中秋の名月

SELHi、英語科・国際科などの投げ込み教材に、また東大リスニング対策に面白い教材(?)を紹介。
Living On Earthの特集記事で、

  • ADHDの原因として、妊娠時の喫煙や、家庭の壁のペンキに含まれる鉛があげられている

というレポートです。約1100語で、約6分50秒です。番組のホスト1名に専門家のゲストスピーカーが2名、3名とも男性ですのでリスニングの集中力を養うには丁度いいと思います。『東大特講リスニング』(ベネッセ)のポイント特講で示したように、「講義」にはある程度決まった話形がありますが、実際の講義が行われる時間は数十分。それに対して、いかに東大といえども、せいぜい5分から7分です。ですから、教材として与えられる「講義」は実際の講義とは似ているけれども、圧縮・抽出された「相似形」とでもいえるものであり、講義「型」と言うべきものです。実物の講義をどこかで区切ってリスニングのトレーニングで使うのは難しいのですが、狙いとしては一定のパターンで展開していく講義の主題を踏まえて聴きとることができればいいわけですから、このLOEのようなホストとゲストの間のやりとりが行われる「テーマ詳述型」のリスニングを活用してはどうですか、という提案です。ちなみに私はスクリプトを見る前に、通勤時にシャドウイングをして、内容と表現に当たりをつけ、しどろもどろになったところを中心にスクリプトを確認、そのあとオーバーラッピングなどをしています。
スクリプトも音源も無料でダウンロードできます。
(スクリプトは、言い淀みや訂正の部分は修正してきれいな発話にしてあります)
スクリプト

音源(MP3)

当然の事ながらクラスにADHDの生徒(と思しき生徒)がいる場合は教材として用いるのは慎重に。(私が授業ではじめてこの話題を取り上げたのは、米国の少女(?)雑誌 "Seventeen" の1995年1月号の記事 Girls with ADDだった。あれから11年も経ったのだなぁ…。)
今週も高校の授業終了。
高3ライティングは、遅れているクラスもなんとか「福袋」設定課題の提示までは追いついた。
Describing Things Japaneseのワークシートを用いて、聞き取りによる穴埋めと、個人音読、ペアリピーティング、音読筆写まで。適宜パラフレーズを交え、音読が呪文にならないように気をつける。進んでいる方のクラスは、七五三モデル文まで進んだ。CUBINGの各観点がどのように活かされているかを分析した後で、繰り返し音読。50-80語の英文の暗誦。私の授業では、ペアで向かい合って一人が顎の下で紙を持ち、向かいの相手が英文を読み上げ、紙を持っている方は見ないでリピートという練習を定番の練習方法にしているのだが、これはなかなか大変。ということで、2つペアを変えて練習した後で、黒板に3つほど質問文を書いて、ヒントとした。Q&Aをつなげていけば、ほぼ暗誦すべき英文を復元できる、と言う思惑である。
高2はPrettiest Eyesのコメント集が明け方完成したので、発音練習と合唱とペアワークをメインに。
英詩の暗誦を通じて、生徒個々の発音発声の長所短所がよりはっきり認識できたので、片方のクラスは細かい発音練習から合唱、もう片方のクラスはいきなり歌わせた。CDの調子が悪く、ヒップホップのような展開になり、失笑。いきなり歌わせたクラスは、まず歌ってみた後で、個人練習の時間を与え、机間巡視。その後、40人全員が起立して、一人一行読み。どこかで誰かが言いよどんだり、言い間違えたりしたら、歌詞のはじめからやり直し。1学期にやってから、随分久々にやることになる。案の定、3列目に入る前に、振り出しに。結構緊張するんですよ、これが。2回目、かなり良いペース、テンポで進み、折り返しでいよいよ最後の行に!というところで、 frownの発音ミス。クラス中がどよめくなか、本人はキョトン。完全にそれまでのペア読みでもペアがチェック出来ていなくて、私の机間巡視の時もその部分は聞いていませんでした。申し訳ない。3度目の正直で完遂。興奮さめやらぬうちに合唱へ。
合唱が終わったら、コメント集配布。今回のタスクは

  • What are the best and the worst thing about aging?

この話題で対話が続くように、コメント集のハンドアウトの英語表現を早読み。今回はThe Beautiful SouthのWikiでの解説や、カスタマーレビューなどの英文も抜粋されているので、何が役に立つか、とにかく読まなければ分からないようになっています。
まずは、1曲流す4分間で準備。その後、ペアを決めてお互いに2分間でできるだけ自分の考えを述べる。2分後、新たなペアを組み、同じ話をより適切に、より正確に。さらに2分後、新しいペアで。3ラウンド終了後、自分の席に戻り、コメント集の最後についている大きな空欄に、webbing/ clusteringをしながら語彙の整理。自分がうまく言えなかったものは、週末で辞書を確認。自分がペアを組んだ相手の生徒がうまく使っていた表現は、「いただき」ましょう、という趣旨。その後、グループ課題の続きに進むのだが、残り時間が5分しかなかったクラスの方は、語彙の整理で仕切直しが出来た段階で、さらに新しいペアと意見交換をやって終了にした。
この活動は、歌をどう活かすかということを考えた末たどり着いたものだが、高校生レベルでの「チャット」の活動とでも言えばいいだろうか。少しずつ形が出来てきたと思う。
週末は本業イベント。天気が心配だなぁ。風邪引きそう…。
先日提出した原稿の部分修正とELECの大会要項分の原稿執筆があるので、連休も休めそうにありません。

本日のBGM: 何日君再来(テレサ・テン)