夜明けのスキャット

tmrowing2013-01-14

大津由紀雄 (慶應義塾大学教授)「中締め講義」で上京していました。
今回は「言語教育編」ということで、午前・午後と4時間に及ぶ大津由紀雄「中締め講義」に続いて、私、亘理陽一先生、柳瀬陽介先生の3人が指定討論者として「斬り」かかる、という段取りです。会場となったホールには200人弱くらいの参加者を迎え、和やかで温かい空気の中、「スヌーピーのネクタイ」のエピソードの披露から大津先生と柳瀬先生との記念写真でスタートしました。
大津先生の講義概要と各討論者を交えての討論の首尾に関しては、もう少し頭を整理してから記していきたいと思います。

私の担当の20分間で皆さんが覚えているのは、

  • まさか、ここで「ももクロ」聴くことになるとは…。

という感想くらいかも知れませんが、他にも大事なことはあるんですよ。
当日使用予定だったパワポの写しをこちらにアップしておきます。大津研ブログで公開されているハンドアウトもこちらに再掲しますので、照らし合わせていただければ幸いです。

[file:tmrowing:中締め講義松井分.pdf]
[file:tmrowing:2012_01_12_matsui.pdf]

柳瀬先生の資料とスライドは、事前に大津研ブログで公開されていましたが、亘理先生の発表は、事前に公開された資料だけでなく、当日の投影資料も併せてお読み頂くことが大切だと思いますので、お手数ですが、現時点では亘理先生のブログで公開されている資料をダウンロードしていただければと思います。(https://docs.google.com/file/d/0B0s5cKe-jm7sdWEtdmQ2cW9lTTg/edit)

ということで、まずは、大津先生、「中締め」お疲れ様でした。
そして、討論者の一人として選んで頂いたことを光栄に思います。企画運営に携わられた大津研、慶應義塾関係者の方たち、会場に足を運んで下さった皆様、ひとり一人に感謝申し上げます。
2011年9月の「学習英文法シンポジウム」で指定討論者を任じられた折りは、娘が重篤な状態のまま上京しました。薬が効いてくれてなんとか一命を取り留め安堵はしたものの100%の力で討論に臨めたとは言い難い中、大津先生にはその直後のメールでお気遣い頂いたことは忘れられません。今回、その時の借りを返すべく、ではありませんが、私に与えられた役割は全力で果たそうと思い、準備を重ねては来たのですが、生憎、年が明けて早々の2日未明に、飼っていた三毛猫の「あんこ」が、ちょっとした隙に家を出てしまい、近所の路上で車に跳ねられ、息を引き取る、という悲しい出来事がありました。私は例によって、晩酌をした後、就寝。あんこが家を出たことにも気づかずに呑気に寝ていたのですが、暗がりの中、あんこを発見した妻の方は自責の念が強く、なかなか立ち直れないまま正月を明けました。娘はまだ状況が良く飲み込めていないようですが、追々、理解も追いつき、思い出となっていくことだろうと思います。家族や夫婦の絆を強めるのに必ずしも悲劇は必要ないとは思うのですが、前回に続き、今回も辛い経験で、なかなかに大きな代償でした。
それでも、実際に「中締め講義」に臨んでしまえば、そこは「ことば」に本気で関わる人たちの集い。愉しくないことなど何一つありません (曖昧性も多義性もありません) のでそちらの愉しんだ方で振り返りを書いておきます。
第5部の懇親会では、会場を移動。
移動の途中で大津先生とあらためて「言語学」との出会いの振り返り。伊藤健三先生のお話も感慨深かったです。
宴席には和歌山大の江利川先生も駆けつけ、お酒に、肴に、話しに夢中になった2時間と少々。あちらでもこちらでも新たな人の繋がりが生まれ、広がったことだろうと思います。私は念願の大名力先生とも対面でき感激でした。みなさんが、あの場、あのときで生まれた、”ties that bind” をどうか大切に、健やかに育てて欲しいと願うばかりです。

そして、その後のカラオケ大会。
大津研究室院生のIさんの『天城越え』は圧巻でした。
今回は、露出こそ低い画質ではありますが、しっかりと「大津節」を動画に収めました。
指定討論者三人でホテルにたどり着いたのは午前2時半頃。
いつもは9時か10時に寝ている私が、この時間まで活動できていることが奇跡です。
道すがら、

  • 指定討論者がこの三人で良かった。

とお互いに頷き合いました。偽らざる心境です。
翌日はそれぞれ、静岡、広島、山口の自分の「ホーム」へと帰ることになるので、再会を期してエレベータを降りました。再来週は、大津先生もホームグラウンドの「認知」「言語獲得」での「中締め第二弾: 認知科学編」です。まさに、”Home is where the heart is.” ですね。

★中締め講義 〜認知科学編〜
講演テーマ:「言語獲得理論の現在と今後」
講演者:大津由紀雄 慶應義塾大学教授
日時:1/26(土)
第一部10:00-12:00  言語獲得理論の基礎(入門編)
第二部13:00-15:00  言語獲得理論の現在
第三部15:30-16:30 大津言語獲得理論を斬る(指定討論者による批判)
指定討論者:
磯部美和氏(東京芸術大学)
佐野哲也氏(明治学院大学)
杉崎鉱司氏(三重大学)
第四部16:30-18:00  言語獲得理論の今後(シンポジウム)

場所:慶應義塾大学 三田キャンパス 東館6階G-SEC Lab
定員 机有60名、机無120名)
(JR田町駅、都営地下鉄線三田駅・赤羽橋駅下車 徒歩8分)
講演要旨:
大津の研究者としての関心は一貫して言語の認知科学、分けても、第一言語獲得にあり、それを支える心的メカニズムと経験の相互作用の解明に向けられてきた。今回はこれまでの研究成果を振り返り、現時点での総まとめを行うとともに、今後、取り組むべき課題について考える。
事前申し込み:不要(直接会場にお越しください)
参加費:無料
懇親会申し込み:要
講義への事前申し込みは不要ですが、懇親会への申し込みは必要です。
※ 詳しくは大津研ブログ→ http://oyukio.blogspot.jp/#!/2012/12/blog-post.html

本日のBGM: Ghosts of Saturday Night & The Heart of Saturday Night (Tom Waits live at Shaboo Inn, 1976)