モノ書けば懐寒し入り彼岸

K先生のお誘いで、某予備校の東大入試分析会なるものに参加。データの説明は後付けの理屈みたいでよくわからない。教科別の入試問題分析は、担当講師が二人。メインの講師の話は今ひとつ深みに欠けるもの。東大の英語で差が付くと思われるリスニングの分析も、ライティングの分析も甘甘。特に再現答案をもとにしたライティングの採点がちょっとお粗末だった。余録のような位置づけで最後をまとめた講師の方が「予備校行くなら、こういう人の話を聞かないとなぁ」と思わせる内容で良かったです。その後の情報交換会では、全国の「やっぱり、みんな東大でしょ」という高校から「めざせ東大!!」という高校まで各教科の先生が話に花を咲かせていましたとさ。いやーっ、疲れた。
語研の春期講習会用ハンドアウト集、印刷とホチキス止めが面倒になって、結局コピーセンターに頼んだ。中野サンプラザまで持って行くことを考えると重たいのは嫌なので両面コピーで。ページ当たり1.3倍のコスト。完成したのは良いんだけど、講師謝礼から足が出てしまいました。ガックリ…。
今日は、高校入試英語問題第二弾。
東京都立八王子東高校の出題を取り上げる。(pdfファイルはこちら→ http://www.tnet.metro.tokyo.jp/~T067/06nyuushi/18eigo-all.pdf )
例によって、大問の2は対話文形式。ただ設定がちょっと面倒。「授業の中でビデオを見てその後クラスでディスカッションする」というのを長々と読ませるもの。リスニングでやればいいのにねえ。状況設定のト書き部分43語の中で既に注が4つもついてしまっている。対話の後半、ビデオ視聴から、クラスでのディスカッションになったと思しき部分でのやりとりが以下の対話。

  • 先生:So, any comments? Yes, Jessica.
  • 生徒:I think people in the story are tied to the clock.
  • 先生:Tied to the clock? What do you mean?
  • 生徒:Well, they worry about being on time.

この対話、自然に聞こえますか?
注の付いている語はなんだと思いますか?
comment「意見」、be tied to ...「…にしばられている」、on time「時間通りに」
この注の付き方に違和感を感じませんか?
Tied to the clockの意味は、問い返しを受けて明らかにされるのだから、そのあとの言い換えがわかれば注は不要でしょう。そこに注をつけたら、原文で言い換える必然性がなくなっちゃうもの。ところが、言い換えて説明している語句にさらに注が付いている。注をつけましたという既成事実が必要だということでしょうか?
今回最も感心しないのは、問9。
日本人生徒と思しきYukiがどっちつかずの感想を述べるのに業を煮やしたBenが、Oh, Yuki, what is your opinion? と問いつめるわけだが、その質問の意図を問うもの。
正解は ゥ.Ben wants to know Yuki's opinion.

この設問では、この英文一文が理解できていることを問いたかったのか、それとも文脈を把握した上で対話を理解していることを問いたかったのか?
出題者は「内容理解を見たかった」とでも言うつもりだろうか?
関係者の「ご意見」を聞きたいものです。