英語ニュース引用RT140字紹介&詳解から一ネタ。
句動詞double down を確認。より一層強い態度に出る・意志を示す。 「…ではないこと」を事実として断じるis not と、「…することはない」と断固たる強い意志を表明するwon’tの組み合わせ。
第二文のtalksは通例複数形で公式・正式な会談・交渉・協議。aboutとwithoutのリズムで長い主語も一息で。句動詞double down を確認。より一層強い態度に出る・意志を示す
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年2月18日
。「…ではないこと」を事実として断じるis not と、「…することはない」と断固たる強い意志を表明するwon’tの組み合わせ。
第二文のtalksは通例複数形で公式・正式な会談・交渉・協議。aboutとwithoutのリズムで長い主語も一息で。 https://t.co/1c4hG8Xive
元ツイはこちら。
Zelensky doubles down: Ukraine is not part of Russia-U.S. negotiations and won’t recognize their outcomes.
Any talks about Ukraine without Ukraine are meaningless.Zelensky doubles down: Ukraine is not part of Russia-U.S. negotiations and won’t recognize their outcomes.
— Tymofiy Mylovanov (@Mylovanov) 2025年2月17日
Any talks about Ukraine without Ukraine are meaningless.
1/ pic.twitter.com/mEm25qyLyx
ツイッター標準搭載のGoogle翻訳だとこんな和訳に。もう一息ですね。
ゼレンスキー氏はさらにこう主張する。「ウクライナはロシアと米国の交渉に参加しておらず、その結果を認めないだろう。」
ウクライナ抜きでのウクライナに関するいかなる協議も無意味である。
もっとも、この句動詞もまだ、一部の辞書にしか収録されていません。
ツイッターでは3年ちょっと前に言及。
元ツイの英文で引用符のあった、
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2021年10月19日
double down on
は最近よく見るようになりましたね。
Cambridgeの定義が分かりやすいかな。https://t.co/1A3PdgOENH
continue to do something in an even more determined way than before:
類似の句動詞で<動詞+down on + 名詞>となるものとの比較もしています。
この一連の "動詞 down on名詞"では、目的語の名詞は大体、壊れたり、制圧されたり、萎縮したり、減少したりするけれど、それらとは異質の意味を持つのが
double down on
G6で初めて収録もカードゲーム由来の注記なし。
主に米語法でいい?
MW’sの一般用の語義2がイマドキの用法。
COCA系で確認を。この一連の<動詞 down on名詞>では、目的語の名詞は大体、壊れたり、制圧されたり、萎縮したり、減少したりするけれど、それらとは異質の意味を持つのが
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2024年4月4日
double down on
G6で初めて収録もカードゲーム由来の注記なし。
主に米語法でいい?
MW’sの一般用の語義2がイマドキの用法。
COCA系で確認を。 pic.twitter.com/MII8aQt15w
このツイートでの指摘は、とても重要な内容だったのですが、ほとんど反応はありませんでした。
- 動詞以外の部分の前置詞・不変化詞が全く同じでも、意味の類推が利かないものもあるのだ。
ということをもっとマジメに考えておくべきなんです。
このdouble down もそんな仲間。
何事も過度の一般化は慎重に。
ひとつひとつ覚えるのが近道だと思いますよ。
今日も今春の入試問題から。
慶応義塾大学の法学部の「句動詞」に関わる出題。
山添玉基先生のこのツイートで知りました。
今年の慶應義塾大学法学部第1問B問題が,まさにこのパーティクルを問う問題になっていました。いずれの句動詞も受験生の知識の範囲外かと思いますが,句動詞そのものの意味を問うのではなく,句動詞の意味をパーティクルの意味やニュアンスから推測させることが狙いなのではないかと思います。 https://t.co/UCTC51UP8C pic.twitter.com/7MSXisTAtD
— 山添 玉基☆『ぐんぐん読める英語長文』シリーズ(BA/ST/AD)絶賛発売中☆ (@yamazoe_tamaki) 2025年2月17日
解法が主眼ではないので、空所がどこだったかがわかるように ( ) に入れて、補充完成した後の英文を示しておきます。番号は私の方で振り直し。
1. My boss leveled (with) me; if I don't bring in more sales, I will get fired.
2. His plans to open his own restaurant sadly fell (through) at the last minute.
3. Several students cooked (up) an excuse for not submitting their homework.
4. After a hard day at work, she would wind (down) by listening to opera.
5. Just because you hit your sales target, you shouldn't bank (on) getting a promotion.
日本語訳
1. 上司は私に率直に話してくれました。もっと売上を上げないと解雇されると言われました。
2. 彼が自分のレストランを開く計画は、残念ながら最後の瞬間に頓挫しました。
3. 数人の学生が宿題を提出しなかった言い訳をでっち上げました。
4. 仕事で疲れた一日の後、彼女はオペラを聴いてリラックスしていました。
5. 売上目標を達成したからといって、昇進を当てにしてはいけません。
句動詞も含め解説をしておきます。
1. A level with B は「AがBにレベル(=水準)を合わせる」が原義。高低差で遮られていたものを均すと、直視出来るようになる、という理屈ですかね。
- OALDでは、 (informal) to tell somebody the truth and not hide any unpleasant facts from them
- COBUILDではIf you level with someone, you tell them the truth and do not keep anything secret. [INFORMAL]
- LDOCEでは (informal) to speak honestly to someone, after hiding some unpleasant facts from them
とあります。
この語義と生息域に関して詳しいのは、私が愛用する『アメリカ口語辞典』(朝日出版社、1983年) でしょう。
動詞levelは「(曲がったり凸凹になっている所を)真っすぐ [平ら] にする」で、with someoneをつけて比喩的に使うと、「(話しの内容を曲げないで)真っすぐに→まともに話す」という意味になる。それまで言わなかったことを、あるいは曖昧にしか表さなかった自分の考えや気持ちをはっきりと相手に言う場合に使う。
I’ll level with you. I don’t like the way you’re running this company. You’re trying to expand too fast.
(率直に言いましょう。私は、あなたの経営ぶりが気に入りません。やたらに規模を広げすぎるんですよ。)
主語のbossと最後のfiredだけを見て、人事権を持つ上司の「パワハラ」を連想してしまうと全く違う出口に行ってしまうので気をつけたいところ。
2. sadly (悲しいことに;残念なことに)は勿論、at the last minute (土壇場で、最後の最後で)という副詞句が分かっていることが前提の空所補充。
主語はplans (計画)ですから、「ダメになる;ポシャる;おじゃんになる」というような意味になる句動詞で、 自動詞的に fall through。
- If an arrangement, plan, or deal falls through, it fails to happen. だめになる (COBUILD米語英英和)
主語が「計画」の時は、実行する行為・活動が一つでも、通例 "plans" と複数形にするので注意が必要。
既に与えられた動詞がfallの過去形fellなので、前置詞だけでなく、副詞としても使えるもの、と考えると選択肢ナシで思いつくのは
- down
- out
- over
- through
- away
- in
辺りなので、through一択。
選択肢にないものでも良いのであれば fall apartも可能。
選択肢中でonを続けてfall on となると、その後にさらに対象を続けて、接点・着地点・圧点を示すのが基本でしょう。
- In ‘occur’ the accent falls on the second syllable. occurという語のアクセントは第2音節にある. (Wisdom英和)
- 今年の文化の日は日曜とぶつかる. Culture Day falls on (a) Sunday this year. (Wisdom和英)
- 非難の矛先が校長に向けられた. The finger of blame fell on the principal. (Wisdom 和英)
- 彼に災いがふりかかった. Misfortune [Evil] fell on him. (Wisdom 和英)
そこまで知らずに原義・基本義だけでonを消去しthroughに決めるのは結構乱暴じゃないかな。
3. an excuse があるので動詞との結びつきを考える。でも、単に「言い訳を」するであれば、他動詞1語で made [gave; offered] an excuseで済むので、ここでは「口から出任せ;でっちあげる」となるように、句動詞を完成させることになる。
まず思いつくのはmake up an excuseとinvent an excuseだろうけど、ここでは既にcooked が与えられているので、cooked upとするしかないでしょう。
他動詞1語なら concoctですね。
この concoct は『ピナクル』(アルク、2023年)に見出し語で収録。流石です。
ただ、cook up もconcoctもexcuseとの結びつきに関しては、make upやinventと比べると頻度は低くなります。
Ngram Viewerでざっくりと。
現在形または原形(不定詞含む)
過去形または完了形
相当な差ですよね?
4. これはoperaが分かっていることが前提?「きつい仕事の後で、オペラを聴いて○○した」という場合に、○○に入るのは、アゲ?サゲ?というアプローチを求めているんですかね。wind down もそこそこ多義ですが、
- If you wind down, you relax after doing something that has made you feel tired or tense. くつろぐ [INFORMAL] (COBUILD米語英英和)
- (of a person) to rest or relax after a period of activity or excitement SYNONYM unwind (OALD)
このwindは「時計・ぜんまいなどのねじを巻く」方の動詞。発音はbindと韻を踏むもの。しっかり巻き上げる (wind up) とテンションがかかってチクタク、テキパキと連続で動き働くわけですが、徐々に巻きが緩んで動きが遅くなったりして最終的には止まるわけです。
そこからの比喩で、
- (人が)(だんだんに)緊張を解く、緊張から解放されリラックスする、ストレスを徐々に解消して落ち着く (『動詞を使いこなすための英和活用辞典』朝日出版社、2006年)
という意味で使われます。機械式で手巻きの時計に馴染みのない受験生には厳しかったでしょうかね。
この不変化詞のdownも、「減少」という基本義を見いだすことが広く行われている印象です。
確かに、
- turn down 音量などを下げる
- calm down 状況が落ち着く;収まる
- slow down 減速する
- narrow down 絞り込む
などでは、動詞の意味と down の意味とに直接のつながり・重なりが感じられるわけですが、この wind down に関しては、wind upでの「きちんと巻いてある状態から、初期状態への変化」で緩むものであって、wind自体に「緩める」という意味があるわけではないことには注意が必要でしょう。
5. bank on は「依存」の文脈で多く用いられるonの句動詞でお馴染では?count on やfall back on など入試に限らずそれなりの使用頻度でしょう。
私のツイートから。
依存する;当てにする;頼る
の意味で用いられるbank on は高1の頃にこの教材で覚えました。
初版は1975年。私が高1だったのは1979年です。依存する;当てにする;頼る
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年2月19日
の意味で用いられるbank on は高1の頃にこの教材で覚えました。
初版は1975年。私が高1だったのは1979年です。 https://t.co/eL4fEbPTNK pic.twitter.com/UPEZbk1nvv
写真であげていたのは、
- 長崎玄弥 『奇跡の英熟語』(祥伝社、1975年)
でした。
関連ツイも併せて。
昔の教材からbank on補足。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年2月19日
1枚目は1981年。準級ができる前の時代の英検2級程度とされていました。
3枚目は2000年。出題校名は記されていないので、実際に出題されたものではなかったのでしょう。
ここまでに挙げた教材の用例で動名詞句が来るものはなかったですね。 https://t.co/68N2jLPVdU pic.twitter.com/xPh1OzqQ9H
大昔の受験生も知っていましたよ、という話し。
今日、出題を取り上げたのは慶大・法の大問 I Bの句動詞での前置詞・不変化詞。
大問 II の見難い(醜い?)問題に比べれば随分マシな出題と作問。
大問 IIIも口語表現への習熟が問われるものですが、やり取りは明確で内容の受け継ぎやつながりはわかりやすいもの。
あと大問Vも構成が見難い。普通に読ませたらいいのに、と思います。
この慶大・法といえば、私が受験生のときの志望校でした。
その頃の出題でも「句動詞やイディオム大好き!」という印象。
過去ツイから発掘。
句動詞って今も昔も外国語・第二言語として英語を学ぶ者にとってのトラブルスポットです。ダイアグラムやピクトグラムで、イメージとかフィーリングを示したらなんとかなるものばかりじゃないですから。写真は私が実際に受験した82年の慶應義塾大学法学部の出題から。今の受験生にも結構難しいのでは?
句動詞って今も昔も外国語・第二言語として英語を学ぶ者にとってのトラブルスポットです。ダイアグラムやピクトグラムで、イメージとかフィーリングを示したらなんとかなるものばかりじゃないですから。写真は私が実際に受験した82年の慶應義塾大学法学部の出題から。今の受験生にも結構難しいのでは? pic.twitter.com/5NHqBK1SkU
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2019年5月2日
添付の写真も再録。
もう少し「エグ味」の濃いのがこちらの出題。同一年度の同一学部の出題ですから、どんだけ句動詞好きなんだか、って気がしますよね?
もう少し「エグ味」の濃いのがこちらの出題。同一年度の同一学部の出題ですから、どんだけ句動詞好きなんだか、って気がしますよね? pic.twitter.com/F1RWMoHyMn
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2019年5月3日
ということで、2025年の出題を見た後に、1982年の出題も見てみました。
これって、
- 「時代が違っても変わらない大切なもの」
と呼んで良いんでしょうかね?
本日はこの辺で。
本日のBGM:Standin’ All Alone (カーネーション)



