the difference between

本業でバタバタしていたので、更新がままならぬ状況でした。
高1は、『短単』の対面リピートでwarm-up。男女のペアを作ることに抵抗感を持たせないのが一苦労。例文は1234、3456、5678、78910と重ね縫いをしたら、一気に1-10までを復習するという手順を導入&解説。スラスラ言えるものをスラスラ書けるようにするまでにはかなりのトレーニングが必要。中学校で英検の準2級を持っている生徒もいるので、なかなか活気があってよろしい。
本題は全国縦断公立高校入試リスニング問題制覇の旅。スタートは北海道から。例によってモノローグの出題に絞って、聴き取りテスト。表面に問題を、裏面に天地逆でスクリプトを印刷、二つ折りで紙ホチキス。
問題を解いて、解答を決めさせた後で、質問の英文のリピーティング。リピートできるようにしてから、再度答えの吟味。紙ホチキスを解いてスクリプトを見ながら英文を聴き、答えの確認。続いて重ね読み。上手く読めない語句を確認して、音声に注意して再度リスニング。動名詞、不定詞が多く含まれた英文なので、重要文法事項、表現を解説。四角化で視覚化、動詞の前でとじかっこ、のトレーニングを経て音読へ。Chorus repeatで重要語の発音を仕込んでからbackward build-up。要所要所でread & look up。最後は個人最速読み。次回は、倫太郎さん作成の名詞句の固まりのドリルから前置詞句のドリルまで。
高3は、ガンガン読み進めたいところではあるが、有名進学校のように高1高2で語彙と文法が終わっているわけではないので、読みながら語彙と文法の徹底を図れるように、目の付け所を磨き続ける。
either/ neither/ both の解説。Eitherでは、「今はよく分からなくても良いから、とにかく、気をつけなきゃいけない語だなと出てくるたびに気にしておきなさい。」と強調。(過去ログ参照 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20050202
前回忘れていた way の副詞の用法。名詞wayの意味を「道」→「道のり」「距離」→「隔たり」と展開。後付の説明でお茶を濁す。
measureの類義語の仕込み(weigh; size (up); gauge/ evaluate; judge; assess/ appraise)は重要度に差をつけて。
of +抽象名詞=形容詞に時間を割いた。とくに -lessの意味の幅(過去ログ参照 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20050617)に注意して板書で整理。Pricelessとcountlessを示して、語形成上の注意点を喚起し、value → valuable/ valueless/ invaluableという派生語の解説。最後には、基本の2000-3000語を身につけないと、今日のこの授業もvaluelessだね、とオチ。
問題は高2。会話必須表現からディクテーション4題、和文英訳1題でreviewから。厳しい。会話必須表現の音読を練習しているようなのだが、肝心な単語の理解が怪しいくせに、辞書を引いていないなどというていたらく。必須表現なのだから、だいたい、ではダメなのだ。自分にその表現が使いこなせるというレベルをイメージできていないと言うことだろうか。
教科書の英文では、まず、backward buid-upで難儀。高1に比べれば長いとはいえ、難易度の高い語は殆ど出てこないので意味が取れたら、構文に集中すればよいのだ。一つのパートの中から、3文を選らんで、ラストセンテンスディクテーション。I noticed the difference between the vibrations. が書き取れないのは困った。A of Bは「BのA」、で a book on the deskを逆には理解せんだろ?では、 A about B 「BについてのA」だから、 「日本についての本」は(X)Japan about a bookではなく、(○) a book about Japanとなる。じゃあ、A between B and Cまたは、A between D (それ自体が複数) は「BとCの間のA」「Dの間のA」となるから、「振動の間の違い」は the difference between the vibrations。ということから説き起こす。
<主語 + seemed to have –ed/en形>と<happen to原形>は、先週の内に『フォレスト』の解説を読ませているのだが、疑問点を準備していないので、授業の解説もまったく活用できていない。どうしたものか。大村はまでも読んで初心に返るか。
ホームルームでは、「読書」の見直しから。好きな本ばかりを読んで、肝心の勉強をしない生徒もいるので、『高ため三部作』(筑摩書房)の編者でもある、服部左右一氏の実践、「私のアンソロジー」を追試。現在、教室の後ろの棚に私の私物の本をどんどん置いているのだが、その本を読んでノートを作る、というだけの活動。この学級文庫には、『高ため三部作』はもちろん、中学英語の再入門書、英語に関するQ&Asの類の本、副読本的な簡単な英語での読み物も含まれる。

  • 『私の百人一首』(白州正子著)、『百人一首物語』(武者小路実篤監修)など古文への誘い
  • 『あたらしい教科書 3 ことば』、『ことばが劈(ひら)かれるとき』(竹内敏晴著)など言葉そのものへの意識の喚起
  • 『加島祥造が詩でよむ漢詩Chinese Poems陶淵明から袁枚まで』など漢文への斬新なアプローチ
  • 『15』のように、簡単な言葉(この場合は英語)で表される豊かな感性

などなど、セレクションは完全に私の趣味である。変わり種としては、採用見本などで学校に送られてきた各社の国語科の教科書を国語科の先生に譲って頂き、見繕って10冊ほど置いてある。アンソロジー作りには、著者紹介、導入のリード文や解説、短めの本文が揃っている検定教科書は格好の素材なのである。一週間に一ネタペースで作業開始。続けてみてまたレポートします。

本日のBGM: Mindreader (Chris von Sneidern)