It takes two to tango.

金曜日の授業はまだ高2のみ。2コマ。
基本動詞の語法のレビュー。

  • Jane has what it takes to be a successful actress.

でtakeの慣用表現に含まれる不定詞の使われ方と、結果指向の名詞の使われ方の解説。
carryでは、「移動はあれど、方向はなし」というキーワードで、

  • AFN doesn’t carry domestic news.
  • Do they carry these items?

から、

  • Some minor matters on the agenda should be carried over for consideration at the next meeting.

まで。
domesticの補足で「家庭内」と「国内」の二つの訳語を “home” という語の核を仕込んで対処。DVはもう既知の語なので、楽といえば楽。
“carry over” は受け身で出てきたので難しかったかと思ったのだが、宝くじの連想でクリアー。
carryの定義は ISED (開拓社) を引くと、

  • support the weight of a thing and move it from one place to another

とあり、その秀逸さに唸る。この一文をディクテーションとリピートで意識付け。
bring はcomeと照らし合わせながら整理。
難しかったのは、予想に反して、

  • What does “Kyoto” bring to mind?

Wh-疑問がまだまだ血肉化していないということ。むしろ、

  • I couldn’t bring myself to tell her the truth.

の方が容易。山場は、

  • We must bring home to children the ill effect of passive smoking.

のhome。”Home is where the heart is.”という発想でのガイドラインを与えて一区切り。
giveの慣用表現で、

  • Give him a big hand!

がなぜ「拍手喝采する」という語義になるのかで難儀。「a handには『拍手』という意味もある」では不十分で、なぜ、「clap one’s handsでは複数なのに、なぜこれではa と単数なのか?」「なぜbigなのか」という疑義が湧く湧く。とりあえず煙に巻いておきました。
WBDでは、この語義を「比喩的」として、

  • a round of applause or clapping: The crowd gave the winner a big hand.  

OEDでも、「単数で」として、

  • a round of applause

と説明しているのだが、なぜ、”a round”なのかを理解するためには、動詞と名詞の感覚を養っておく必要があるだろう。日本の辞書にはこういうところに補足が欲しいなぁ…。
とりあえず、次回は補助線として、

  • 日本語は擬態語・擬音語が副詞で、「パチパチ」などという繰り返しが多く、これが「パチ」だけだと拍手と認識しにくいのだが、英語では、動詞一語で日本語の擬態語・擬音語に相当することがあり、さらに元になる動作自体が普通は反復されるものである場合に、そこから生まれた名詞は単数形でも「繰り返される動作」を表すことがある。

などと説明を拵えて、

  • They heard a knock at the front door. (COBUILD)
  • Paddy spotted Mary Ann and gave her a cheery wave. (COBUILD)
  • The boxer gave a little skip as he came out of the corner. (COBUILD)

あたりの用例を示し、じわじわと進める予定。

先日の音声教材の不備を編集部に問い合わせたら、以前一緒に仕事をした方から改めて電話で丁寧な応対。松坂先生の教材の方は不備はないはずとのことで安心。
本業は、新入部員の初練習。
まずは、経験者も初心者も小心者も、エルゴを使って、リラックスのできるポジションと、大きな力を出せる姿勢のチェック。
土曜日は、地元の水域・施設の見学。艇とオールを一通り説明して、カタマランで普段の練習で航行する水域を、航行ルールの確認をしながら1周。連休中に合宿が出来るかどうか、市の施設の研修室の予約状況を確認して解散。いよいよ、自チームでの本格的なシーズンの開幕です。

本日のBGM: Twist and Shake / Van Morrison (brown eyed beginnings --- Jamming session)