今日は本屋も覗かずに…。

選抜大会中国地区予選会終了。
天気はなんとかレースが終わるまでは持ってくれましたが、レースは完敗。天竜はまだまだ遠し。
他県は皆学年が一つ上とは言え、もう少し戦えたかな、というのが正直な感想。
スタートで出られて、500mで4位と1艇身まで粘っていたのですが、その後はスパートのスピードについて行けず取り残され最下位。1位、2位はかなり高いレベルの漕ぎ。勉強になりました。地元に帰って、一本一本の加速を継ぎ足すべく、出直しロウイング塾ですね。しばらくはエルゴの集中講義になるでしょうか。楽しみにしていて下さい。交流会での他県他校の先生との情報交換も楽しく有益でした。

帰路途中、広島を越えるあたりまで濃霧と強い雨で緊張する中の運転、約4時間で帰宅。
久々のG+でNOAH。
杉浦の多聞越えにちょっと感動。体重差30kgを撥ね返しフロントネックロックで失神KOってのはGHC王者に向けても強烈なアピールとなったことでしょう。

生徒に頼まれていた過去問チェック、というよりも、その出来具合をもとに今後の学習の指針を示して欲しいということなのだろうと思う。和文英訳から一題紹介。神戸大・08年・前期。英作文の下線部のみ。

  1. 1950年代の前半には、東京で育った男が、パリで暮らすようになっても、少なくとも日常生活において、大きな相違を感じることはなかった。
  2. 私の場合も、フランスで初めて地下鉄を見たのではなく、東京で乗り慣れた交通機関がパリではもう少し便利にできていると思ったにすぎない。

1.が当時のライフスタイルの一般論、2.が自分の個人的体験、という対比をまず確認。その上で、「東京がパリに対してさほど遅れていたわけではない」ということ、下線部以降で示されるキーワードは「相違より相似」なので、それが活かせれば申し分なし、というような流れ。
模範解答ではなく、日本文が伝えたい内容を整理し直すことの重要性を指摘し、「私ならこう書く」という英文を示すことにした。
1. の訳例としては、

  • In the early 1950s, a man brought up in Tokyo could easily fit in life in Paris.

と主題のみを書いたときに、大学側からどのくらいの得点をもらえるかがわからないので、結局文字通りの意味を辿り、「無難に直訳」、「文法的にミスのない英文」を、ということになるのだと思う。

  • In the early 1950s, life in Paris did not look much different to a man from Tokyo, at least about his daily routine.

2. の訳例も、

  • When I started a new life there, the subways were not new to me at all. Having already got used to taking the subways in Tokyo, I only found the way they ran was a little passenger-friendlier.

とした場合に、どのような評価がもらえるのだろうか、という悩みが消えないので、
? It was not when I started living in Paris that I saw the subway for the first time. Rather, the only feeling I got was that the subway there was a little more convenient than that of Tokyo, which I had been accustomed to at home.
というような何を言いたいのか分からないような英文を書く生徒が後を絶たないように思う。
この出題に関して言うと、「(交通機関が) 便利に出来ている」の部分で、

  • ? The subway there was more convenient.
  • The subway there was more convenient to take.
  • It was more convenient to take the subway there.

が自信を持って使いこなせるようなら、”convenient” という語を用いるのが便利であろうと思う。

そんなこんなで明確な答えの出ないまま就寝。

明けて月曜は高2の0限から。
起床後、昨晩の英作文をもう一捻りしてから授業準備。
ちょっと早めに出校しよう、などと思ってバタバタしていて、岡山土産をすっかり忘れていた。
「質問本」三部作で仮定法の基本の「型」に充分馴染んだところで、週末課題として新刊の某文法問題集から抜粋して解かせてみたので、その講評。
仮定法の問題演習から、浮き彫りとなる助動詞の用法を一気に復習しようと言う目論見である。
「万が一のshould」「万が一のwere to 原形」の理屈がよくわからないという生徒がいたので、「成り行きのshall」、「運命の be to原形」を確認して、流しそうめんで上流へ、という解説を加える。
「条件節での if の省略による倒置」がよく分からないという生徒には、

  • 倒置になった語順は何と同じ?

と問いかけ「疑問文」という答えを引き出し、「仮定は疑問の消去形」という考える指針を与えておいた。”I wonder if S+V” から I wonder を消去し、Vを時間の流れの上流へとシフトする、という基本の確認から始まり、 “助動詞 + 主語 + 付き人+?” という疑問文から、 “?”を消去し、助動詞の形をシフトする、という便宜上の考え方である。
助動詞の復習シリーズでは、助動詞のwill / would の予測可能性→習性を表す例文に、「キューティーハニー」「三つ子の魂百まで」というメモを記させる。cannot help –ing を用いる適切な場面・文脈を政村本の図解で確認。そういえば、禅問答さんのブログで国公立の二次試験前に、このあたりのことを書いていた気がする。流石。
今回、入試問題の実態把握や模試対応も考えて、様子を見てみたわけだが、膨大な入試問題のデータベースから厳選された良問、という謳い文句に首を傾げたくなるような出題例文や選択肢中に英語としてそもそもあり得ない語形・語順もところどころ見られる。やはり、出題されたものをそのまま示すのではなく、英語として適切なものを厳選することが不可欠だと実感。
たとえば、多肢選択の出題で誤った選択肢を錯乱肢として入れざるを得ないとしても、

  • dare you to
  • had better to
  • not to going

などを学習者の目に触れさせることにどれほどの意味があるのか訝しく思う。
著作権のこともあるので、本からの抜粋ではなく、別の例文を示しておくが、たとえば助動詞のmayは正しく指導されているのだろうか。

  • The weather report said that it might snow tomorrow.

でのmightはどの程度「一般的」な用法だと判断されているのだろうか?might で示される可能性は “might or might not” ということなのだから、通常の天気予報には相応しくない言葉遣いだろうと思う。

  • The weather forecast said that it would snow tomorrow.

の方が遙かに自然な言い方だと思うのだが、どうなのだろうか。

こういう例を見てくると、入試問題をデータベースとするのではなく、今の日本語の言語生活を反映した、多肢選択の「問題集」や「参考書」ではない、和文英訳・英作文の「教科書」を作る気概のある同志を集めたいと思う今日この頃である。
高1は、模試解説。
高1の秋の回であっても、文法の出題のうち、1/2から2/3は中学校の復習の徹底を問うものであることを確認。残るのは「語彙」「語法」、そのほとんどが「大佛次郎」的知識で、知らなければできない、知っていればできるものであり、高校レベルをクリアーするためには飽くことなく地道に覚えていく必要がある。幸い、現場で使える語彙指導のノウハウに関しては、おかじゅんなどエキスパートの研究実践の成果が明らかになっているのでそちらを活用。
長文問題に関しては、課題として、四角化ととじかっこ、足跡を記入して休み明けに提出の指示。
生徒の推薦書を書いて正業終了。本日は本業も一休み。

日没後、寒気が入り暴風雨。
炬燵を出してキーボードに向かう。
ガラス窓を叩く雨音とピアノの響きで暫しリラックス。

明日は7時半から終日マーク模試監督。

本日のBGM: ニューヨーク・コンフィデンシャル (矢野顕子)