あれから35年…

雨で目が覚める。いったん小止みにはなったが、青空にはほど遠い薄暗い朝。
明けたのは連休だけ。授業の準備は大童。
「全国縦断高校入試リスニング問題…」企画は、福島と群馬の復習。Mapからのreproduction。留守番電話メッセージの音読シリーズ。対面リピートまで。生徒が、書き換えバージョンのディクテーションを待ちかまえているところで、肩すかしで新しい問題へ。栃木県と埼玉県。栃木の問題は、予定されていたスケジュールの変更を聞きとり、表を完成させるもの。留守番電話での予定変更メッセージの応用編。埼玉県の問題は、パッセージが約2分間のモノローグ。この2分間というのは高校入試としては最も長い部類にはいるだろう。このピースは本文に不定詞の各用法が含まれており、reproductionでの不定詞の定着を運用の中で見ることができそうなので選択したもの。思惑がズバリ嵌った。
残り時間10分で、留守番電話メッセージの書き換えバージョンへ。いったん、他の情報を頭に入れさせて、本当に残っているものをチェックしようという意地悪な展開。メモの取り方を見ると、なかなか聴き方が上手くなってきたようだ。言語材料が易しいうちに、手順を呑み込ませたい。次回に向け、マップ作成の指示。
普通科は、助動詞will/ shallの導入。中学校時代に日本語訳とWill you …? / Shall I …?を公式のように覚えているためか、「コーヒーを一杯いかがですか?」でWill you have a cup of coffee?というべきところにshallを用いる者多数。疑問文/否定文など、しくみを理解することが第一義なので、本来ここでは be going to 原形を用いるべきだなぁ、という英文も、willだとpolitenessの観点で不備がある英文も現段階ではスルー。発展的課題の時にきっちり押さえておこうと思う。導入では、

  • How many hours are there in a day?
  • How many days are there in a week?
  • How many days are there in October?
  • How about in February?

ペアでQ&Aでここまでの口慣らし、耳慣らし。これを踏まえて、新たに、

  • How many days are there in a year?
  • How about in 2008?

のQ&A。ペアで確認。答え合わせで、

  • There will be 366 days in 2008.

のwillを提示。ちょっと乱暴な導入だったと反省。willに続く動詞は原形になることを徹底。
辞書引き作業で、”leap year”の意味と、”leap”の意味を確認。閏年と五輪年の関係を引き出してから、

  • There will be 366 days in 2012.
  • There will be Olympic Games in London in 2012.

を提示。今回のターゲットwillに焦点を当て音読。ここまでやってから、テキストの問題をワークシートで。大きな1番の問題が終わったところで、対面リピート。日本文から英文、スラスラできなければ、英文で英文リピートという二段階設定を活用させる。
上述のshallに関する間違いが多かったので、板書して解説。本日は終了。
午後は、進学クラスの続き。今日は、ベネッセの取材があったので、昨年までの授業で使っていたワークシート、生徒の作品、『表現ノート』、朝日エッセーコンテストの記念冊子、さらには、私の教材研究ノートを学校に持って行っていたので、教室まで運び、生徒に回覧させた。高2,高3、さらには全国の高校生はどの程度の達成度、到達点なのかを直に見てもらおうという狙い。ライティングの授業をちゃんとやっていると、生徒のproductionの豊富な実例が紹介できるのが強み。何よりのnear-peer feedbackとなる。本当に真剣に見入っていました。
残りの時間は、栃木と埼玉の出題のスクリプトを見せながらリスニング。埼玉の英文では、不定詞の確認とenoughの確認。英文は長くてちょっと大変だけど、設問が易しいので拍子抜けした者に再び喝を入れる。
放課後はベネッセコーポレーションの取材。
本当は19日に神奈川県の先生を対象とした研究会を開くので是非来て欲しいと言われていたのだが、中間試験初日で英語の出題が必ずあり、学校を離れられないため、失礼ではあるがビデオでの登場と相成った。

  • 「神奈川県英語指導研究会」〜大学入試要求学力に向けて求められるライティング指導〜
  • 2007年10月19日(金)15:00〜17:15
  • 会場:ホテルキャメロットジャパン
  • 内容:第1部 大学入試分析、第2部 ライティング指導事例紹介

申し込み等、詳しくは、学校担当のベネッセの方にお尋ね下さい。
今回、お話しした内容は、このブログをお読みの方はおなじみのものです。

  • 検定教科書に見られる典型的なシラバスとGWTに見られるテクストタイプ別指導シラバスの相違
  • 大学入試ライティング問題の特徴と「自己表現」を重視した指導の危険性
  • ライティング授業での実際の対応
  • 語彙の弱い学習者を伸ばす指導
  • 文法/構文/表現の弱い学習者を伸ばす指導
  • 構成/論理の弱い学習者を伸ばす指導

を具体例を交えて紹介しました。
とりわけ、「タテ糸」を与えることにより「ヨコ糸」の充実を図ること、「長く書かせることによる難易度/習熟度アップ」という観点の大幅な見直しをアピールしています。内容を凝縮することで、語彙/表現を成熟・洗練させるヒント、内容を拡充することで、より論理構成を確かなものにして説得力をますためのヒントを熱く語りました。「こうすれば必ず上手くいくっ!!」という有り難い話ではなく、「幾多の失敗を経て、こういう指導だと落とし穴に落ちずに済むことがわかった」という経験談のようなものです。
実際に使われるのは15分とか20分程度のようですが、ビデオ撮りは計1時間強。アップでお見苦しい点もあるかと思いますがご容赦を。今回は平日の開催ではありますが、神奈川県の方でライティングに関心のある方は是非参加して頂き、ご意見をお聞かせ下さい!
夕方からは空も本気で泣き始める。そんなに悲しいのか?
ゴアテックスも負けそうなくらいずぶ濡れで帰宅。
夕飯はじゃこ飯、里芋と舞茸の煮物、ハマチの刺身、ゆず塩うどん。
日が落ちてからも続く雨。

  • 冷え込んだ空に、寂しがり屋の夜が尾を引いていく。

本日のBGM: ジャコビニ彗星の日(松任谷由実)