Hello, Goodbye

久々の更新。週末は土曜日に本業。朝4:30から夜8:00まで。帰宅後、日曜日まで原稿執筆。月曜日は7:35羽田発の便で往路、帰路は新幹線で原稿の仕上げ。文化祭代休で今日までお休みなのが幸い。来期の去就もようやくまとまる。安心すべきなのだろうが、これからが山あり、更なる山あり…。
懸案の原稿を一件入稿。こちらはほっとした。あらためて勉強になったので引き受けて良かったと思う。編集サイドの評価はどうだろうか?さあ、まだ別件が3件残っています。大丈夫か、私…。
ゆうべ再放送で見た『英語でしゃべらナイト』はジョン・カビラお別れスペシャル。次週からはクリス・ペプラーとのこと。
番組では現在チェコで活躍中、アイスホッケーの坂田淳二選手を取り上げていた。6カ国語を使う坂田氏。彼の覚え方はシンプルだが、徹底している。文法より単語を覚える。チームメイトとの会話もICレコーダーで録音し、後で音を繰り返し聞いて、まずカタカナで書き取り、辞書を頼りに正しい発音を覚え、どんどん使う。プロフェッショナルである。
さて、新文部科学大臣の「美しい日本語」発言はかなりの波紋を引き起こしているようだ。以前、このブログでも書いた(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060217)が、「日本語が出来る」というときの基準は難しいのである。たとえば、漢字の読み書き。次の日本語はなんと読むか?

  • 阿る
  • 尸位素餐
  • 痴がましい
  • 這々の体
  • 耆宿

これらの漢字を、以下の間違った読み方で読んでいる人は、どうやったら正しい読みを学ぶことが出来るのだろうか?漢和辞典をすぐ引くような人なら、既にかなり漢字が読めるようになっていると思うのだ。

  • ある
  • しゃくいそしょく
  • ちがましい
  • はいはいのてい
  • ろうしゅく

これらの誤読はすべて、『ウソ読みで引ける難読語辞典』篠崎晃一監修(小学館、2006年)の索引からとったもの。この辞書は大学生に誤読の可能性をモニターしてもらって作成しているとのことである。教師としては、それぞれの語彙のエントリーに、誤読のパターンをつけてくれるとおもしろかったのだが、一般の使用者はとにかく、正しい読みと意味・用法が知りたいわけだから、これで十分なのだろう。
このような「難読語」の読み方に特化した辞書が出てくると、日本人の日本語運用能力が著しく低下していると論じたがる人も出てくるだろうが、これらの難読語が正しく読めない人の中には、漢字を与えられたから、「ウソ読み」をしてしまった人もいるとは考えられないだろうか。正しい読みを音で聞いたときに、意味・用法が分かる人、自分もその語を使っている人も少なくないはずである。
翻って、英語教育。
小学校での英語教育必修化では、音声を中心とした授業になるだろう。音声でのやりとりからことばを覚えるためには、どのくらいの時間が必要なのか?坂田選手は、プロとしての必要があるからチェコ語も習得できた。教室での現実の使用場面はいかに?
さらには、文字の導入、読字指導、書写指導に関して、本当に慎重な検討がなされているとは思えない。
何をもって「小学生のうちに身につけさせておきたい英語力」とするのか、専門家の責任は依然として重い。

mixiのzokkonさんのページで小西友七氏の訃報を知る。

本日のBGM: Sleep of the just (Elvis Costello)