Arriving too late?

4月は全く更新できずに、5月も下旬。
学校教員の「師走」は12月じゃないね。

セミナーの告知から。

「ライティング」の指導法・評価法に関連して。
2022年6月18日(土曜日)

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今回も「フィードバック」に主眼をおくものですが、巷で嘯かれる、

  • clarification request

とか

  • elicitation

などの「ゆるふわ」なものではなく、また

  • metalinguistic feedback

などといわれる、記号によるものでもなく、明示的で言語的なフィードバックのあり方を示し、そういうFBが、なぜ今、有識者によって説かれるような「学習者の書く意欲を減退させる」とか「間違えてはいけないと萎縮させる」ことにつながらないのか、なぜ学習者は、さらに英語を書くことに取り組み、それぞれが習熟していくことが可能なのかを、受講者と一緒に考えたいと思います。

学会を覗いてみると、最新の研究、知見が紹介されたりするのですが、その研究者が中等教育段階でどの位の年月をかけて、どのくらいの人数の学習者に英語のライティングを教え、実際に自分で評価してきたのか、ということを考え合わせる必要があると思っています。


この分野の巨匠であるDana R. Ferris も、L2の教室に根ざした研究を続けているIcy Leeも、A. D. Cohenの昔の著作を踏まえているというのに、最近の日本の研究者の参考文献には、殆ど見当たらないですよね。あと、国内の先行研究で青木信之氏の著作も。


勿論、Cohen 氏は近年もPragmatics関連で精力的に論文・書籍を出されていますので、そちらも機会があれば。


高校では今年度から新課程で「論理・表現」という志の高い科目が始まりましたが、教科書がそれに見合っていないのか、新課程の学習指導要領のピントが外れているのか、教室現場は四苦八苦しているような印象を受けます。少なくとも「つながりとまとまりのある英文ライティング」に関しては、明らかに後退した教科書が増えた印象ですが、単なる憂いとか憤怒を超えた、ベテランならではの話をします。


「文字指導/handwriting指導法」セミナー、6月の回は初級です。
2022年6月19日(日曜日)

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GWを挟んで、初級編と中級編を開講しました。
「美しい文字を書こう(書けるようにしよう)!」というゴールではない指導法セミナーは稀有だと思います。

  • え?では何のため?

という指導者の方は「初級編」の受講をお薦めします。

巷に蔓延る次のような悪手の根絶を目指しています。

  • 悪手1:合格するまで居残りでテスト
  • 悪手2:宿題でノートの1行に文字や単語を何回も書かせる

え?ダメなの?
他にどうしろと?
という人は今すぐにでも申込を!
「文字指導/handwriting指導の基礎基本」とは何か?今まで見えなかった文字が、児童・生徒・学習者の書く姿が見えるようになる、2017年から継続してきたセミナーの最新アップデート版です。
是非、同僚の方をお誘い合わせの上、お申し込み下さい。
小学校、中学校段階の指導者だけではなく、高校や大学の指導者の方にも響く内容だと思います。できれば、大学の教職課程を担当されている方、自治体の指導主事の方、そして文科省の英語教育担当の方に受講していただきたいと思っています。


最後は、「入試改革を考える会」関連。
東京都立高入試でのスピーキングテスト(通称: ESAT-J) 導入の中止を求める緊急アピールです。

note.com

ついに、都内の現職教員への説明会が始まったようですが、質疑応答もないということで、疑問は全く解消していないと言っていいでしょう。
来月(6月)の都議会でどの程度取り上げられ審議されるか未だ見通せませんが、この「緊急アピール」をお読みいただき、問題意識を共有できた方は、声を上げて欲しいと思っています。
今、ここで止めないと、全国へと波及します。
よろしくお願いします。


本日のBGM: Drowining Witch (Frank Zalpa)