”writing活動栄え、「ライティング」滅ぶ”

週末は本業。土曜日は乗艇練習。風邪を引いたとかで練習を休む者が出てきた。先が知れている。なんと初めて乗艇する部員が一人いて、主将との2Xに乗艇させ放牧させることに。2X用に新オールを購入したので、それを試用。スリーブのメンテナンスが気になるけれど、重いのでバランスは取りやすいだろう。もう一人1Xに初めて乗る者は、レーンに入った所であっという間に沈。1Xは基本的にデッキスペースが小さいから、排水するまでもないので、そのまま回復させようかと思ってモーターから指示を出していたのだが、返した艇に乗り込もうにもなんと自分の体重を胸まで支えられないのだった。おいおい、という感じ。プールからだってあがれないだろそれじゃ!仕方なく、モーターで救助し、船台近くで再度乗艇させ、放牧。その間に、大学生の練習を見る。午後も同様の組み合わせ。午後は放牧の間、大学生の4+を中心に見る。両舷での腕漕ぎで水をかき回さないで艇を動かせるか?加速させてリリースの局面では自分が艇に与えたスピードでハンズが出るか?ではシートを後ろ10cmだけつけた状態では?1/4スライドでは?1/2では?3/4では?フルでは?とスピードを拾えるかをやってもらった。艇のスピードを上げなければいけないのに、レンジが伸びると自分のボディをゆるめて「尺をつぶして」単位時間を短くすることで艇速に対応しようとしている。それは「錯覚」。いい仕事をすればするほど最後まできついのですが、きつさ、重さを求めるのは本末転倒。あくまでも、どのレンジでも加速し続けることで最大のスピードを得ることが目的です。でもクルー自身少しやるべきことが見えてきたかなという感じ。この感じで毎回16kmくらい漕ぎ続けてくれれば、いいとこ行けるのではないでしょうか?などと思いながら、「さて放牧組はどうしたかな?」と見ると、2Xは両舷ですいすい漕いでいるではないですか。本人も初めて乗艇した割にはいいんじゃない?などと感じていたのでしょう、調子に乗って練習の最後に一番奥で艇を返す所で沈。ここで沈したら運ぶの大変なんだよなぁ。船台近くまで艇を引っ張ってその後は泳がせて岸に着けさせました。おかげで、帰りが1時間ほど遅れました。日曜は自主練でエルゴの日。修理部品も来たので、またガンガン漕げるでしょう。
期末テストはというと採点も無事終了し、週明け本日から平常授業。とはいえ、担当の全てのクラスに授業が入るわけではないので、生徒も教員もモーティべーション維持はけっこう大変です。今日の3年生、1年生はテスト返却で終わり。1限に学校案内のパンフレット用の写真撮影が入っていたのを忘れていた。H先生にブレザーを借りて急場を凌ぐ。放課後でとりあえず教科の成績処理は一段落。
長い学年会議を終え帰宅。夏のELEC協議会の夏期研修会に向けて、少しずつ資料整理。なんと言っても、引っ越しで段ボールに詰め込んだ英語教育関係の資料がまだ一室に山積み状態なのだ。
1995年の資料を発見。この当時の勤務校は英語に特化したカリキュラムのある学校。ALTの数も多く、教科書は使うものの、TTの特色を生かし完全に私のオリジナルシラバスでライティングを教えていた。パートナーだったALTからの年度末総括を読み返してみる。12年前で自分がこれだけのことをできていたのはALTを含めJTEも同僚に恵まれていたおかげだと実感。

  • I have enjoyed team teaching with you, and while it is my first experience with this approach, I have come to understand its value. I believe that bridging languages as different as English and Japanese requires a person knowledgeable in the grammar, use and structure of both languages. The professional staff of Japanese teachers provides this background. On the other hand, I have tried to provide the nuance, feel, and cultural insights that can lead to true fluency. The students in this high school have studied English and understand English grammar, but like any non-native speaker, they need the additional instruction and practice the team system provides. / I believe the approach you used was successful. The exercises that we used through the year provided a balance of speaking and writing. The students got an opportunity to speak as individuals and work as a team. You selected topics of interest to the students and exercises that systematically reinforced the day’s lessons. This combination enabled the students to build toward a final product that represented their best which helped build student confidence in their use of the language. The strong emphasis on writing resulted in growth throughout the year. I look forward to seeing the students continue to develop next year.

ここでの経験が、自分のライティングシラバスを確立するのに大きな役割を果たしている。この翌年、新たな学校で今に繋がる Narrative -Descriptive - Persuasive のシラバスができあがったのだが、その時にも、ALTを説得・納得、あるいは啓蒙できた背景には、この95年当時の「経験」が自信となっていたことがあげられる。先日のブログで書いた「自分の足跡の中からみつける再現するべきアイデアや小技」のひとつと考えてもらっていいだろう。「作文の教師」を標榜している手前、このブログの過去ログを見れば、私のライティングの授業でどんな活動・課題をやっているかはすぐ分かるし、Amazonの書評やリストマニアでもライティングに関わる書籍には詳しく言及している。が、しかし、その情報がもし魅力的に映るようなことがあったとしても、ただ情報を掬っただけではその手元の水に同じ月が移るとは限らないので注意が必要だ。
自分の好きなアーチストのアルバムでも、1曲気に入った曲があればいい方で、新たなアーチストを開拓しようと思うのなら、どれだけのはずれくじを引かなければならないか…などとすぐ比喩に逃げるのは私の悪い癖。
来年度採択用の高校ライティング教科書がおしなべて「文法シラバス回帰」であることを見るにつけ、「writing活動栄え、『ライティング』滅ぶ」という危惧が現実のものとなりつつある気がしている。高校教師は、中学校で行われている充実したwriting活動の現実をしっかりと理解し、「今の中学校はコミュニカティブな指導が主流で文法がまったく身に付いていない」という思いこみを捨て、自分の都道府県以外の全国の高校入試でのライティング問題、さらにはGTECや英検2級でのイラスト描写問題などで要求される「英語力」を吟味すべきだろう。
繰り返し言うが、「生徒は文法が身に付いていない」といいながら高校の1年から3年までいつまでも文法の指導をしているのに生徒の文法力をつけられない英語教師は自らの指導法、さらには自らが依って立つ文法観をこそ疑うべきである。
本日のBGM: I love the things you know I don’t know ( Nick Heyward )