶん今までより、もっとジャンプに高さが出せるようになったかな!」(『フィギュアスケート日本女子ファンブック 2009』、扶桑社より)

18歳にして、超一流の受け答えですね。
このファンブックの巻末には、各トップ選手への質問コーナーがまとめられているのだが、その太田由希奈選手 (p.95)への質問。「この選手のプログラムを滑ってみたい」への回答に納得。

  • Yuna (キム・ヨナ) の『死の舞踏』

いつか見てみたいものだ。

本日のBGM: Inspiration (Gypsy Kings)