(What’s so funny about) Peace, Love and Teacherhood?

新年度の第一週が終了。
始業式がとにかく寒くて大変でした。
今年度も教科担当の授業は3学年、2課程に跨り、7種類。どのコマも、そのクラスしかない1発勝負です。持ち授業時数は17時間で収まりましたので、同僚に感謝。
高3の進学クラスは今までと同じシラバスですが、自分の担当分がちょっと変わりました。
読解スキルを伸ばす目的で、検定教科書は『Planet Blue』(旺文社)のリーディングを新たに採択しています。科目としては、高2、高3の継続履修なのですが、一昨年度から採択していた啓林館のリーディングの検定教科書が余りに杜撰な原文の書き替えをしていたので、年度が改まる機会に、別の検定教科書を買ってもらいました。

どのような「書き替え」なのか、詳しくは、過去ログをご覧下さい。
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20130528
こんな「ものづくり」をしている出版社には「ことばの教育」に携わって欲しくないと思っています。

生徒にはまず、私が後半のレッスンの英文に十分目配りができていなかったことお詫びをして、今回選んだ教科書の良さをアピールしておきました。

これに、コスモピアの『デュアル L&R』が加わります。内容は素晴らしいのですが、とにかくレイアウトが使いにくくてしょうがないので、全員に買ってもらった上で、教室用にワークシート形式でA3版に切り貼りして授業で使っています。長沼先生、コスモピアの関係者の皆さん、全員ちゃんと買っていますからね。
一番困っているのが、「文法語法の演習」。
教材は、数研のものを使っています。英語として適切なものが収録されているか、という観点で消去法の末残ったものです。データ重視といいつつ、すでに数年前の入試のデータですから、新しさを求めてはダメ。生徒には先輩のエピソードを交えて、「赤いフィルター」を決して使わないように指導。
1学期に恒例の「診断テスト100」があるので、そこで作成したノートに、「入試過去問」で該当する項目を拾って整理していけばいいでしょう、という話しをして「大学入試対策」に深入りはせず。
ライティング系の教材は今まで通り。
自分で監修していた、

  • GTEC Writing Training

をベースに、

  • 日向清人『即戦力のつく英文ライティング』(DHC、2013年)

で概説と実例の補充。

「表現ノート」は春期課外でも指示をしていましたから、大判のノートの準備と、ネタ集めです。
授業では、昨年からの積み残しの『話せる音読』から、読み進める。

全文を聞いて、タイトル選び。
段落ごとに読みながら聞いて、聞き終わったら、英文は見ずに、キーワードの抜き出し。
発問によって、キーワードから全体を統一する主題を推測し、その主題に照らして、次のキーワードの適否を考える。
本当に推測・予想通りに書かれているか、聞きながら読み、確認。
途中途中で英英のパラフレーズ。

というような流れです。
語彙の手当としては、

  • 動詞として用いる handleの語義と、その類語
  • appreciateの語義と実感
  • failureの元にある動詞のfailの語義と実感

あたりに重点を置いて。流石3年生、良い感じです。
学級文庫も3年生用に少し整備。

新課程一期生の二年生は悲喜交々。
看護科は、教科書を少し歯ごたえのあるものに変えました。数研の一番易しいもの→桐原の易しめのもの、への変更です。
ワークシートの流れは昨年とほぼ同じ。今年は最初に、1課まるごと英和対訳を先に配っています。最初の方は左右見開きで済むけど、後半は表裏になりそう。
1ヵ月以上英語の授業がありませんでしたから、リハビリを兼ねて、<仕込み>での発音練習を始めたところで、

  • skill

の発音がとっても良かったので、感動。iPadのカメラで動画で残しておきました。
「個々の発音の良し悪しではなくて、コミュニケーションスキルの優劣だ」、などという識者もいますが、私は、言語の基本は intelligibleな音のやりとりだと思っています。昨年からの持ち上がりのクラスですが、授業で私と一緒に、生徒同士で、さらに私と一緒に音声の練習をしてきたことが生きていて、英語としての「適切な」音声が身についてきていることを嬉しく思いました。
皮肉なもので、ほぼ全ての教材に英語ネイティブの吹き込んだ音源がついていて家庭学習でも聞き取りや発音の練習ができるように配慮されている進学クラスの生徒よりも、教科書の音源も含めて、教室を離れると、他からの音源に頼ることのできない、この看護科の生徒の方が音が確かなのですね。教材にCDがついていることを売りにするのは結構ですが、やはり授業で、対人でやらないと効果は薄いということを実感、痛感した次第です。
単語帳も使いにくかったので、同じ著者のシンプルな構成の教材に変更。

  • 投野由紀夫 『口を鍛えるフレーズ連結英作文トレーニング』 (国際語学社、2013年)

初版第一刷って心配は心配なんですけどね。
生徒には、音源のDLで面倒をかけるので、お詫びとお願い。進学クラスの一年生も、意味順とこれから始めた方がいいかも知れないなぁ。

高1はまだオリエンテーション期間なので、授業はお預け。週明けの課題テストを作り直しています。

  • それぞれ、そのうち、それなり

をお互いに受け入れつつ、自己ベストを更新し続けることができるか、チャレンジです。

さて、
小保方さんの騒動が少し沈静化したと思ったら、また「教師」の話題がツイッターのTLを賑わしていました。私の「呟き」も、現時点で140人以上の方にRTされていますので、こちらでも紹介。

「教員はなっとらん」「けしからん」「いかがなものか」と言われっぱなしの日本で、教員になろうという人がいることが奇跡。そして、その仕事を続けなが ら、子供を授かり就学年齢まで育てたことを、親子で喜ぶということがさらに叩かれる社会風土。再生すべきなのは「教育を支える文化」の方です。
https://twitter.com/tmrowing/status/454753046132559872

改めて思うのは、こういう時の教師批判では、誰も「グローバル」を引き合いに出してものを言わないこと。教育の成果では常に「グローバル」な物差しでの競争(でしかも勝つこと)を求められ、教員の仕事では、いつの世も、いつまでも「滅私奉公」「去私尽民」を求められる、日本の教師に幸多かれ。

明日は、午前中は保護者会、午後からは県のボート協会の総会です。
本日のBGM: My Advice (James Iha)