朝のHRで全校一斉漢字テスト。
LHRは文化祭の主張コンクールの作文書き。合唱曲も決まったようで何より。私は国体で文化祭にはまったく関われないので、ここぞ、とばかりに楽しんで下さい。
今年の高1も大学関係の調べ学習を展示する模様。『蛍雪時代』の情報を右から左に受け流してもダメですよ。
高1は『短単』もようやく小テストが全範囲終わったので、例文を流しっぱなしで、リピート/シャドウイング。単語をリピートやシャドウイングするのは楽勝でも、ちょっと込み入った例文になると、聞き終わってからリピートしようにも思い出せないところやつかえるところが出てくる。例文→ポーズ→核になる単語をいくつか出てきた順に→最後の単語の後は短いポーズ→次の例文、という順に読まれる作りになっているので、まずは例文のシャドウイングに挑戦→キーワードをリピートし確認しながら例文をあたまのなかで準備→最後の短いポーズで、例文を一気に言う、というような使い方が賢いだろう。
高2は2コマを使って、名詞句、名詞節の例文の収拾と整理のシャトルラン。
1コマ目は、間接疑問のうち、open questionsに相当するwh-(S)+Vの名詞節と wh- to原形の名詞句。
今回の使用辞書は、各自の『ウィズダム』に加えて、学級文庫の『コアレックス』『ユースプログレッシブ』『ジーニアス』『ルミナス』『新グローバル』『ロングマン英和』の7冊がベース。さらに、旧版のOALDと『ケンブリッジ英英和』とLDAE。学級文庫から『表現のためのロイヤル英文法』(旺文社)を引っ張ってくる者も。『ロングマン英和』を入れてしまったので、次回からはLDCE(4版)も学級文庫に入れておこう。
苦手の生徒の中には、関係詞と間接疑問の名詞節の区別がついていない者もいるので、「四角化で視覚化」の図示を指示。Wh-でひとかたまりを確認して、それよりも前にさらに、四角で囲める名詞があれば、そのwh-は関係詞のはず、それ自体を四角で囲んで単独で名詞として働く、という部分を実感できるよう、目標20例文のシャトルラン。この段階で誤記する者もいるので、
- There are cases …と続いたら、普通は次のwh-語は、”where” じゃないか?でも、casesって品詞は?そう、これが四角で囲める語なんだから、四角のあとに続くこのwh-の固まりは名詞節ではなくて…。
などと机間指導。この生徒は『ジーニアス』の用例を引っ張ってきていたのだった。
自分自身の経験上、辛いのはこのあたりまで。20例文を各種の辞書や信頼の置ける教材から自力で(ここが大事)集めた後は、色々なところで出くわした英文がどのタイプなのか選択分類が可能となり、あとはやればやるほど「加速」する。その意味でも、教材に収録される英文はいいものであってくれないと困るのだ。
2コマ目は、名詞節として用いられる if の用例収拾。英和辞書では、名詞節という用語を用いていないものが多いので、用例を丁寧に見ないと全く見つけられないなどという羽目に。ここでも、教室の後ろの棚に辞書を7冊並べ、生徒は ”人山の黒だかり” よろしく例文を見つけては覚えて自分の席に戻ってノートに転記。
Ifから関連するwhetherへと進めて、副詞節か名詞節かという識別へ。自分でのアウトプットなら、名詞節で使いたい時はwhetherを用いて誤解を避けるのが無難なのだけれど、書かれたものを理解する時はそうは言っていられないので、用例をいくつか即興で拵えて板書。
- ifの節の固まりはどこまでなのか、を確認したら、それごと文頭に移動してみて、意味が通じるか、
- そのifの固まりの「最後に」 or not をつけてみて意味が通じるか、
という気休めを教えておきました。
名詞節でのifが共起する動詞の特徴や共通点を自分で見いだせるよう、例文を整理するよう指示。高校で扱う文法項目も12−20項目くらい。各自が担当大臣のつもりで、今日のような方法で文法項目を整理しておいて、あと高2は半年、高3の1学期までずれ込んでも1年、ずっと同じクラスで英語の勉強をするのだから、それぞれの担当大臣のノウハウを盗んだり、引き継いだりすることは十分可能なはず。教師主導のリスト網羅型の学習を揺すぶってあげられるのは教師だけなのだから。揺すぶるべき時は揺すぶって、ときどき既定路線から落としたり、こちらが落とされたり、という学びを実現したいものだ。
八木克正『世界に通用しない英語 あなたの教室英語、大丈夫?』(開拓社)から引く。
- 話しことばの発達だけですますことができるならば、文法の勉強はしなくてもすむかもしれません。しかし、書きことばになると、とたんに文法が意識されます。そう、英語の学習を話しことばを中心にやっていては本当の英語の力がつくわけがないのです。書いてはじめて文法意識が芽生えます。それは母語の場合も同じことです。文章を書くということは知的作業そのものなのです。(p.12)
- 日本で教える英語は何を目指すべきでしょうか。(中略)私は日本語なまりの英語で十分だと思います。ただ、教育は日本語なまりの英語を目指すべきではありません。日本語を母語とするわれわれは、いくら修練を重ねてもどうしようもなく日本語なまりの英語になります。しかしそれは結果であって、最初から目指すものではありません。(p.17)
この本は、後半の各論が単発な印象で、今時の高校教師はそんな英語を教えていないだろうと思う記述もあって、完全に納得のいくものではないのだが、著者の姿勢が表されているこの前半部分は、教師と言うよりは、マテリアルライターが読んでおくべきだと思った。とはいえ、『英語教育』や『英語青年』での論争は正直な話し、お互いの学会に乗り込んで直接やりあってくれ、という感じがします。
自分の英語のブラッシュアップ用に購入した、
今井邦彦・外池滋生『英語徹底口練!』(実務教育出版)
が届く。『ファンダメンタル音声学』が良かったので、その延長線上の練習帳を期待。リズムと子音連続など、耳のボトムアップ訓練といえばいいでしょうか。たとえていえば、「若いうちは、基礎代謝も高く、筋力も余裕があるので、英語を使うことで筋力の維持は可能だったのでしょうが、だんだん力業に頼ろうにも、その筋力自体が落ちてきますから、それを鍛え直すにはいいかな」という印象。ただ、今井先生の声が好きなだけなのかも。ちなみに、この出版社のシリーズで私が使っているのはこれだけです。
今日読了したのは、
細川英雄『考えるための日本語 実践編 総合活動型コミュニケーション能力育成のために』(明石書店)
pp.188からの「なぜ青写真は描けないか」は頷くことが多かった。柳瀬先生の今年の12冊に入っている、『変貌する言語教育』(くろしお出版)にも細川氏が著者で入っているので、こちらも読んでみたい。
フォーラムの準備で教材研究や授業がおろそかにならないよう、早寝早起き。生徒の日誌ではかならず「入浴」が十分かどうかを見るのだが、自分が一番湯船に浸かれていない。なんとか足湯だけでも。
本日のBGM: Pay for what you get (Dave Matthews)