私の中の雨

中間考査終了。今度は、採点天国。
今回は出題ミスもあり反省すること頻り。
期末に向けて、襟を正して行きましょう。
今日のオーラルのライブリスニングは、ディクテーションがメインだったので無事に終えることができて、ほっとした。3回の読みのクオリティを揃えるのは意外に大変。
試験期間中ではあったが、本業では水曜日に8km程度の乗艇を行い、技術的なポイントの確認を徹底。試験終了後の今日は、雨がかなり強かったので、体育館でエルゴ。アップでUTのリカバリーレベルの強度で10分漕、その後ストレッチ。Fartlekでリズムと加速を確認してから、500mを2発。レートは28程度に抑えて、一本の出力と精度を要求。体育館はバレー部が休憩中だったので、フロアをお借りして、スキップシリーズから、股関節スイング、四股、股関節回り、ネコまでやって、アラインメントを観察し、PNFを少しやってから終了。明日から、県体兼選抜予選で、遠い方の湖です。

敬愛する靜哲人先生のブログ (http://cherryshusband.blogspot.com/2011/10/blog-post.html) で、「普通の頭があれば」と「それなりに」という物言いがあり、喉にひっかかった魚の小骨のようにずっととれずにいる。「ここから先はもう、教師の課題ではないんじゃないのか?」という思いを日々更新、刷新し続けることを余儀なくされる現任校で教えていなければ、きっと気づかなかった類の違和感だろう。

今週読んだ本。

  • 大西泰斗、ポール・マクベイ 『一億人の英文法』 (東進ブックス、2011年)
  • 井上正平 『井上正平の英語教室』 (日本青年出版社、1972年)
  • 小沢準作 『英作文の基礎 (上)』 (研究社、1957年)
  • 『現代思想 11月臨時増刊号 総特集 宮本常一』 (青土社、2011年)

今週読み直した本。

  • 青木信之 『英作文推敲活動を促すフィードバックに関する研究』 (渓水社、2006年)

以下、感想。
『一億人…』というタイトルは大げさ。まあ、『世界一…』よりは謙虚なのかも知れないけれど。
コアなファンというか、「信者」の多い著者ですが、鋭い視点もあれば、なんでもかんでも統一した原理原則に収束させようとして矛盾、破綻しているところもあり。とりわけ「助動詞」を「修飾」の枠組みに入れ、次の語を「限定」するとしてしまっているところに問題があると思う。月刊誌 『英語教育』 (大修館書店) の書評って、「Book Reviews」と「New Books & DVDs」とふんだんにあるんだから、誰かきちんと「評価」してくれないでしょうかね。
私は今回、商業科1年の中間考査で次のような出題をしている。

I. 次の日本語に合うように、与えられた英語を適切に並べ替えよ。
1. 彼らのステキな歌
nice / songs / their
2. 彼女のテニスラケット
her / racket / tennis
3. 通りに沿って
along / street / the
4. テーブルの下に
table / the / under
5. 午前二時に
at / in / morning / the / two /
6. 壁のあのポスター
on / poster / that / the / wall
7. 美しい湖の中の魚
beautiful / fish / in / lake / the
8. 青空にかかった美しい虹
a / beautiful / blue / in / rainbow / sky / the
II. 日本語に合うように、与えられた英語を補充する時に最適な箇所をそれぞれ記号で答えよ。
1. 虹を越えて (rainbow)
ァ over ィthe ゥ 
2. 角を曲がったところに (around)
ァthe ィcorner ゥ
3. カバンの中のノート (notebooks)
ァin ィthe ゥbag ェ
4. かごの中の鳥 (bird)
ァa ィin ゥthe ェcage ォ 
5. 母への誕生日プレゼント (present)
ァa ィbirthday ゥfor ェmy ォmother ヵ

「英語は配置のことば、並べればいいんです」と説くだけで済むなら、この出題で間違える生徒はいない。「それなり」の頭の働かせ方では正しい語順を導き出せないような生徒と、そんな生徒と日々向き合っている英語教師へのリスペクトを忘れたくはない。生徒も教師も、自分の現場での実作は自分が責任を持てばいいのだ。偉ぶるのではなく、できるようになった分だけまっとうに胸を張ればいい。
予備校の先生にも「網羅的ではなく、1と10を教えて、残りの2から9は気づかせるのが達人」などと言う人がいてびっくりする。恵まれた環境で英語を教えられる人は、その幸せにただ感謝すればいいのだ、と思う。
私が批判しているのは、網羅性を排して、厳選した要点・重点、ツボ・経絡を突いて「理解」や「気づき」を促すことではない。10ある項目のうち、その全てを逐次的に教えるのではなく、たとえば5つを選んで教えるのが「力量」なのだ、というその教師の、その5つの捉え方そのものに明らかな誤りや勇み足があることなのである。掻い摘んだり、鷲掴んだりするには、するどい眼、強靱な握力が求められるもの。人の振り見て何とやら、明日は我が身か。
井上氏、小沢氏の本は古本だが、入手して良かったと思う。井上氏の著作は、これを機にきちんと読んでみようと思った。小沢氏の『下巻』をお持ちの方がいましたらご連絡をいただきたくお願い致します。
青木氏の本は、ようやくその内容を消化吸収できてきたように感ずる。5年くらいかかったことになる。
『現代思想』はたまたま書店店頭で見かけて購入。妻が今、私の貸した『忘れられた日本人』を読んでいるところで、宮本常一再評価の機運が今、我が家にあるということか。

本日のプレイリスト: 『恋は桃色』 メドレー (サニーデイ・サービス、永野亮、矢野顕子、細野晴臣、ヤノカミ)