埒もいつかは明けよう

氷点下の朝。
窓ガラスがサイドまで凍り付いていて、車を出すまでに10分かかった。
授業は高1のみ。
進学クラスは、久々の0限。2月の歌は、定番(私の授業では、ですが…)のHarry Nilsson。仮定法をやったので、その流れで。1972年作品。ピアノに、Nicky Hopkins、ギターに、Peter Frampton、パーカッションにRay Cooperなど、渋いパーソネルです。1995年のトリビュート盤で、ビル・ロイド(Bill Lloyd;元Foster & Lloydの人です)の秀逸なカバーも使って聴き取りとタスクをコメントまで。残りの時間で、仮定法の問題演習の続き。仮定法の例文で、何が分かりにくいかと言って、

  • If I were you, I wouldn’t say such a rude thing to that woman.

の、”you” の粗忽ぶりや、”that woman” の要注意人物ぶりが、実感しにくいこと。これが一文主義の最大の欠陥であり、日本語による解説や状況設定が理解を支えていることを忘れてはならない。英語の授業は英語で、という場合、この点がクリアーされていることが重要。
問題に取り組む様子を観察し、直説法との書き換えが一番の弱点という生徒が散見されたので、

  • as / since // because // so

の4つの語の用法を復習し、理解の徹底を図る。直説法で表された英文の理由・原因とその結果をしつこく確認し、間違いを未然に防ぐ作戦。365歩のマーチは4限へと続くのであった。
4限は、If I were you, …. などでif節を使わず、主語と(助)動詞の倒置で仮定を表す、

  • Were I you, ....

などを扱う。切り口は、<仮定=疑問の解消>ということで、Yes/ No疑問文と同じ語順にして、?を消し、Yesの命題だけを引き受け、助動詞を過去へと一つずらすことで現実離れの仮定を表すことにする、というもの。
If you had + -ed/en形でも同じ考えが使えると綺麗なアプローチという評価ができるのだが、現実問題として、現在完了形でないとこの理屈では説明しきれないのね。過去形の疑問文はdidを用いるから。もう一手間かけないとダメ。ただ、感覚は理解してもらえるので、あとは実作で。

  • type IIとtype IIIの基本形がどう実際には変わるのか、どのように合体ロボ攻撃になるのか、というのを体得するには、実際に自分で使ってみるのが一番。最初に取り組んでもらった、「もし、あなたが…だったら?」という5つの作文課題に取り組む中で、ここまでにやった原理原則を何回も参照することが大切。そうやって、実際に必要な考え方を何回も辿り直すことで、一々考えなくても出てくるようになる。

ということで、2週に渡ってようやく、最初の「あなたならどうする?」のアウトプット課題へと戻ってきたことになる。Input→ Intake→Outputというサイクルがあまりにも単純化されていることがわかろうというものだ。
昼休み、いつもお世話になっている某S書店の営業の方が来校。昨日は職員室も人がまばらな6時くらいに飛び込んできて、無茶な営業をしていたB社の営業の方には無視を決め込んだが、今日の方は前回私のいないときに机上に残してあった名詞に丁寧な言葉が記されていたので、じっくりとお話を聞かせてもらった。私からも「本屋さん」としての老舗はある意味安心できる教材作りをしてくれる、とコメント。偽らざる心境。あとは、文法を授業で扱うのなら『総合本』と『文法準教科書』、さらにはワークブック、という効率の悪い分断は止めて、『総合本』で授業をすることを選びます、という持論を展開。結局、昼ご飯は食べそびれたが、こういう真摯な方がいる会社は大丈夫だろう。
普通科は、名詞節。「…ということ」の便利さを感じてもらう。このクラスは、浮き沈みが激しいクラスだが年度末に来て、ようやく授業で繰り返し説いてきた「考え方のコツ」が使えるようになってきた生徒が増えてきた。クラス全体で見れば遅々とした歩みだが、英語の根幹はしっかりと掴んでいるので、自信を持って次のステップに進んで欲しい。
放課後は職員会議。その後、英語科会議。練習は見られず。エースキラーは体調不良の病み上がりからまだ脱しきれず、今回は合宿を見送ることに。年末から艇速が伸びてきたところだったので、残念。エースに期待しましょう。
8時過ぎで夕飯。地鶏(みつせ鶏)の炙りのパスタ。麺はいつものバリラ。鶏は下ごしらえが利いて美味。完食。
さあ、今夜も自分の実作へ。
連休は本業の合宿なので更新は期待できません。悪しからず。
本日のBGM: 車窓(風味堂 / Sketchbook)