「ひめさまー」はひらがなだったのか!

明日からいよいよ本業のメインイベントが始まりますので、しばらく更新が滞ります。ご容赦を。
先日の英授研の全国大会で立命館大学の山岡先生にライティングの実践例を紹介し、「大学入試を敵視するのでも隷属するのでもなく、いかに教室で英語力の養成に活かすか」という趣旨を伝えた。基本は、『英語青年』4月号での拙稿、6月の英授研の関東支部月例会での発表、先月の博多イベントでのスタンスと同じ。
11月5日のELEC同友会英語教育学会の全国大会では、久々に私がメインで「大学入試のライティング問題」を扱います。紋切り型の入試批判には興味がないので、できれば教師一人一人が入試問題を「批評」できる視点を提供し、最終的に生徒と教師の「知」となるように「料理」しましょう、というのが底流。
「『カリスマ講師が、鮮やかに入試問題を解く!』という宣伝文句に弱い生徒のお受験マインド」をいかに揺すぶるか、高校教師の大学入試に対する隷属感をいかに軽減するか、全国の高校英語授業を支えている非常勤講師をいかに勇気づけるか、などやりたいことは山ほどあるのだが、「授業でも、研究発表でも、迷ったら少な目に」(by 久保野りえ)というつもりで準備しております。
近所の図書館で『永井一郎の「朗読のヒント」』(ふきのとう書房;1999年)を借りてきた。これはおもしろいですよ。永井一郎さんは声優の大ベテラン。『サザエさん』の磯野波平、『機動戦士ガンダム』の落ち着いたナレーション、『YAWARA!』の猪熊滋悟郎、そして『風の谷のナウシカ』のミトなど、世代を超えて親しまれている声の持ち主である。途中のコラムで「ひめさまー」という一つのセリフへのこだわりが書いてありプロのプロたる所以を垣間見た。
このブログでこれまでに言及してきた、竹内敏晴、近江誠、荒木茂、鴻上尚史などの本に加え、音読指導の徹底を志す若手の英語教師には是非読んでもらいたい一冊である。