”キターッ!!”

って、実際にいらっしゃるのは20日の土曜日なんですけど…。

高1の0限は英問作成。語弊があるかも知れませんが、この生徒たち面白いです。当然、英語力はまだまだですけれど。
情報交換タイムを経て、文レベルの正確さを確認。日本語を頼りに英文をでっち上げてしまうと、語彙と文法で自分の守備範囲に入っていない文を作れなくて立ち往生する。例えば、
He had long wanted to be able to read. He didn’t tell anyone that he couldn’t read. That was his secret. という文で生徒に提示したとする。
生徒は単純に、

  • What was his secret?

などと質問の文を作る。そこから悩みが生まれる。答えの文を作る時に、

  • His secret was ….

ではたと止まる者が多い。(ここまで作れれば、多くの高校生にとっては頑張っている方だと思いますが)
ある生徒は、「…といわなかったこと」のレベルで立ち止まり、ある生徒は、「…できないこと」のレベルで立ち止まる。頑張って、

  • (X) His secret was not to read.
  • (X) His secret was not to be able to read.

くらいまでは作れるけれど、本人も、これでは英語としておかしいと思っています。
抽象名詞化した、inabilityとか、illiteracyとかが語彙として守備範囲に入っている高1生は、普通の学校では期待できないでしょうから。「…ということ」のまとめ役、入れ子としてマトリョーシカの隙間を繋ぐインシュレータのような役目を果たすものとしてthatを教えているので、ここでその助言。
ようやく、

  • His secret was that he did not tell anybody that he could not read.

まで漕ぎつける。Secretの語義を問い、

  • His secret was that he could not read.
  • His secret was that he was not able to read.

までの道のりは結構遠い。この段階を予習の時点ですでにクリアーしている者には、ableの反意語で unableを使って、

  • His secret was that he was unable to read.

までは教えている。inabilityまでは、無理に教えません。able / unable の語形成は簡単でも、ability / inabilityの語形成を合わせて仮説を保持するのは初学者には骨が折れる。我々の母語でも、非/不/反 の使い分けルールの習得には難儀しただろうから。
とまあ、こんな調子で、母語ではなく、外国語である英語の授業は父として、いや遅々として進みません。
高3は、パラレリズムと同語反復を避けるというよりは、筆者の主題と思考の流れを意識した語句の整理。

  • (be) comfortable with

をみた段階で、acceptの語感・雰囲気を感じ取ることの大切さを説く。acceptanceを許容とか受容性などとただ日本語に訳した読みをして安心してはならないので、そこから、acceptableの語義・用法とか、句動詞のlive withと、派生する形容詞のlivableとその語義、さらには日本の不動産関係のコマーシャルの話しとか、を絡めて「不都合なものと折り合いをつけてうまくやっていける・いけない表現」をいくつか示す。語形成では、inescapableに対応する、(X)inescapeという動詞が存在しないことを強調。
A rather than Bではいつもの説明。ここでは、「では、Bが空欄だったとして、筆者が考えている却下・唾棄すべき我々の姿勢・行動様式を答えよ、という問題だったら?」と問う。筆者はなぜ、この具体例、ケース、エピソードを持ち出したのか、という問いを常に用意しておくことの再強調。
高2は、自立した学習者へのシャトルラン。
今日は、副詞節の用法。When/ where // because 。辞書にある閉じた言葉に命を吹き込めるか。紙の言葉を自分で生きることができるか。今日の一歩はただの一歩ではないことの喜びと畏れを教室で感じられるか。
空き時間に、読売新聞の取材。フォーラムについて、経緯や概要など。以前は、本業で取り上げてもらったのだが、そのあたりは記者の方も調べてあって、流石。
放課後は、校長とフォーラムの打ち合わせ。主任と集合時間、受付の確認。印刷物の準備。
妻が、娘と旅行中なので、独りで夕食。
さあ、いよいよ、第1回山口県英語教育フォーラム、開幕です。

本日のBGM: Over the trouble (織田裕二)