「揺すぶり読み」に揺すぶられた午後

お昼を挟んで、英語ライティングに関わる企画の打ち合わせ。また忙しくなりそうだが、これまで私が研究・実践してきたノウハウは一般の書籍では教材化しにくいので具体化していくには良い契機かなと思う。自分のアイデアをもっと鮮明にして、骨太にしておいてから肉付けしていくことが必要。大いなる夏の宿題ですね。
無性に鶴見俊輔がよみたくなり、帰りがけに本探し。
小学生が遠足のおやつ購入予算を厳守するくらいの心構えで書店に入ったのだが、結局お目当てのもの以外にも買ってしまった。意志薄弱。財布軽薄。リストは以下に。

鈴木主税編『私の翻訳図書館』河出書房新社(1996年)
安西均著『やさしい詩学 詩をよむために 書くために』現代教養文庫 社会思想社(1971年)
足立巻一、鶴見俊輔、多田道太郎他著『まげもののぞき眼鏡 大衆文学の世界』旺文社文庫(1981年)
森本哲郎著『日本語表と裏』新潮文庫(1988年)
長田弘、鶴見俊輔、なだいなだ、山田慶児著『歳時記考』岩波同時代ライブラリー(1997年)
石原千秋著『「こころ」 大人になれなかった先生』みすず書房(2005年)
W.S. モーム『月と6ペンス』岩波文庫(2005年;行方昭夫による新訳版)

一度に買い込んだので帰り道、肩が痛かった。鞄が重いなあ、と思ったら出がけに既に鞄に本を入れていたのだった。Rod EllisのSLA Research and Language Teaching, Oxford Univ. Press (1997)を帰りの電車で読み、 Options in grammar teaching (pp.77-95)を反芻。
帰宅して、『歳時記考』を読む。この対談集のどこかに「棒読み」と「揺すぶり読み」の話があったはずだと思いながら結局見つからず。書棚に収めたときに、その横に目に付いた『未来におきたいもの 鶴見俊輔対談集』晶文社(2002年)の冒頭をパラパラとめくると、そこにありました。「『揺すぶり読み』の力」。大江健三郎との対談でした。本の買い物なんてこんなものですよね。同じものを二冊買ったわけではないので良しとしよう。