定義の見方

合宿の様子を見に、遠い方の湖まで。
Oコーチにご挨拶。低温やけどの顛末を語り、不参加のお詫び。
大学生が随分と良くなっていて、来シーズンに期待が持てそう。どんどん速くなって欲しい。
昼過ぎからは天気が崩れたが、一足先に引き上げて、皮膚科で処置をしてもらう。
出血して痛みが出てきているので治癒の経過としては優等生とのこと。抗生剤を変更してもらい、しばらく様子見。年末にもう一度くらい見てもらうとこちらも安心。

2時過ぎに出校して、調査書発行のための成績入力。1学期末の成績と2学期末の成績の入れ替え。ついでなので、全員分入れ替えておいた。事務室に提出して、年内の発行に間に合うようお願い。

  • やったー、年内の仕事終わりだぁ!

と準備室で叫んだら、同僚が、

  • あとは東京だけですか?

というので、

  • いや、東京から帰ってきたら県の成年チームの合宿です。
  • じゃあ、全然終わりじゃないじゃない!

と言われて、確かにそうだなと。

というわけで、いよいよ、明日は語研の冬期講習会。また飛行機です。
まだ席に余裕はあり、当日の申し込みも可ということなので、ご都合のつく方は奮ってご参加お願いします。

(冬期講習会申し込みの方はこちらから語研のサイトへ→http://www.irlt.or.jp/modules/eguide/event.php?eid=91)

帰宅後は、レジュメと資料との摺り合わせをして、荷物のパッキング。
今日はBasic English 関連の書籍を捜索したのだが、洋間の書棚には見あたらず。次の本くらい。

  • 相沢佳子 『英語基本動詞の豊かな世界 名詞との結合に見る意味の拡大』 (開拓社、1999年)

書店で表紙が新しくなったと思って買ったのだが、新装版で中身は以前からもっていたものと同じだった。妻には内緒。

  • The Basic Dictionary (ベーシック英英いいかえ辞典) (北星堂、1990年、オリジナルは1932年)

7500語収録の単語集といった方が的確か。”east = opposite of west” で “west = opposite of east” などというのは問題外なのだが、ときどき、使える言い換えがあるので捨てられない。”paraphrase = give the sense in other words” はLDOCEの “to express in a shorter, clearer, or different way what someone has said or written” よりも簡潔であり、”definition = statement of how a word or group of words is used” は、LDOCEの”a phrase or sentence that says exactly what a word, phrase, or idea means” より語彙力文法力共に負荷が少ないだろう。ちなみに、ISEDで、 “paraphrase” は “an expression of any piece of writing in other words without changing the meaning of the original” という名詞の定義が的確。”definition”の方は “an explanation of the meaning of a word”となっていて、これは『ショーター英英』とまったく同じである。
ところでGDMやBasic Englishって今の若い英語教師はどの程度馴染みがあるのだろうか?
私の場合は、GDMのように指導手順をrigidに決めて授業に取り入れているわけではないが、Basic Englishの発想、表現には随分とお世話になったので、英語教師足る者、一度はきちんと体験とか通過しておかないといけないような気がしている。以前の同僚で、GDMのエキスパートがいたので、その影響もあるかも知れないけれど。こちらに来る時に処分した書籍の中に、いくつか概説書と辞典があったはずなので、気長に買い直していこうと思う。

懐古に耽ってばかりもいられないので、今風の英語教育で盛んに取りざたされる用語の、input-intake-outputの “intake” を少し古いが手元にある辞書で調べてみた。

  • In second or foreign language learning, a distinction is sometimes made between input and intake. Intake is input which is actually helpful for the learner. Some of the language (i.e. the input) which a learner hears may be too rapid or difficult for the learner to understand, and therefore cannot be used in learning (i.e. cannot serve as intake) (Longman Dictionary of Language Teaching & Applied Linguistics, 2nd edition, 1992)

これでは、何をもって「インテイク」とみなすのかがまったく不明。もう少し後発の辞典だと、

  • 『英語教育用語辞典』 (大修館書店、1999年)

では、「インテイクの統一的な定義はまだ確立していない」としていて、潔い。
このブログだと、過去ログの→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20061123でも、output言説に関して少し書いたのだが、この用語の正確で具体的な定義がほとんどなされないまま、やれインテイクの質だ量だと議論をしても生産的でないと思うのだなぁ。最新の研究者の間ではこのあたりの用語の定義まで踏み込んで合意形成がなされているのだろうか?和泉先生の最新刊で一番期待していたのはこの部分を海外の理論の受け売りではなく、自分で噛み砕いて記述してくれることだったのだが、さらっと「当たり前」のように記述され、突っ込んだ解説などはなし。
こういう部分こそ、海外の研究者の受け売りではなく、自前の研究と考察が必要なところなのではないかと思うので、今後に更なる期待。
フィギュアの全日本選手権、本日開幕。
バンクーバー五輪、残りの2枠が誰になるのか、男女シングルは目が離せません。

本日のBGM: Take it back (Aimee Mann)