「泳ぎ疲れたら 君はそれまでさ」

強行スケジュールで疲労の色が濃いのに、こういうときに限って本が読みたくなる。
夕べは寝る前に、青山南の『短編小説のアメリカ52講』平凡社ライブラリー(2006年)を『アメリカ短編小説興亡史』(筑摩書房)と比較してみた。脚注の部分を本文に組み込んだだけではなく、要所要所ことばの選択、言い回しまで新しく書いているのにびっくり。索引も付いたので、これは皆さん買いですよ。
高3ライティングは、行事の代休もはさみ、『はじめての…』の余波も落ち着いた頃。今日は『パックン英検』から数題。女優の釈由美子に負けないように解答してもらった。逆引きからも数題。動物の説明で、名詞の後にable; unableで絞っていくポイントを指摘。ペンギンやダチョウでの応用を促した。解答確認後はメモを見ずにリピーティング。ウォームアップが終わったところで、Describing Things Japanese の中文から、「血液型占い」の書き取り。分詞の後置修飾など要点を確認。次回は、七五三の例題を踏まえて、いよいよ恒例の「福袋」に!ベネッセの『GTEC Writing Training』では、良くない例と改善例との二つを提示して比較検討できるようにしているのだが、教室ではよくない例のみを示し、実際にcubingとdescriptive passageのドラフトにかかる予定。
高2は、月をまたいでしまったが9月の歌の歌詞確定。ようやく、主題も把握でき、ことばのもつ奥行きを感じるところまで来たのだなぁ。今時の高校生とはいえ、普段自分たちが聞いている歌の話形ではなくとも、ちゃんと受け止める感性は持っているのですね。以下、若干紹介(英語の間違いがあってもママ)。

  • 歳をとることにマイナスのイメージを持っていないのでメロディーも明るく感じた。私も歳をとって老人になった時、このようにお互いを思って明るく生活したいと思った。
  • 色々なことを二人で乗り超えて幸せになった夫婦のおだやかさが、詩やメロディー、声など曲全体にあらわれていると思う。It seems that the husband really loves his wife.
  • 老夫婦の歌だと知って驚いた。まさか”Line”がしわを表しているなんて考えもしなかったし、二人が昔を思い出しお互い老けたことを好ましいイメージで歌っているなんて思いもしなかった。歌ってすごくおもしろいなぁと思った!!
  • It was interesting that a simple word like “line” had three different meanings. I thought this song was lovely because it makes you feel happy to get older.
  • I realized that the ‘lines’ symbolize the crow’s feet of the grandmother’s eyes. As the lines increase, the number of years they spent increases as well. I also assumed ‘children’ was addressing the general public, but it turns out they were addressing their own children. Now that I know this new information, I feel more close to the singer.

歌の残り時間で、片方のクラスは、Grace Nicholsの文章に関するグループワークの続きを、もう片方のクラスはDylan Thomasの文章に関するグループワークの続きを。どちらもパラフレーズとサマリー。フィードバックを与えやり直しさせる。まだまだだな。次回は入れ替えてさらに続きを。
中間テストも近づいてきたので、10月の歌も考えないと。今回は英国だったので、英国つながりで思い切ってMike Scottでもやってみるかな。
午後帰宅の電車の中で、勤務校の研究図書で入れてもらった、山岡實(2005年)『語りの記号論 日英比較物語文分析 増補版』(松柏社)に目を通す。ちょっと思っていたのとは異なる理論ではあったが、ナラトロジーに対する考察を深めるには有益だろう。もっと小中高の授業よりのものでは、松本修(2006年)『文学と読みと交流のナラトロジー』(東洋館出版社)といういかにもなタイトルの本が今年でたばかりだが、英語教育の視点でこの分野を概説したものはあまりないのではないだろうか?専門の方がいましたらご教示下さい。
明日はライティングの日。
本日のBGM: 「真夜中のドライブイン」高橋徹也(1996年)