Sustainable Energy and Life Hazard Index?

ビッグサイトまで、SELHi(スーパーイングリッシュランゲージハイスクール)のフォーラムに行ってきました。
「SELHi、いろいろ、成果もいろいろ。4月からは、今までの予算もつかないの…。」と茶化している場合ではない。
今回は、第一期指定校の成果報告会。決して、志願者向けの学校説明会ではないのである。そこのところを主催者の文科省はきちんとdirectするべし。予算・決算といった収支報告はなし。年間350万から200万と査定と指導に基づき予算が付いているわけで、私立、公立問わず、税金が使われているのであるから、一般納税者としてもきちんとしたレポートが欲しかった。こういった、コストやマネジメントの事柄は、後発のSELHi希望校だけではなく、SELHiの成果を取り込みたいが特別な予算措置がない学校にとっては、重要な問題である。このところをつっこんで聴ける時間的余裕が全くない司会進行。モデレータは多くの場合、大学の先生が「お願い」されていると思われるので、仕切るべき文科省のスタッフがきちんとマネジメントをしていないことに対して猛省を促したい。今回の収穫は、滋賀県立米原高等学校。まじめに、独自に取り組んでいる。学ぶべきことの多い実践と研究であった。
目白学園、立命館宇治のレポートを聴き、分科会にも参加したのだが、この二校をSELHiとして特別に予算措置などをする必要があるのか大いに疑問に思った。
目白学園はNative speaker teacherを前面に出して、ツールとして英語を使わせるというのだが、native speakerがいなければ授業で英語を使うモーティべーションが生まれないのか?極端な対照だが、筑波大附属の授業と比較してみてはどうだろうか?また、海外の修学旅行を使わなければ、英語を実際の運用場面で活かせないのか?英語科・国際科などでもその程度の実践をしている学校はいくつもある。語学研修旅行のためにSELHiがあるのではないだろう。SELHiでなければできないことは何なのか?そこをレポートする必要がある。立命館宇治はさらに特化している。1学年500名のうち、30人がSELHi対象のコース。その生徒たちは2年次を中心として、1年間英語圏への留学をするのである。その間の教育成果はどう検証しているのだろうか。それ以外の470人はどう英語と接しているのだろうか?留学に関して言えば、そんなに経済的に裕福な家庭の生徒を持つ、恵まれた私立学校に、なぜ、高額の予算をあてる必然性があるのか首肯しがたい。譲歩して、その実践にも優れた成果があるとして、一般の高校でその成果をどう取り込め、というのだろうか。立命館宇治では留学からの帰国後、いわゆる「イマージョン(=国語以外の全ての教科の指導を英語で行う)」に移行するという。報告書の中には、物理と英語の相関を検証したという記述があった。ここは大問題である。そして、誰も指摘しない(私はしたかったが、時間切れとなった)。引用する。
「(数値を示し)以上のことから、英語力の高い生徒が物理の成績も高いことが分かったが、英語力が物理の成績の高さの原因であるとはこのデータからでは言えない。学習に対する意欲が高く、勤勉な生徒ならば、TOEFLと物理のテストの両方で高い成績を収めることができるということは言えるであろう。」(報告書、p.140)
もし、同じ内容を日本語で教わっていれば理解できていたかもしれない生徒が、英語力が伴わないために(というよりも無理な英語力を求められたがために)物理の習熟度が下がったかもしれない、とはなぜ考えられないのだろうか?一人の生徒にとっては、その1年の授業が全てである。生徒にしてみれば「じゃあ、来年度はそういうデータ取ってみよう」、というわけにはいかないのである。「意欲」とか「勤勉さ」が高ければ「成果」が上がる、というのであれば、その三者の相関をリサーチデザインとしてはどうか。ただしそういうリサーチデザインであればSELHiである必然性は薄い。この部分のレポートに関しては非常に不愉快であった。
「私、スーパーイングリッシュハイスクール、略称はセセセセ、セルハイ。英語の授業は英語でやるよ、ディベートやディスカッションの指導まで、しっかり、きっちりしているの、っていうじゃなぁーい。
でも、午前中のパネルディスカッションは、まったくもって先生方はディスカッションになっていませんでしたからぁっ!!残念!!プレゼンテーション能力をウリにしてるのに時間ギリギリ、斬りっ!!」
「拙者、分科会で、分をわきまえずいっぱい質問してしまいました。切腹!!」