The non-native teacher

1994年刊のPeter Medgyesによるモノグラフである。翌、95年には英語教育関係の著名な賞を取っていたかと思うのだが、今や絶版のようである。刊行からもう10年が経とうとしている。日本にいる英語教師(both native speaker English teachers and non-native speaker English teachers)のうちどのくらいの人がこの書に目を通し、さらには今でも覚えているだろうか?
The dark side of being a non-native (pp.33-50)
The bright side of being a non-native (pp.51-70)
という具体的・実証的な考察を踏まえた上での鋭い視点が新鮮であり、自分の中での大きな拠り所ともなっている。
その後、1999年には George Braine編著による Non-native educators in English language teaching がLEAより出版されたが、日本での反響はほとんどなく今日に至っているのではないだろうか?(この論文集の第12章ではMedgyesも論文を寄せている)
BICSとCALP
CompetenceとPerformance
Declerative KnowledgeとProcedural Knowledge
Usage と Use
Focus on FormsとFocus on Form
Authenticityと Authentication
i+1 そして ZPD
など常に、それまでの不備を批判し最新の理論を輸入することに忙しかった日本の英語教育界だが,肝心の自らの立脚点である Being a non-native teacher という考察はいっこうに成熟していないのではないだろうか?上記2冊は、今こそ読み返されるべき価値があると考える。