「愛だろ、愛」

今日は進学クラスのみの日。高1は、動名詞の復習。avoid, escape, can’t help, feel likeの例文確認と音読。
イメージや語義、さらに使用場面のピンと来ないcan’t helpをしつこく補充。

  • I couldn’t help laughing at the guest when he made a speech with his fly wide open at the best part of the graduation ceremony.
  • He couldn’t help accepting her offer.

の二つのうち、状況を全て一文に押し込んだ長い方は、今ひとつ実感が持てないのに対し、短い方は、彼が「カツオ」で彼女が「はなざわさん」と言っただけですぐに腑に落ちた模様。オーラルイントロダクションの落とし穴か。
板書では、helpのイメージを図解。今日の絵はとても上手く描けた。携帯のカメラででも撮っておきたかったくらい。休み時間に、シンクロの伊村コーチの話を読んでいて、

  • 「仕方がない」という言葉は指導の場面で一度も使ったことがない。

と言っていたのが頭にあったのが良かったのかも。
後半は、動名詞の固まりを認識し、動詞との共起によって表に出てくる「これまでの経験」「当面の現実」「回避・消極性」といった要素を抽出。
続いて、Schulzのピーナツのシリーズで復刊となった、子供が文法を覚えるシリーズのミニ絵本を使った活動。

  • love
  • happiness
  • security

のそれぞれの定義文が一枚の絵と見開きで載っているので、それを約30文机の上に並べておく。

  • Love is walking hand in hand.
  • Happiness is having a special song.
  • Security is coming home from a vacation.

などという例文がたくさん出てくるわけである。短いのもあれば、長いのもある。それらを5分くらいで眺めて回り、自分で一番しっくりくる文をそれぞれひとつ覚えて帰ってくるという活動。
次回は、それぞれの英文を吟味し、自分のオリジナル定義にとり組む予定。

高2オーラルは、ディスカッション・カードのその2を配布。「この学校はカリキュラムにライティングがないのだが、英語力が最も伸びるのはライティングの授業。カリキュラムにないなら、既存の科目でいかにライティング活動を取り入れるかが鍵」と説いて、GTECの話を。GTECを活用している高校の例として香住丘の直近のGTECのスコア、ライティング部門のスコア、そしてTOEICのスコアを知らせると皆一様におどろいていた。残りの時間で教科書のSound Practiceを淡々とこなす。

高3のセンター対策は、un-, in-の接頭辞の働きを整理。

  • fair ←→ unfair
  • balance ←→ imbalance

など、明らかに正対するものは問題ないのだが、valueの派生語で、

  • valueless ←→ valuable < invaluable

というような語形成には注意が必要であることを説く。
図表読解は、フェアトレードのコーヒーに関する素材文と折れ線グラフ。
グラフの凡例を読み取る際に、目盛りの単位に留意することを確認。問題自体は、大したことはなく瞬殺に近いレベル。ただ、基本の語彙がまだまだ甘い。本文でのThey are at the mercy of their agents and exploited. を単純に言い換えてあるだけなのだが、選択肢のtake advantage of も受け身で出てくると、すぐに反応できないようでは語法問題でも躓く可能性大。このあたりが、英語で突き抜けられない要因でもあるのだろう。
以前の勤務校で、難関大志望の生徒を対象として補習していたときには、 at the mercy of とか at the cost of など訳語で分かったつもりになりがちな語句をしつこく実例で補足していたのを思い出した。
10分ほど残ったので、文末の分詞構文の用例集を配布。以下のような用例を抜き出して示したもの。

  • Western civilization, which emphasizes individualism, has often destroyed the social nature of learning, creating instead learning environments that disconnect people from each other. (長崎大)
  • Even the ordinary lifetime often seems too much for human memory to hold or recall, and if decades were added, the long middle years of a life might be substantially forgotten, leaving only dim memories of childhood and recent events. (鳥取大)
  • Some people think that the human body is no better than a machine, eventually wearing out. However, it may be possible in the future to regenerate heart tissue, and grow a new heart, thus replacing damaged body parts by using an individual’s own natural cell structures.(自治医大)
  • At any given moment, we may note only one aspect of a current flow of information, depending on our view of ourselves, our attention, and our emotional state in a specific situation.(岡山大)
  • I grew up to be an uneasy, angry teenager, wanting what I was told I couldn’t have --- a career and social status --- but also trying to become what was against my nature, a good and obedient daughter.(九州大)

入試問題ばかりでは味気ないので、ジャーナリスティックな文章で頻出の例として、テニスのソニー・エリクソンWTAツアーの記事から抜粋してハンドアウトに。杉山愛も現在WTAダブルスランキング8位、獲得賞金ランキングでは22位であり、高い評価で取り上げられていた。最終戦でもうひと花咲かせて欲しいものだ。それにしても、賞金ランキング1位のエナンは、シングルスのみで436万ドル、2位のセリーナ・ウィリアムスはS,W両方で206万ドル、混合にも出ている杉山が61万ドル。シングルス世界チャンピオンのステイタスが分かろうというものだ。
この3年のクラスにはテニスではないがインターハイに出場している生徒もいるので、日本のスポーツメディアの抱えた問題点なども指摘しておいた。スポーツ文化を担う次世代に期待しよう。
放課後は、本業で湖へ。快晴でも、やはり5時半には上げないと急に闇に包まれる。正味1時間なら、往復の1時間を考えてもエルゴを漕いでいた方が負荷はかけられるのだが、今月は6000mの1Xトライアルなので、1X乗艇が優先。朝練でエルゴをガンガン引いてもらいましょう。
カタマランのステアリングが今ひとつなのが気になるところ。水位がまた減ったので帰艇でいちばん大変なのは私。入江からはエンジンを切ってパドルを使うか?
車を運転していると先日podcastingで聴いたClare Bowditchの即興『掃除機の歌』がときどき頭の中に甦ってきて鼻歌に。この歌、ジム・オルークのようなミニマリズムではないが、♪Vacuum cleaner, vacuum cleaner♪と繰り返してきて、最後にとどろく低音の “hot water bottle” に脈絡が全くなく唐突でご愛嬌。これが子供の頃、最初にテープに録音した自作曲というのだから、世に出る人はわからないものだ。
夕飯は鍋。
夜は結構冷えるようになってきた。これからは湯湯婆の出番も増えてくることだろう。
明日も朝から本業。手袋を準備して寝る。

本日のBGM: For the boys ... [album version](永瀬正敏)