”You are here.”

昨日のエントリーで太田選手のことに触れたせいか、急激にアクセスが増えた。彼女のスケートに魅せられた人たちが足を運んでくれたのだろうか。有り難いことである。
本日は昼まで予餞会。
いきなりプログラムの表紙の「餞」の字が間違っていて萎える。
最後の担任団のひと言ひと言が感慨深かった。
授業は7限の高1一コマのみ。
グループ課題の趣旨を説明。ワークシートの配布に続き、質問を作ることの意義、将来のサマリーへの繋がり、個人個人の持ち味・役割などなど。各グループに、リーダー、キャプテン、班長を設定し責任を持って仕事にあたることを促す。
実力を高めるために基礎確認に戻ろうという際の注意点を相当に厳しく話した。これは今の2年生での最も大きな反省でもある。野球部の生徒がいたので、

  • バッティングが不振で基礎に返る、という時、「トス」と「フリー」のどっちが容易か?

と問い、「トス」という答えを得る。

  • なぜか?

と更に問い、「近くから、ゆっくり球がくるから」という答えを得る。
問題はその先。結局、容易なところで楽な技術や体力の発揮となってしまえば、実践・実戦には役立たないのだ。容易なところに戻るからこそ、より一層「精度」を上げなければならない。よりリラックスし、より大きな力を、より短時間で発揮するとか、より繰り返しに堪えうるとか、より正確に、より速く動くとか、といった「高精度」でのバランスチューニングが問われるのである。私の本業種目で言えば、技術練習や低レートでの練習で「楽」をしているクルーに明日はやってこない。SR20でのベーススピードが上がらない限り、技術練習をしてもそれ以上のご利益はないのだ。その意味で、技術はシンプルなものに限るのであり、技は力の中にあり、力はリラックスが出来て始めて生まれるのである。今の自分の力が100に届かない、せいぜい80というときに、60や70のレベルにいくらもどっても、そこで60や70の力を出していたのでは、いつのまにか自分の持っていた80の力さえ出なくなってしまう。60や70のレベルに戻ったとしても、そのレベルの課題を80の力を発揮するのと同じくらいの集中力、精度を持って駆け抜けてしまうことが必要なのだ。
英語の学習も同じ。
なぜ中学レベルへと立ち返るのか?それは、出来ることの精度を上げ続けて勢いを得たいからである。
自分の所属する学年に見合った100の力があってしかるべきなのに、80の力しかない高校生が中1、中2レベル、60や70の教材や問題に戻ってやり直すこと自体にそれほどの意味はない。問題は、60や70のレベルからどうやって、本来高校生が到達するべき100というレベルをクリアするのか?ということなのである。
例えば、中1レベルの問題に戻り100題なら100題を完璧に解くことなど必ずできるのである。そして、それができるのなら、その勢いで、中2レベルも一気に片づければ良いだけのことである。時制なら時制、準動詞なら準動詞、比較なら比較、後置修飾なら後置修飾と、次々に項目を制覇すればいい。そのために必要なのは、「英語のしくみ」の全体像を捉える目、目の付け所である。
そうして中2レベルが完璧に出来れば中3レベルへ、という具合に成功体験を続けることで本来の高校レベルに達するまで助走スピードを上げ続け、根拠のない「やる気」を根拠のある「その気」へと転換・増大させていくことだ。
最もやってはならないのが、出来ないからといって、中学レベルに戻って、そのレベルの問題が解けることを確認してしまうこと。楽なところで、精度の低い、出力の低い、練習をいくら積み重ねても、自分の60が70になることはないし、ましてや100に到達することはない。
では、次は100を101,102にさらには120,150に、そして200,300、もっと進んで1000とか10000とかへと至るには?という問いを自ら立てることである。

  • 常に語彙を先行し、基礎2000語の使いこなし、重要5000語の認識度アップを図ること。
  • 自分の現時点の力である100よりも難しい素材と精読・精聴で格闘し、文法力・思考力・創造力を総動員すること。
  • 100よりも易しい素材を大量に、高速に処理する多読・多聴を続けること。
  • 力がついて来るに比例して、精読教材だったものを多読・多聴教材へと転換すること。

そのためには、「音読・視写・暗誦・暗写」といた古典的学習法を厭わないこと。自分の語彙学習を自分でしっかりモニターすること、そしてアウトプットの狙いに適った良質のインプットである。
まあ、過去ログで記録されている授業内容を4月から3月まで追っていくか、3月から4月まで遡っていくことで、大学入試対策に依存しない、高校での骨太の英語学習の姿が見えるのではないかと思う。
いつも言うように、「100人に2人」くらいだろうけどね。
明日は朝7:30から夕方5時過ぎまで模試監督。
イベントよりもコンスタント重視で日々の練習を積んできたからこそ、イベントを試す価値がある。

本日のBGV: “Intermezzo" --- for Yukina and little "White Fairies" ---