意志が躓く二秒前

0限から説教となるような事態は避けたかったので、「今月の歌」から。
いかにもCrowded HouseというかFinn Brothersというか、そういう楽曲。Joni Mitchellへの布石となるか。種を蒔く人、はたまた、木を植える男。
週明けの授業が良い流れで、始まったかに思えましたが、高2、2コマ目の先週からの課題の確認がいけませんでした。動名詞の意味上の主語の確認を含んだ、creativeでchallengingでexcitingな課題としたのですが、そう思っているのは私だけということなのでしょう。生徒から出てきた英語の緩いこと緩いこと。仕方なく、生徒一人一人に板書させたものを利用してpeer responseさせるものの、自分が時間を掛けて準備してきてさえ間違えているのだから、短時間で他人の英文まで修正できるワケも無し。こういうところが少人数クラスの最大の弱点。大村はまは「書けないことを責めることばはむだ」といったけれども、どうしたものかねぇ。 高2になると顕れるこの緩さはどこから来てどう広まるのか?ウィルスでもあるまいし。

  • テーマ・主題関連表現くらい下調べしておけ!

ということで、『浦島三部作』に加えて、『質問』の計4冊の該当箇所を見開きページで拡げて教室後ろの棚に並べておいた。いっとくけど、学級文庫って、いつも教室にあるんだからね。全力を出さないうちに、自分の全力が目減りしていくことをこそ恐れなさい。

高1は、『…基礎を固める』の続き。一コマ目は授業開始時には着席して、『短単』の例文音読を淡々とやっていました。で、warm-up十分とみなして発音と聞き取りの徹底。本当は [r] の音色をターゲットにしたいのだが、その前にexplosivesがあまりに弱いので、一つの音になりきらない。ノートのページを1枚破らせて、口の前に持たせる。私の実演の後生徒にやらせてみる。一番簡単なはずの[p]でさえ、紙がほとんど動かない。動くのは大きな声にした母音に移行してから。

  • poor/ pair/ bear/ born/ power

良い流れで、chorus-buzzと展開してきたのだが、三重母音の仕上げの斉唱で、

  • flower

のカタカナ発音で全てがぶちこわし。約二名の音のくずれだけれども、その前後の単語はちゃんと読んでいたのだから、明らかに手抜き。こういうところで英語の回路が分断されてしまうのですよ。
中学校では授業中にも着席や着目など生活指導、躾の指導に追われて、肝心の発音の指導をしている余裕がないのだろうか、などと考えた時期もあったのだが、優れた中学校教師を知るにつけ、そうではないことを確信するようになった。そういうしっかりした指導の手や目から漏れた生徒が現任校に来ているということなのだろう。丁寧に段階を踏んで、体系的、系統的、集中的に指導計画を立案したところで、生徒の集中力がなければ集中的なトレーニングにはなり得ないし、生徒の心が関わっていなければなんの達成感も生まれないのですね。
わからなかったことがわかるようになり、できなかったことができるようになるのは大変ですよ、倫太郎先生、加藤先生、はま先生!
今日は、「体育の授業で行う球技の実技」と「部活で行う球技の練習」の比喩で、学習活動への取り組み方を喚起した。

  • 今のままやっていては、体育の授業でバスケットボールのフリースローが入る程度にしか英語は上達しませんよ。

という趣旨。今日で、6月。中学の復習に、もう2ヶ月も費やしたことになります。1学期の授業もあと1ヶ月。正味4週間で、中学校3年間の英語力を完璧にするのです。2ヶ月かかってできなかったことを、あと1ヶ月で。1週間でどこまで、何ができるようになればいい?1日に何をどれだけ、どのようにやればいい?まずは、全国の公立高校の入試問題ならどれを問われても解けること。という理由付けで、高一恒例の「全国縦断公立高校入試リスニングテスト制覇の旅」。いつもの北海道のモノローグから。手順通りに進めて、次時の開始時には対面リピートで準備しておくように指示して終了。

高3の自分のクラスの授業はなし。志望校のオープンキャンパスに参加した生徒が、大学関連のお土産を持ってきてくれた。有り難く頂戴します。
月曜日は本業も自主練なので、学校にいながらにして教材研究。オーラルで用いるリスニングスクリプトの書き直しと、「イカソーメン」導入用に、班の人数に合うように例文の数も含めて加筆修正。せっかく自分で名付けたんだから、高校生だけでなく誰でも使えるイカソーメン用の教材を本気で作ろうかな。ひまい先生監修で、karishimaさんら実践済みの方たちでやってみませんか?

職場に届く、忘れた頃の洋書ひとつ。

  • Evelyn Waugh, The Complete Short Stories, Everyman’s Library

オリジナルのものは1998年英国刊。私の元へ届いたものもハードカバーだが、2000年の米国版の模様。挿絵も豊富で末永くつき合えそうな感じがしたが、読みたい本がどんどん溜まっていくのは本意ではない。自分の智が滞るような嫌な感じ。そのうち、血も滞るのだろう。

メジャーデビュー前の元ちとせをこのところ聴き返していたのだが、今日、大ヒットしたアルバム『ハイヌミカゼ』 (2002年) を聴いたら、かなり緩かった。ショック。今の自分にはこれではダメ。全く響かない。マスタリングエンジニアはあの田中三一氏なのだから、音像とか音触では申し分ないわけで、クオリティはこちらの方が格段に高いはずなのだけれど…。(田中氏のマスタリングについては私が話すよりもこちらで、→ http://www.moto.co.jp/remaster/index.html)

オールは車に積みっ放しで、いつもより早い帰宅。
一見平和な一日の終わり。
これで人生が終わられてはたまったもんじゃないな、でも。

追記: 某局で女性歌手のライブ。ドリカムの曲を歌っていたのだが、力量の差は如何ともしがたい。何故、こんな歌い手を持ち上げるのか理解に苦しむ。メディアの力で厚化粧してもダメなものはダメですよ。

本日のBGM: もう逢えない人に (上田現)