Cubing---Descriptive passages への対応---

現在、この「はてなダイアリー」で、ダウンロード可能なファイルとして文書などを貼り付ける容量がなくなってしまったので、授業で使っているプリントをベタで打っておきます。出典を明記していただければ、ご自由にお使いいただいて構いません。過去ログでも幾つか該当箇所はあるかと思いますが、以下、プリントの内容です。


説明文や定義文を英語で書くときに、5W1H などと呼ばれるQuestioningの手法が用いられることが多いが、質問の答えを文章化する段階で多々難点があるので、英語の流儀に則った発想を保つことがより大切である。今回はCUBINGといわれる手法を用いてidea generationを行う。
“cube” とは立方体・さいころのこと。動詞でcube = 立方体をつくる、という意味があり、その動名詞がcubingとなる。展開図の6面のそれぞれを組み立て、立方体を完成すると、そこにはしっかりした中身 = contentをもつ作文が出来上がる、という考え方である。

CUBING

1. Association(連想・イメージによるつながり)
そのトピック・テーマを聞いて思いつくものは何か?もしそこからさら広がるとすればどんな考えが思い浮かぶか?(基本は1学期にやったclusteringと同じ)

・ A has an image of B.
・ A implies B.
・ A brings to mind B.

2. Comparison/Contrast(比較・対比)
似ているものは何か?また対照的な反対のものは何か?
(例1)  jam と marmalade
(例2) 「年賀状」→ 似ているもの → クリスマスカード
          ≠ 異なるもの  → 暑中見舞い

・ A is like B / A and B are alike
・ A is similar to B in +観点
・ A is different from B in +観点
・ A is equivalent to B in +観点

※ この観点を表す in の用法は確実に身につけておきたい。
in appearance
in color
in content
in degree
in form
in function
in opinion
in quality
in size
in that S+V (SがVである、という点で)
in … aspects (…の点で)

・ A is not simply B, but also C.
・ A is used for B while C is used for D.

3. Description / Definition(描写・定義)
そのトピック・テーマを定義づける。または詳細に描写する。この項目は日本人学習者の弱点でもある。
人か物か出来事や事柄か、道具か材料か、など、まず「より大きな種族(属)・分類」を示すことが大切。(次項目の4.の分類を参照)
他には、色・形・大きさ・味・臭い・音・重さ・温度 など語感で認識出来る要素を考えてみる。また、数・量などで定義してみる。ルーツ、起源、出身などを用いる、など、いい英文をしっかり読んで “盗む” ことが大事。

・ A is a kind [sort] of B
・ A is used for + 目的・用途
・ A comes from + 出典・起源
・ A started in + 起源
・ A dates back to + 起源・年代

4. Analysis / Classification(分析・分類)
そのトピック・テーマで示されているものが、どんな要素で構成されているか分析・分類してみる。

以下のようなキーワードが身についているか、をまず確認しておくこと。

class, category, kind, group, type, classification, division
classify, divide, categorize, include, belong to, fall into, distinguish
one, the other; some of, most of, all of

・ A is made of + 素材・材料
・ A is composed of + 素材・材料
・ A consists of + 要素
・ A is (a) part of B
・ A has B, C, and D (in it)
・ A is[are] divided into three categories: A, B, and C.

5. Application(応用・実地)
アイデアだけでなく実際に行う、実地に移すとすればどうなるかを考える。また、どんなことができるか、と考える。
・ A is something that you use when you do B
・ A is something that you can use to do B
・ A is made [designed] for B.
・ A serves as + 役割
・ A works as + 役割

6. Argument(主張・立論)
自分の意見・主張などをまとめて立論する。定義文・説明文ではあまり活躍することはないが、課題によっては重要な要素である。

助動詞(should/must)だけでなく、主張・判断・断定を表す助動詞的な働きをする動詞、形容詞、(necessary, essential, inevitable, desirableなど)、文修飾副詞 (clearly, probably, obviouslyなど)で正確に語法を把握している語句のレパートリーを増やしていくことが大切。

引用以上。

具体的な「お題」で、どのように扱うか、詳しくは拙著(共著)『パラグラフ・ライティング指導入門』(大修館書店、2008年)をお読み下さい。

本日のBGM: マイ・ホームタウン(浜田省吾)