♪あなたなぁ〜ら、どうする♪

  • ボート競技に特定の英雄は存在しない、しかしながらボート競技は限りなく英雄的な競技である。

といったのは誰だったか?
五輪強化選手・強化スタッフをJOCが認めて予算を割いているのだが、ボート競技と他の競技を比較してみて欲しい。(http://www.joc.or.jp/goldplan/people/index.html
陸上や水泳との比較は悲しくなるだろうから、似たもの同士で。

  • ボート競技 選手32人に対して、スタッフ総計19人(うちコーチングスタッフ5名)。
  • カヌー競技 選手35人に対して、スタッフ総計50人(うちコーチングスタッフ39名)。

この差は何?こんなに強化スタッフが少なくて強化が十分できるのか?
現在の代表チームのコーチングスタッフは私もよく知っている。Aさん、Sさん、Mさん、Sさん、皆、実力は折り紙付きだ。でも、この人数では流石に水域も異なる各所属団体の選手を強化するのは大変だろう。強化指定選手の所属団体のコーチをコーチングスタッフとして指定するか、より密接な連携をとることで平常時のトレーニングの質・量を高めることが不可欠であると思われるのだが、現状では支援コーチはボランティア、手弁当である。協会は、少数精鋭でもやっていける秘訣が優秀な外国人コーチにあるというのかもしれない。
現在日本の代表チームを率いているとされるGP氏の力量・手腕に異存・異論はない。革新的なことを説くわけではなく、当たり前のことを当たり前に要求するプロ中のプロの一人であろう。2006年にはこの競技の国際競技団体であるFISAが選出するCoach of the yearを受賞していることからも世界でも一流のコーチであることは明らかだ。
しかしながら、この受賞にあたってのFISAサイトの記事を見ると、面白いことに気づく。
このGP氏の肩書きが、ギリシアチームのテクニカルディレクターなのである。日本チームのヘッドコーチではないのか?と思って記事の先に目をやると、ありました。

  • Gianni Postiglione, technical director, Greece. Originally from Italy, Gianni took over the role in Greece after the Athens Olympics and has played a part of the continued improvement of many Greek crews. Greece scored gold and two silvers at the World Rowing Under 23 Championships and bronze at the World Rowing Championships. Gianni also consults for the Japanese Olympic Committee.

”A consult(s) for B ” という句動詞は、「AはBの顧問を務める」という意味。
GP氏は日本の協会の「顧問」なのだそうです。協会の文書ではいたるところに、「ヘッドコーチ」という肩書きが用いられているのですが、国際競技団体に選手団を登録するときの肩書きはどうなっているのでしょうか?
今年の11月8日から11日まで、ハンガリー、ブダペストで開かれる世界コーチカンファレンス(FISA主催)で、GP氏は講師を担当することになっている。(http://www.hunrowing.hu/coaches_conference_2007/index.php?page=conference_programme

  • Friday, 9 November 2007 15.00 - 16.00: Gianni Postiglione (GRE), Head Coach will speak about Strength Training for Lightweights

ここでも、所属はギリシア、しかも「ヘッドコーチ」という肩書きになっているのはなぜ?

去る9月3日にドイツ、ミュンヘンで行われた、2007 FISA Ordinary Congressの報告書(http://www.worldrowing.com/medias/docs/media_352719.pdf)では、Competitive Rowing CommissionのメンバーとしてGP氏が記されている。国際競技団体の競漕委員会の委員を務めるのは大変名誉なことである。世界有数の見識が認められてのことだろう。ただ、肩書きを見て「?」。

  • Giannni Posiglione (ITA)

となっている。もっとも、アジア大会(ドーハ大会)のJOC選手団名簿でも、GP氏は日本代表チームの「監督」、所属は「イタリアボート協会」となっていた。
サッカーの前日本代表監督はジーコだった。ジーコは日本の監督として契約し、その一方でブラジルチームの指導も担当していただろうか?所属がイタリア協会で、ギリシアチームのヘッドコーチを務めている優秀なコーチが日本の監督を務めている、という事実はどう解釈すればいいのだろうか?来年の北京五輪に日本チームが参加する際には、ギリシアチームの選手団名簿にはGP氏はいないというのだろうか?
いったい、GP氏のaffiliationはどうなっているのか?
JOCに誰か問い合わせて頂けないだろうか?

今日は、午前のみ乗艇練習。湖へ行く車中では普段はiPodからトランスミッターで音楽をかけているのだが、今日はセットをし忘れて発車してしまったので、仕方なくFM局。懐メロというか昭和歌謡というか、わたし自身子供の頃に聴いた曲がかかっていた。新鮮だったのは、いしだあゆみ。
午前は大学生の練習と同じ時間帯なので、カタマランもあいのり。大学の女子4X+がなかなか面白い素材。男子の下級生4+も良い方向で練習できている模様。我がチームは?まあ、焦らず諦めず。
昼からは学校に戻り、進学クラス3年生の保護者を対象とした進学説明会。英語科からは主任に続いて、私から3年生の授業方針、進捗状況、クラスの概況の報告、さらには今後のアドバイスなど。概ね好意的に受け止めてもらえたようだ。
帰宅すると、『英語教育』11月号が届いていた。山岡実践の紹介とコメントである。山岡先生の実践はライティングの授業なので、ワークシートや実際の生徒のプロダクトなどが不可欠であり、原稿の分量では相当苦心されたと思われる。高2のシラバスにおいては、先月の研究授業で見せてもらった「説得文」の授業(過去ログ:http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070928)の前段階にあたる「描写・定義・説明文」の指導となる。詳しくは本誌をご覧いただくか、山岡先生のサイト「地道にマジメに英語教育」へアクセスを願います。
著者校の際に編集部から修正案が出ていた箇所をママで押したのだが、その部分が編集部の修正案の方で印刷されていた。納得いかないなぁ。該当箇所は、以下の通り。

  • ストラテジー改善以上に、地道な「意味のわかる英語を書く」練習がライティング力を支えているので、入門期の文字指導だけでなく、高校段階でも視写は有効な指導方法である。(p.50)

この「意味がわかる英語」という部分は、「意味がわかった英語」となるはずだったのである。ここでは「読み手が理解しうる」という意味合いで「意味がわかる」と言っているのではないし、書き手は未だ読んだり聞いたりしてはいないのだが、読み聞きすれば「理解が可能な英語」を対象としているのでもない。「学習者が意味の理解を済ませた英語」を音読することに意味があることとパラレルな活動として「視写」を捉えようという提言なのである。読み聞きして「意味が分かった」ことに安心することなく、その英語を書くことが英語学習・ライティング学習にとって大きな意義を持つという私の意図が曖昧になってしまう。山岡実践の素晴らしさがこのコメントで半減しないことを切に願うものである。

依然として風邪気味。今晩はこの辺で。

本日のBGM: Divine Intervention (Matthew Sweet)