♪ああ、色んな事が思い出されるよ♪

  • 500mで2分を切れない漕手に、1000mで4分を切ることは不可能である。
  • 1000mで4分を切れるようになった選手は、500mで2分を切ることができる。

どちらも真理です。では、漕手としての心理としてはどちらの道がアクセスしやすいでしょうか?
こんなことを考えたのは、何も、自チームの生徒がまともに練習をしないからではありません。
英語の基礎力を考えた時に、

  • 基本の2000語をまずは覚えてしまうこと。

というお題目はどの程度学習者の心を動かしているのか?ということが気になったからです。単語を覚えるということが一筋縄ではいかないということは、古い友人でもあり、何でも出来るはずのO先生が、今では語彙指導(研究)と実践・教材の普及に特化していることでもよく分かります。
現在、高2で『P単』、高1で『短単』をやっています。すでに、「名詞は四角化で視覚化」で、コロケーションの基本パターンは抑えているので、教材の選択としては妥当だと思っているのですが、それでも、なかなか覚えられない生徒はいるのです。基本語を100語だけ取り上げたとしても、その100語を使えるように覚えていくには、より多くの無駄、余白、のりしろが必要な気がしています。日本語の使用による安心感がその役割を果たすこともあるでしょうし、一世を風靡したマインドマップなどのクラスター化する手法も時には効果的でしょう。ただ、伝統的な、昔ながらの『英単語物語』的なエピソードの中で単語を咀嚼し、消化吸収する方法の良さも見直していいのではないかと思うのです。

  • 田崎清忠氏のサイマルでの『…100語』シリーズ
  • トミー植松氏の「うんちく&ジョーク」もの
  • 小川芳男氏の正統派の語源&ロマン(ス)

など、TESOLやSLAの流れで教科教育法を経験した若い世代の英語教師にも読んでおいて欲しいものはいろいろあります。教材は何も精選すれば良いというものではないのですから。カロリーメイトだけ食べて、アミノバイタルだけ飲んでいても楽しくないでしょう?受験生には英語にだけ時間を割いている余裕はないのだから、といって、スケルトン宜しく言語材料の最大公約数を示すような教材をいくらこなしたところで、それは英語の実像には成り得ないのです。結局、そのスケルトンに肉付けするためにまた別の教材をやらされる羽目になる。
随分前にも提案しました、

  • 新書版の読み物を教科書にして「ことばっていうものは面白いものなんだ」ということを感じさせることのみに徹する。

これを本気でやりませんか?教室でこの新書をただ読むだけ。で、同様のシリーズがたくさんある、というイメージ。ただでさえ、ドリルが苦手な生徒が問題集を何冊もやるより、著者の一貫した姿勢が感じられる新書を読み返すうちに、色々な発見があったり、前のところに戻ったり、シリーズの他の本に飛んでみたり、と間口、敷居、奥行きに変化が出るのではないかと思うのです。
目の前に「英語難民」とでも形容するしかない生徒がいたら、それを揶揄したり、笑い飛ばしたりする気にはなれません。代わりに覚えてあげるわけにはいかなくても、覚える工夫を提示したり、覚えた人の苦労を共有することで、辛い作業を乗り切ってもらうことくらいはしたいと考えます。
本日は放課後、夕方からは寮の当番。夕立で車から降りて寮に入るまでにびしょびしょになってしまいました。宿直に引き継ぎ、帰宅は9時過ぎ。週末の日焼けが、じわじわと痛みを増してきました。因幡の白ウサギ状態です。
以前からお知らせしている山口での英語教育イベント告知のページを新設しました。こちらをご覧下さい。
http://choshu-elt-2008.g.hatena.ne.jp/tmrowing/20080708

本日のBGM: でっかい家で(どんと)